ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

はがきを出して、郵便屋さんに『あさこはうす』に通ってもらお!これならできるよね!

2012年10月06日 | 日本とわたし
久しぶりに、文字起こしをしました。
『あさこはうす』のことについて、まだ一度も、きちんとお伝えしていませんでした。
『あさこはうす』の管理人であり、日本の55基目となるはずの原発と真っ向から対峙して、闘い続けておられる厚子さん。
おかあさまの遺志を継いだとはいえ、大変な思いをして、これまでこられた厚子さん。
ほんの一端に過ぎないのですが、ここでご紹介させていただきたいと思います。

大間原発建設の真実 孤軍奮闘の『あさこハウス』



日本は、エネルギーに飢え、原子力に深く依存していますが、その流れは変わりつつあります。
かつては確かだと思われていたものを、津波が押し流してしまいました。
今や、原子力産業に対する怒りの波が、ふくれ上がってきています。

日本は、魚が大好きな国。
なかでもここは、有数のマグロの町として知られています。
弾丸のような形をした、この巨大な魚が、かつて小さな村だった大間を、豊かにしました。
一尾に、数十万ドルもの値がつくのです。

でも、今日のマリンフェスティバルに集まった群衆を見渡せば、大間の向かう未来が見えてきます。
それは、マグロではありません。原子力です。
電源開発(株)(Jパワー)と日本政府は、大間町の町外れに、原子力発電所を建設させてもらうため、懸命に、地域住民の説得を続けてきました。
原発が完成すれば、日本で55基目の原子炉となります。
化石燃料の少ない日本は、エネルギーの4分の1を、原子力に依存しています。
地元の猟師は、原発建設を承諾する見返りに、一人当たり、13万ドル[約1000万円]を受け取りました。

小笠原厚子さん
「いえ、売らないです。お金ではないです、人の命は」
「売りません。売るつもりもありません。お金ではありませんので」

小笠原厚子さんは、買収に屈していない数少ない一人です。
大間の新原発は、彼女の小さな家から、250mしか離れていません。

リポーター:
「原発はあそこですね。全然遠くないですね」
小笠原さん:
網とか、あと有刺鉄線とか、やられるようになってきたらほんとにもう威圧感があって、
なんかほんとにもう、なんちゅうの、檻でもないですけど、そういうふうに囲まれたような感じ、
ほんとにもう、息苦しくなるし、憂鬱にもなるし、わたしはほんとに、人間として扱われてないんじゃないかな、と思うくらい」

母親の遺志を継ぎ、厚子さんも頑なに、原発建設への協力を拒んでいます。
そこで、原発を運転するJパワーは、単純に、彼女の家の周りに、原発をつくり始めました。

彼女の土地に行くには、ここを通るしかありません。
Jパワーによって、フェンスで囲い込まれた細い道です。
この道を通る人すべてに、Jパワーの警備員が、目を光らせています。

リポーター:
「ここがその家ですね。かの有名な」
小笠原さん:
「そうです」
リポーター:
「とても有名な」
小笠原さん:
「はーい」

ここが、彼女が受け継いだ土地に建つ、一間の木造の小屋です。
このあたりには、176人の土地所有者がいましたが、Jパワーに金の山を積まれても、首を縦に振らなかったのは、彼女の母親だけでした。

小笠原さん:
「母の時はやっぱりその、2億、とは言ってましたけども、だから母は、お金ではないので、結局、2億だろうが10億だろうが、売らないっていうことは言ってたみたいです、会社さんに」

途方もない額の提示を、母親がはねつけると、Jパワーは、嫌がらせを始めるようになったと、彼女は言います。

小笠原さん:
「母の時は、まずですね、ストーカー行為。
もう常に、母が車を運転するんですが、必ず後ろをずっとついて歩いて、どこへ行くんでもついて歩く。
あとは、やくざを呼んで説得に来る。
あとはあの、脅迫の手紙、ハガキ。
あとは、町長とか、自治体の上の幹部の人達が、毎日のように説得に来る。

それによってやっぱり、体の方に異常をきたしましたし、そういう圧力みたいな感じ(心的な圧力を受け続けることによって)、精神的に病的になっちゃったこともありますしね。

かつて大間の人々は、海に頼って行きのびてきました。
小笠原さん:
「弟がマグロ獲るんですよ。これだいたいもう200キロぐらい?で、これが160?130キロぐらい」と、捕獲したマグロの横で立つ弟さんの写真を指差して説明する厚子さん。

今やこの町は、原子力産業から支払われる金に頼っています。

小笠原さん:
「漁業で栄えればいいことであって、そういう交付金とか、そういうのをいただいて、やっぱり人間て弱いもんで、やっぱり、楽して働かないで得ると、それこそ麻薬みたいなもんで……」

大間原発の運転者であるJパワーは、外国特派員と話すことも、小笠原厚子さんが訴える嫌がらせについて回答することも、拒みました。
もしかしたら、メディアが苦手なのかもしれません。
でも、この町では、Jパワーが、あらゆるところで、大きな影響力をふるっています。
年に一度、大間で開かれるマリンフェスティバルを見渡してみれば、
Jパワーの文字の入ったシャツやうちわが、いたるところで目につきます。
Jパワーのブースまであって、子どもたちが楽しみながら、自分で発電できるようになっています。
大間はマグロの町とはいえ、魚はほとんど獲れなくなっています。
外国のトロール船による乱獲が原因です。
都会に出て行く若者が多いため、地元で商売をするミヤノ・ナリアツさんのような人は、原子力を大間町の救世主と見ています。

ミヤノさん:
「今まで、総額150億とか言われてますけれども、要は今、消防の職員、保育所の保母さんとか、そういう人件費に(オオマノ?)使えるようになりましたね。

小笠原厚子さんにとって、これは、非常に個人的な問題です。
今際の際の母親と、交わした約束を守っているのです。
しかし、国全体で見ても、原子力をめぐる議論には、強い感情が結びついています。



故・熊谷あさ子の遺した『あさこはうす」
http://www.soramori.net/2011/05/31/6440.htm


原発開発がつくった、嫌がらせ道路





小笠原厚子さんのスピーチは、9分15秒あたりからはじまります。

青森県大間・『あさこはうす』
大間原発の建設差し止め訴訟原告
小笠原厚子

こんにちは
大間から来ました、『あさこはうす』の小笠原です。はじめまして。
また、ご存知の方、お久しぶりでございます。
今、大間原発は、一旦工事は中止しております。
でも、その中止というのは、本工事が中止であって、まだ、関係のない工事の方は、粛々と続いております。
実はあの、最初、大間原発が始まった頃、うちの熊谷あさ子の私有地が、大間原発の敷地内のど真ん中にあったんです。
その時に、むこうの原発計画では、原子炉から50メートルの所に私有地がありました。
でも、買収ができず、やむなく電源開発は、200メートル移動して、建設計画を申請いたしました。
申請してから間もなく、電源開発は、共有地の裁判にかけて、(『あさこはうす』)は訴えられました。
平成15年に訴えられまして、平成16年の4月に結審する予定だったんですが、ちょっとあの、いろいろとありまして、2年間、延ばすことができました。
で、その後、一応、電源開発の工事計画は、平成17年に工事着工、そして、稼働が平成22年という計画でした。
で、200メートル移動させたってことで、買収できなかったものですから、工事再開計画が平成18年になりまして、稼働年が平成24年になりました。
だからこの200メートルがもし、買収されていたなら、そして裁判が、平成16年に結審されていたならば、平成22年に、大間原発は稼働されていたことになるんですよ。
なので、今現在、大間原発の工事状況は、一応、原子炉は取り付けられました。
だけれども、まだ、燃料棒はまだ入っていないんです。
なので、ただの箱ものなんです。
ですから、ぜひ、この大間原発を、放射能を入れさせない、燃料棒を入れさせない、稼働させないために、今まで大間の方で細々と頑張ってまいりましたが、
なんせ、地元の方ではなかなか、声を上げることができません。
なので、できるなら、こういう本部っていいますか、東京の方で、皆さんが一緒になって、声を上げていただいて、

政府と、許可を出した原子力保安院の方々、多分あの、現場を見てないと思うんですね。
それで、『あさこはうす』は、今現在、裁判が負けた後すぐ、電源開発が、新しい電源開発の道路を、わたし達の『あさこはうす』に行くために、道路を設置しました。
それも、1キロもの距離をつくって、周りを畑ごと全部、フェンスで囲んであります。
で、その道路は、電源開発の道路なので、わたしが『あさこはうす』に行くためにつくった道路なんです。
で、もしわたしが行かないっていうか、たびたびとか、少なくなれば、多分向こうとしては、もう道路を使用しないじゃないか、それだったらもうこの道路はいらないじゃないか、ということで多分、道路を封鎖される可能性があります。
それで、もしわたしが居なくても、郵便屋さんなら毎日来てくれるんじゃないか。
あそこの道路を使ってくれる。
ならば、ポストを置いて、毎日郵便屋さんに運んでもらおう。
ということで、『あさこはうす郵便』、というのをつくりました。

それで、多い時では、朝と午後の2回、来てくれます。
それと宅急便屋さん、あと、郵便屋さんの郵パックとかいろいろ来てくれるので、常に『あさこはうす』には出入りしてる、ということは、
あんな近い所であっても、人の出入りがある。そんな所に、電源開発は、原発を造ろうとしています。
ひとりの命も、東京の何十万何百万人の命も、命の重さは一緒だと思うんですね。
なので、もうこれ以上、原発は造らないでほしい。
そうでなくても、今の原発あるだけでも、子ども達は(自分達は)、原発造ってもいいですよ、造っちゃだめですよって、ひと言も言ってないんです。
なのに、子ども達はこれから、いっぱい背中に背負って、背負っていかなければならないんです。
これは大人の責任です。
わたし達がお詫びをし、そして、これからどうやって子ども達を守っていくか、それを一緒に考えながら、もう原発はこれ以上造らない、これ以上子ども達に負担を背負わさない、そう思いながら頑張っていきたい
と思います。
そして、母は、35年間、あの土地を売らないで守りました。
母としたら、別にその、難しいことは分からなかったと思うんです。
ただ、自分の子ども達や海を守りたい。
あと、友人やらみんなを守りたい。
そのことだけを思って、守ってきたんだと思います。
これからは、わたしがそう思いながら、守っていきたいと思います。
みなさんもどうぞ、ご協力お願いします。


それで、これが『あさこはうす郵便』なんですが、

〒番号039-4601
青森県下北郡大間町大字大間字小奥戸396
あさこはうす内 小笠原厚子 宛


ぜひ、こちらを利用して、郵便屋さんに通っていただけたら、と思います。
ご協力よろしくお願いします。



市民ジャーナリストチーム青森のブログ
http://yori1335.blog89.fc2.com/blog-entry-19.html

上記ブログでは、実際の『あさこはうす』と、小笠原厚子さんの話などが、映像として見れるようになっています。
上記市民ジャーナリストチーム青森のブログの一部も、以下に転載します。

〒039-4601 
青森県下北郡大間町字小奥戸396

【あさこはうすゆうびん】は一枚200円、生活の維持のためのカンパを含んでいます。
購入を希望の方は、厚子さんのゆうちょの講座へ、代金を振り込んでください。
あさこはうす郵便・振込先 
ゆうちょ02760-3-66063 
『あさこはうすの会』
「あさこはうすゆうびん◯◯枚購入希望」と記入
ください。

心温まるメッセージをお待ちしてます。

『あさこはうす』に遊びに行きたい!イベントに呼びたい!などは、厚子さんに聞いてみてね♪
厚子さんの携帯電話 090-9528-4168(公開の許可はとっています)

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ういこ)
2012-10-08 01:26:41
まうみさん、こんばんは~ こちら深夜

あさこはうすには一週間に2回というペースではがきを送っています。母にもお願いして(ボケ防止のためにも)手書きで住所を書いて出してもらっています。スケジュール表を見ながら毎日届くようにね。母も反原発なので張り切って応援しています。

それにしても、たったひとりで踏みとどまって、嫌がらせだの脅迫だの受けながら、と思うと、ほんとうに頭が下がります。ほんとうに心から。
返信する
ういこさんへ (まうみ)
2012-10-08 05:32:57
そうでしたね!ういこさんちでは、もう前から、おかあさまと共同の、はがき大作戦実施中でしたね♪
すばらしいです!

そうなんです。
この辛さ、ストレスの深さを思うと、本当に今までのご苦労がどれほどのものであったか……。
実際に、やくざの脅迫というものを毎晩欠かさず受け続けたことのあるわたしには、よくよく、自分のこととして分かる部分があるのです。

だからこそ、今回こそ、おかあさまの遺志を継がれた厚子さんに、全国、いや、全世界の市民からの応援が届きますように。それを心から祈っています。
返信する
Unknown (あさり)
2013-06-10 09:42:36
はじめまして
「あさこハウス」 の記事は、ヤフーブログでも時々目にしていました。
ヤフーブログに、こちらの記事を転載させていただきたいのですが、ご了解いただけるでしょうか。
返信する
あさりさんへ (まうみ)
2013-06-10 23:23:51
返事が遅くなってしまい、すみませんでした。
あさりさん、もちろんです、どうぞお使いください。
ここに載せた記事は、お好きなものを使ってください。
断りは無用です。

特に、あさこさんを応援するためのものなら、どんどんガンガン、こちらこそよろしくお願いします!
返信する
郵貯振込の場合 (erica)
2014-02-25 13:21:02
どなたかが代わりに葉書を出してくれるのでしょうか?
返信する
ericaさんへ (まうみ)
2014-02-26 13:52:53
郵便振込の件については、上記の記事中の連絡先に尋ねてみてはいかがでしょうか。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。