中村涼子は少女漫画っ子。

初めて買ってもらった少女漫画は、あさりちゃんでした。
毎日毎日漫画ばかり読んでいます。

『下級生』今は何個差から年の差感じますか?

2016-03-25 20:00:18 | 少女漫画・講談社
下級生


なんとも東野圭吾さんの青春ミステリー小説を彷彿とさせるようなタイトル。

こんな表紙にこんなタイトル見てしまったら、
自然と昔の淡い思い出が蘇ってきます・・・




【素敵な恋人との思い出】

当時私は17歳、相手の男の子は15歳。

学年は一つ下だけど、5月生まれの私と2月生まれの彼は、2個差である期間がとても長く。

同じ部活内の先輩と後輩がスタートでしたが、いつの間にかお付き合いする中に。

高校も一緒、部活も一緒、でも学年は別々。

その間を少しでも埋めるかのように、

部室の前でお弁当一緒に食べたりして。
帰る方向は別々なのにどちらかが遠回りして一緒に帰ったりして。
バイトして
無理して
誕生日プレゼント渡しあったりして。


付き合って1年少し。
私が受験の時期に入るとともにその関係は微妙にすれ違いはじめ、
受験が終わったと同時に、彼が部活内の女の子と浮気めいていることが発覚。

その女の子は、彼と同学年の子でした。


学年が違うことで埋められなかった穴を
学校すら変わってしまうこれからの生活で
どうしても埋められる気がせず、


私の卒業とともに私たちは別れることになりました。



(本当はかっこつけて、「その子だけを見てあげなよ」なんて私から別れを切り出したくせに、だんだん腹が立ってきて、やっぱり納得がいかない、やり直してくれと言ったものの、もはや後の祭りで結果普通にフラれることになりだいぶ引きずることになったことは、ここではいったん置いときます。)



学年が違うことに
引っ張られていた
小さな世界の話


私の淡くて苦くて温かい思い出。

ありがとう。




(2年ほど前に全くそれ以降連絡を取っていなかったこの彼からFacebookの申請があり、え!なになに!今更復縁的な流れ?!大人にお互いなったし、思い出を抱えて生きながらも新しい自分たちを二人で発見していこうみたいなやつ?!と思って承認したところ、彼のタイムラインのトップに流れてきたのが結婚の報告記事で、しかもイイね!をたくさん押してもらう勝負してるから押して!みたいなメッセージ来て、その為の申請だったんかい、と一人悶え恥ずかしんだことは、ここではいったん置いときます。関係ないから)





さーてさてさて、さーてさて、

今回の作品のカップルのように“違い”を成長に繋げられたら素敵ですよね。



年の差ピュアラブ物語






下級生
蒼井まもる
別冊フレンド
2巻完結




主人公はこの表紙のご両人。

陸上部の先輩後輩のくるみとハッシー

タイトルの通り、くるみにとって下級生に当たるハッシーとの年下の男の子との恋のお話です!


物語の始まりはくるみが中3、ハッシーが中2の秋。

部活引退後3ヶ月、少し会ってないあいだもハッシーは相変わらず生意気な年下の男の子で、
でもその3ヶ月でちょっと大人になっていて、そしてハッシーのことがやっぱり好き・・・



入り口は付き合っていない絶妙な関係の二人が描かれているんですが、
2話目からは1年後のカップルになった二人の物語が綴られています!



中3中2の年の差の恋の物語・・・・


もう!なんて多感な時代を描いてくれたんだと!


私は中学生が一番年の差に敏感だし、少しの差もとんでもなく大きい時期だと思っています。

高校に上がったら、多少バイトなどができるようになったりと、もっと年上などに触れるようになってくる。
すると1個や2個の差は、多少みじかに感じてきますが、
中学校という他に触れ合う機会の少ない閉鎖された空間においての1個差2個差はとんでもなく大きい!!!



そんな中!!!!この物語はこの2冊で約2年間の二人が描かれているんですね。

その時期、2冊で約2年、くるみが中3から高2、ハッシーが中2から高1までの期間・・・。


もう多感が多感を生む連鎖期間!!!!

約2年間の様々な多感な時期が、それぞれに描かれているんです!
なにか大きな事件があるわけではなく、日常劇なので私たちが体験しうる設定です!!!

こんなことあったなとか、こんなこと思ってたなとか、こんな思い昔抱えて悩んでいたなとか、
もうもうそれはそれは心と脳内がとんでもなくむず痒くなる物語です!!!


思い返してみてもください!!!!
大人になりたい気持ち子供でいたい気持ちの混在の時期を!!!!
14歳から17歳くらいなんて
1ヶ月目を離したら顔も中身も別人になりえるこの多感な成長期!!!!!
もう何度も言います!!!チョー多感期!!!!


その多感期の二人を丁寧に、ちゃんと読者がうわわわわあわわわ、と思える形で切り出して描いています。



2冊でいかように2年分描いているかというと、

いろんな悩み別に季節ごとに追っていく物語の構成になっていまして、

・くるみが部活を辞めて受験に専念し二人が付き合うまでの秋
・ハッシーが受験を迎え、二人が中学高校と最も距離が離れていた冬
・ハッシーが高校に入ってきて、また同じ部活に入って来る春



など、それぞれの想いや相手との距離感に
終始あるある!と甘酸っぱさに胸がぎゅっ!とさせられる青春特有の締め付けられ感

各話に散りばめられて作り上げられています。


年下のハッシーに頼られたいから、
自分でできることはちゃんとやる、
けど相手からしたら自分の子供さ加減を思い焦って焦って焦って・・・



と!!!!ぎゅっとなります!ぎゅっと!!!



学年別に分かれた上履きやネクタイの色に年の差を大きく感じたり、
もう一度14歳でいられないかな
背が伸びないで欲しいな、早く伸びたい男の子
同じ教室で授業を受けたい
なんで私は年上なんだろう、俺は年下なんだろう


そこに入ってくる、二人の関係性にちゃちゃを入れてくる
同級生、もっと下級生、もっと上級生
2人を乱さないで欲しいけど、みんなみんな想いを抱えていて・・・



くるみの言葉で

小さな世界が私たちの全て

と表現されているところがあるんですけど、私は「内側」、つまり中学生高校生のときにこの言葉って見つけられなかったなと思うんです。

これは誰からの言葉なんだろう・・・と。
蒼井先生が今振り返ってこう思うのかなとか、
今私は年で人のこと見ないでいれているかなとか、なんかたくさんの想いに駆られます。



年齢が大きく感じなくなってきた喜びと、
1個2個の差で大きく感じられた新鮮だった気持ちがなくなることへの寂しさ


全ての年齢の自分を楽しもうとすら思わせてくれるこちらの作品
ぜひご一読くださいませ!





(最初に書いた私の思い出の年下の彼は子供も生まれたとFacebookで拝見しました。おめでとう・・・)






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『僕と君の大切な話』なぜ男は武勇伝を語りたがるの?

2016-03-15 19:28:16 | 少女漫画・講談社
「女子みたいなこと言ってんじゃないよ」

男性が多い仕事なためか、会話の中でこう言い返されることが昔からしばしばある。


「女子みたいなこと」
は、「感情に訴えた非論理的思考」を指しており、
つまり男性がいうこの言葉は「つまらない」と同義語である。

そう推測していた若かりし頃の私は、この言葉を言われるたびに、こっそり大いに傷ついていた。


「女子みたいなこと」は「いけないこと」なんだと、
いかに自分から女子っぽい思考を削除するかに日夜明け暮れた。


私はお笑いの上の方の言葉に爆裂に弱い人間であり、思い込みも激しい。


あたかも男性が正解であり、女性が不正解であるかのような考え方。


「男かよ」は最高の褒め言葉であり、「女に見えないな」は至高のご褒美。

そんな生活を何年か続けて私も今年で30歳。



マジでそんな考えどうでもいいことにふと気付いた。



誰に何を思って欲しくてそんな努力を続けていたのか。
女子っぽいは素敵なことではないか。


赤ちゃんにあまり性別の差がないよう、年齢を重ねていけばまた性別なんてどうでもよくなってくる。
おばあさんはおじいさんにみえてくる。


そもそも最近「女」と言われなくなった。
簡単に私の悩みの種は消え失せていた。


同じ物事でもそれを魅力に感じるか、マイナス面と受け止めるかは自分で決めれることなんだなぁ。りょうこ




男と女に違いがあるからこそ、
笑って、キュンキュンできる。

今回の漫画にたくさんの男女が出会えますように!



高校生男女が織りなす
あるあるラブコメディ





僕と君の大切な話
ろびこ
デザート
既刊1巻(2016年3月11日発売)


累計480万部も売り上げアニメ化もされ人気を博した爆メガヒット作品『となりの怪物くん』から2年2ヶ月ぶりの超待望の最新作です。



この漫画は・・・ずばり!!!!
超新感覚トーキングラブコメディ!!!

こんなにも座って喋っているだけの少女漫画がかつてあっただろうか!
1巻はほぼ、駅のホームで座っているふたりと、ひとりふたりの同級生を交えた会話劇のみです!!!!



座っている・・・会話のみ・・・
少女漫画なのか?盛り上がりはあるのか?なんて懸念されると思いますが・・・


ご安心を!!!!!
男女の差を表現した会話に釘付けになること間違い無し!!!!
“あるある”と笑える面白さから、ニヤニヤのキュンキュンまでぐるんぐるんに感情を持ってかれますよ!
座ってるだけなのに!!!!



というわけで、この漫画の内容なんですが、
天然ストーカー女子 相沢のぞみ
ツンデレ眼鏡男子 東司郎
による男女間のすれ違いラブコメディ
です!


同じ学年の東くんに片思いをした相沢のぞみは、ある日、東くんに思いを伝えるべく、あとをつけていき学校帰りに最寄駅のホームのベンチで思い切って告白をする!!!しかし、東くんからの返答は・・・!



このベンチが舞台になっていくわけなんですが、
女子の告白という少女漫画で一番の盛り上がりどころでこのヒーロー役東くんは


「自分から言いよる女は愚策の極み」
だと一刀両断します。


そこから、正論と、どこから仕入れてきた知識なのか屁理屈で相沢さんをねじ伏せねじ伏せ・・・

女は恋をするとなぜ弱くなるのか?と相沢さんが可愛く聞いても「自分に甘いだけなんじゃないか」
東くんて意外と友達多いよねと言っただけで、「身辺調査か、勝手に値踏みするんだろ、そして女子の間で断罪裁判されるんだ」

その様は論語の孔子曰く!!!!


いや女子そういう答えが欲しくて言っているわけじゃないから!!!!



その後も
相沢さんはめげずにアタックアタック、東くんは返し返し・・・

ただそこから不意打ちにキュンとする言葉が出てきて・・・


読者の面白の笑いを、恋のニヤニヤに変えてくれる


たとえば僕と君が違う星の人間だとして
それをつなぐのは言葉だろう
こちらから閉ざしてしまうのはあまりにもったいない


と相沢さんとの会話を楽しんでいたのだとわかる東くんの発言は、深みとこの漫画の醍醐味が詰まっています。



駅のホームで話していた二人も、ついに2巻では学校編に投入!!!

話すことによってだんだん距離を縮めていっているふたりに今後も目が離せません!!!



男女は大きな違いがあるからこそ惹かれ合う!!!
ぜひご一読を!!!


【ここもポイント!!!】
⭕️好きな相手なのに、東くんのつまらないジョークには冷たい視線を送る相沢さん、は女子のシビアなところが忠実に描かれています!

⭕️本来1、2ページのショート漫画を描こうとし出した企画が回り回ってこの連載に繋がったんだそう。
そのため、駅のホームのみで展開する会話劇という部分が残り、この形に。

⭕️小ネタにも注目!
駅のホームのベンチという動かない場所の設定だが度々張り替えられる背景のポスターなどにまたクスっとなります。






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『やじろべえ』お互いが対でバランスを取る。

2016-03-13 03:12:15 | 少女漫画・集英社
初っ端から漫画紹介ゴーゴーゴー!!!!!( ´ ▽ ` )




今回ご紹介させていただく、山川あいじさんは
少女漫画界の「少年ジャンプ」や「ヤングジャンプ」的存在に君臨している
「別冊マーガレット」で活躍されている作家さんです。


私は別冊マーガレット愛読者なため、月刊誌では読んでいたんですが、
とある漫画家さんが、

別冊マーガレットで絵が上手いのは山川あいじ先生だ!!!!

とおっしゃっているのを耳にし、同業者が認める漫画さん!!!(*゜▽゜*)キラキラ
と、最終巻発売から4年の時を経て『やじろべえ』の購入に至りました。



絵柄のなんか好き・受け付けないでは無意識に読む漫画を識別していましたが、
絵の上手さを聞きつけて漫画を決める!ことがなかったので、新鮮な気持ちです。



んでもって
いざ、改めて読むと・・・
おすすめのとおりすごい綺麗で上手くて素敵な絵柄!!!


少女漫画にサブカルの空気感を足した絵柄が、
深くてあたたかーいお話にマッチマッチ!!!


絵柄とお話が完璧なタッグを組むと、こんなにも全体に厚みが出るんだなぁ・・・



てなわけで、こちらでございます。





あったかくて切なくなる







やじろべえ
山川あいじ
別冊マーガレット
全2巻
※続刊となっているものの2012年2月に2巻が出てから続編はなく、一応完結という形になっています。


内容:
5歳の頃に母親を亡くした主人公葉瑠と、それからずっと二人暮らしを続けてきた義理の父親・誠治との温かい同居物語。
(中村pedia)




再婚したものの亡くなってしまった母と、残された娘と、娘と血の繋がらない父。
この二人が中心の物語です。

掲載誌は別冊マーガレット。
恋愛することが暗黙の根底にある雑誌。


一番気になるのは・・・
この二人に恋愛感情はあるのか!ですよね。



近年、『うさぎドロップ』という漫画もブレイクし、




(とんでもなく面白いです。まだの方こちらもぜひ。)


『源氏物語』の源氏と紫の上を思わせるような、

育てて育てて、それが親子の愛情、家族の愛情から男女の愛情にもなりうるみたいな・・・


この内容だけ見ると、この物語もそうなるのかな・・・なんて推測してしまいます。


が、



すいません。
先にいっちゃいますね・・・


そこについて
最後まではわかりません!!!!


この二人に恋愛感情があるのか、わからないんですね!


未完結も起因してなのか、最後まで明言はされていません。



で、そこがいいんです!!!!
恋愛など飛び越えて、とにかく二人が二人を思いやっている、愛情深き人間ドラマ
あたたかすぎる物語

いやー、見させていただきました。ありがとうございます。




二人は常に思っている。
「僕が葉瑠のために残せるものってどれだけあるだろう」
「あたしが誠治のためにできることってどんなことがあるんだろ」



生活の中心を葉瑠にしている誠治と、
血が繋がっていない誠治が自分を育ててくれることに日々感謝している葉瑠。



一緒にいて10年も経つのに、

大家さんから長年住んでいたアパートから突然引っ越しを求められた際に、
引っ越しの準備をしながらも、ちょっと恥ずかしそうに
「私誠治と一緒にいていいかな」と聞いてしまう、この絶妙な関係性。


お互いが甘えず、寄りかかりすぎてなく、
二人の真ん中にいた母で妻がいなくなったこのスペースを
お互いで補って支えあって生きている。


それがこの関係性を作り上げています。



【やじろべえ】
日本の伝統的な玩具。人の形をしていて、胴の先が細くなっており、左右に伸びた手の先についている重りでバランスをとる。釣合人形ともいう。
(Wikipedia)



この親子の関係性をやじろべえに例えてこのタイトルなんでしょうか。
素敵です。




また、この物語は、
一つのきっかけが新しい出会いを運んでくる流れがすごいです。

その入り口になったのが、誠治のおじいちゃんが亡くなった葬式。
ここで久しぶりに、誠治と葉瑠は誠治の実家を訪れる。
誠治の家族からしたら、誠治をこの家から連れ出して子供だけ残して死んでしまったと最悪なイメージでいたため疎遠となってしまっていたが、ここからまた関係性に修復の兆しが見え出します。
またこのおじいちゃんの死から、母の死の際にポッカリ空いてしまった穴を埋めてくれた幼馴染と再会し、空いていた時間を埋め出して・・・



本当、この人と付き合うんだろうな、とかいった先が一切見えないうえに、こういうことを言いたい物語なんだなとかのキメもない。
まさに、10年間血の繋がらない父と娘が過ごしてきた年月とそれを取り巻く人々との暖かな日常劇がここにあります。




お話からも絵柄からも人間性からもビンビンマイナスイオンでいただけますよ。



読むだけで
透き通った川の流れのような世界が体験でき
ヒーリング効果が期待できること間違いなし!!!





ぜひご一読くださいませ。


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『WHITE NOTE PAD』誰がわたしでわたしは誰?

2016-03-02 20:28:11 | 少女漫画・祥伝社
私は1年ほど前に、突然ひとつの事実にふと気付き、発狂しそうになりました。


その事実とは、

このまま生きていたら、私は一生男性の身体を体験することはないんだ、ということ。



やろうとする意志さえあれば、大抵のことはできるのが人生だと踏んでいる私ですが、
できないこともあるという事実に目ん玉が飛び出す思いでした。



この思いは、
小学生のころ、クリスマスにサンタさん宛に
「なんでも叶えられる魔法のステッキをください」と手紙を書いたところ、
朝方枕元にテレビアニメのオモチャのステッキが届いていたときの衝撃、に似ています。
当時私は空想と現実の境目が今よりあやふやだったため、
サンタクロースもいなきゃ魔法もこの世にないって本当ですか?と相当なショックを受けたものです。



知っていた気もするけど、考えてもみなかったこと。




男性とぶつかっても私の体は男性になることはない・・・という事実。

だってだって身近にこの設定たくさんありましたよね??
なぜか、これは物語の世界と思いながらも、できないんだとは受け止めてなかったですよね??

異性と身体が入れ替わる・・・


考えたことありませんか??






今回ご紹介する漫画も
いわゆる、体入れ替わりものです。
ただ、ちょっと、今まで聞いてきたそれとは様子が違うようです・・・




1年前、体と人格が入れ替わった見知らぬ男女。




WHITE NOTE PAD

ヤマシタトモコ
祥伝社
既刊1巻



さあ、入れ替わりものといえば、ドキドキハラハラ男女の身体の違いってこんなことになってたのーー!
思春期謳歌お互いの気持ち理解!!!やだもう!!!
なんてイメージでしたが、



こちらの漫画、

入れ替わったのは、赤の他人
お互いの再会は入れ替わりから1年後でした。




内容↓
小田薪葉菜(おだまきはな、女子高生・17)と
木根正吾(きねしょうご、自動車工・38)は、
ある日突然、体と人格が入れ替わってしまった。
別人の体のままで1年が過ぎ、偶然2人は再会する。
少女の体になった男は
容姿を磨き美しい読者モデルに、
中年男の体になった少女は
記憶喪失扱いで定職を失っていた。

再会した“自分”は
あまりにも違う“自分”になっていて――。
(裏表紙参照)






入れ替わりといえば、
「あいつがおれでおれがあいつで」の言葉を漫画の中で1度は目にしたことがありますよね。


近しい仲の人とひょんなことから体が入れ替わってしまい、
相入れなかった相手の生活をその身体で送ることにより、
お互いの理解を深めていく・・・

というドキドキ止まらない王道設定。


胸触って「ない!!!」
下半身触って「ある!!!」
そして気付く「身体が入れ替わってるうぅぅ~!!!!」



1982年の映画『転校生』を筆頭に、

親子で入れ替わりを魅せた昨年の大人気ドラマ『民王』、
入れ替わる方法がキス!ドキドキが堪らなかった『山田くんと7人の魔女』
別冊マーガレットで異例の設定が人気を博した『宇宙をかけるよだか』


など、少女漫画を含めた多くの作品で様々な形で受け継がれ続けていっています。



だけど今回の漫画は、


体と人格が入れ替わったのは、見知らぬ男女

女子高生と、世間でいうおじさんが朝起きたら突然体が入れ替わっていた。


というなんとも恐ろしい設定


入れ替わっちゃった~なんてものじゃない、ふたりが入れ替わる瞬間に思うのは

「奪われた」



うまくいく一人、うまくいかない一人、
引っ越しなどを機会に1年ものあいだ会わずにいた二人。
入れ替わった先の人生を、変えるには十分あった時間。



1年経って思う。

「わたし」は「わたし」なのか




・・・な、な、なんて、すごい状況を作り出すんだ!ヤマシタ先生!!!!



お互い出会ってからの、
繰り返される自我との戦い。



「わたし」ってなんでしょうか。
最強のゲームってなんでしょうか。
何がわたしを決めるのでしょうか。
向く方向はでいいのでしょうか。




消え入りそうな中に力強く描くこの独自のタッチに、
往年の作家さんと、ずっと勘違いしていました。


昨年、デビュー10周年を迎えられた、まだ34歳の天才作家さんだったようです。


ヤマシタ先生の10周年記念公式サイトが立ち上がっています。
http://www.shodensha.co.jp/yt10th/



ぜひ、新しさと戦々恐々とした心理の嵐を
カラダイレカワリ
で味わってください。




ちなみに、

先程出てきた、「あいつがおれでおれがあいつで」は入れ替わりものの代表的な言葉だな、
なんて軽い認識でいましたら、山中恒さんによる児童文学本なんですって!


こちら




そして、それを原作に作られたのが、
1982年の映画『転校生』。

ほへー!児童文学を原作に!けはーー!!!






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