ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

The Climate March in NYC 2014

2014年09月22日 | 日本とわたし
少し落ち込んでいた。
自分のやっていることに、共感を持てなくなっていた。
だから行かないでおこうかと思ったり、だから行った方がいいかと思ったり。

「今はみな、評論家化してしまっている。評論はするけど、自分でやる気はない」とおっしゃっていた田中優さん。

『田中優さん・電気は自分で作れる!電力会社に頼らない生活』より

「評論して、批判ばっかりしてても、何も解決しようとしない人たち、のまんまではだめで、
そこにやっぱり動く人たちが出てきて、動く人たちが例えば1割を超え出すと、他の人たちも、あれ、やっぱりやんなきゃマズいのかなと思い始めるんですよ。

そのための大きな力の源になるものは、それはやっぱりワクワク感だと思う。
とにかく、人々が今、何か動かなくちゃいけないって考える時は、危機感が主なんですね。
もうこんな危険なことで大変だ!
それはね、一瞬は力が出るんだけど、長続きしないんですよ。
だから、長続きしてやれるのは何かって考えたら、未来に対する期待感、ワクワク感、
こんなことできちゃうかもしんない、こうやったらもっとスゴい未来ができるかもしれない、っていうワクワク感が大事だと思うんですね」



わたしもその、評論家化してしまっている人間のひとりかもしれないなあ…。
そんなことを考えると、どんどん落ち込んでくる。

そういうわたしを、おらおら~!とばかりに元気づけに来てくれる人がいる。
アクティビストの歩美ちゃん。
バイオマスの菜園の実現の次は、オフグリッドの太陽光発電の実験を始めるのだそうだ。

よし、やっぱり行こう。
行って、同じように、地球の未来、子どもたちの未来を、少しでもマシなものにしようと願いながら声を上げている友だちに、会いに行こう。

行くと決めて旦那に言うと、「100万人が集まってくるかもしれないと言われているのに、最悪のことを考えて予定を立てなければだめだ」とうるさい。
電車に乗れなかったらどうするとばかりに、最悪からまあまあなレベルまでの、たくさんのうまくいかなかった場合のことを、延々と語り始めた。
う~ん…最悪、目的地に着けんかったら着けんかったでええねん、という超いい加減なわたしとは、対極にいる男なのである。
ところが、そういう心配をしながら、結局は車で、超早めとはいえ、「現地まで送ってやろう」と言い出したのには驚いた。
しかも、さらに驚いたことに、今回はデモにも参加すると言うではないか。
へぇ~…。


まだまだ準備中のみなさん。
地球その2、なんて無いんだよ!というメッセージ。


雷と雨が降るかもしれないという予報が出ていた。


いろんなブースがあって、みんな張り切っている。


コロンバスサークルが先頭地点。
国連総長やディカプリオの護衛もあって、警備がすごい。


報道陣の車の駐車専用ストリート。


デモクラシィ・ナウ!のエイミーさんも!


歩美ちゃんは彼らと一緒に、早朝のセントラルパークでお祈りをしていたのかな。




『NO NUKE』のグループを目指して、ひたすら北上する。












未来はわたしたちが決める!と、めちゃ元気な若者たち。




あ、着いた!


『原子力 お・こ・と・わ・り!」by 歩美。


背中も。


今だにお名前を知らない、この方。


40年稼働して、すでにオンボロなインディアン・ポイント原発の、恥知らずな20年稼働延長を阻止するべく、ずうっとずうっと頑張っておられる方々。










ワカちゃんファミリー!


いつの間にか、ワカちゃんの旦那さんが?!


歩美ちゃんが身につけているのは、イラクの子どもたちからのメッセージが刺繍されたタペストリー。


始まりの時間が近づいてきた。


富裕層の象徴『ダコタハウス』の真横に立つわたしたち。




キングコングさん。


先頭はもう歩き始めているはずだけども、我々のところにはまだ。


レイチェルも!(一番右)


柔らかくて美しい女性たち。


まだか~?




歌い出す人に、『孫の未来はわたしたちの責任』という手作りのカードを掲げる女性。


上空を、何度も何度も飛来する、警察と報道のヘリコプター。


つい最近、廃炉を決定した(決定させた)バーモント原発。ボクらに続けとばかりに!


おっしゃ~!!


沿道の人たちも『原子力お・こ・と・わ・り』!!




日本とは違う、笑顔でのどかな警備っぷり。


畜産は(特に牛肉)、地球の環境破壊の最たる原因であるというメッセージ。




セントラルパークとビルの間を、じわじわと進む。


『死に絶えた惑星に、経済など意味が無い』


もはやどのグループとも交わって。




デモには最適のお天気。




途中で抜けてトイレを探してるうちに、


ここに辿り着いた。




この壁に一目惚れして入ったメキシコ料理のお店。
外のテーブルの隣の席から、英語と日本語の見事なチャンポン会話が聞こえてきた。
我慢しきれなくなった旦那が話しかけると、クィーンズ在住の、それはそれはすてきなカップルだった。
同じようにデモに参加していて、食べた後は、メトロポリタン劇場の前後の庭で開催される『平和のつどい』に参加するのだと聞いて、




彼女たちもきっと、デモに参加したに違いない。


燈籠に、それぞれの祈りを書き込む。


熊本がお里だというエリちゃんと、日本語がペラペラなスコットさん。


燈籠を浮かべる特設池に向かうと、帯が渋過ぎる女性発見。


もういっぱい浮かんでいる。


ペンが黒しか無かったので、赤いツブツブが描けなかったけど、これを見た係の人が、「あ、これ、反原発の!」と嬉しそうに言ってくれた。
ミサトさん、お借りしました。


さりげなくデモってる旦那。


行きを心配してたのに、スカスカの道を快走した。なのに帰りは悲惨だった。2時間は新記録かもしれない。



この地球を守るために、わたしにできることは…。
ずっとそれを考えながら歩いた。
できることでないと、続けられることでないと、それがいつか重荷になってしまう。
だから、優さんがおっしゃっていたように、未来に対する期待感、ワクワク感が感じられることをやろうと思う。
まず小手始めに何をやろうか。
それを考える時には多分、旦那も巻き込まねばならない。
同じ屋根の下で暮らしている者が、互いに納得できることを考えなければならない。
アメリカンにしては、日本での10年間の経験もあり、もったいないという感覚を持ち合わせてはいるものの、
やはりエネルギーの問題に関しては、きちっと話し込むと必ず、旦那とわたしの間に歴然と存在する、深くて暗い溝が姿を現す。

みんな、それぞれの主張があると思う。
そしてそれぞれはきっと、それぞれに正しい。
でも、今日の巨大なデモに参加して、強く強く思ったことは、

一番いいのは、減らすことではないかな、ということ。

食べるのを減らす。
使うのを減らす。

それに尽きるのではないかな。

やめるのではなく、禁止してしまうのではなく、今までの量を少しだけ減らす。

『できることでいいから、ちょっとだけ減らしませんかキャンペーン』を、世界中で一斉にやれたらいいなあ。