旧石器時代・縄文時代から連綿と続いてきた日本の風景を歩く 八ヶ岳山麓編1/2
ここ数年、山登りする時に一瞬で通り過ぎていた山麓を歩いています。
そこには、自分達が今まで気付かなかった歴史の連続性みたいなものが見えて、とても興味深いのです。
その中でも筆者のお気に入りなのが、八ヶ岳の山麓で、特に八ヶ岳の西側には、とても興味深い景色が広がっています。
写真は、広域農道と呼ばれる八ヶ岳西山麓です。
道の両脇は田んぼで、風除けの松林があり、八ヶ岳の展望が美しく、とにかく気持ちの良い道です。
残念ながら、こうした道を歩く人は、ほとんど見かけません。
皆、車であっという間に通り過ぎるだけです。
でも、特に日差しが傾く時間帯、こうした田園と山並みは、本当に美しく光り輝くのです。
筆者は、様々なロケーションを求めて世界中を旅してきましたが、この周辺の風景は本当に気に入っています。
人間の営みと自然の営みの両方の良さが感じられるからです。
広域農道から尖石縄文遺跡に向かいます。
実は、八ヶ岳周辺には、旧石器時代から縄文時代にかけての膨大な遺跡があります。
なぜ、北海道にも近い気候の寒い八ケ岳周辺にこれだけの遺跡があるのか?筆者には長い間謎だったのですが、最近その謎が解けつつあります。
この道沿いには畑が続きます。
縄文遺跡が見えてきました。
尖石縄文遺跡には、竪穴式の住居群が多数復元されています。
そして、尖石縄文考古館には、周辺の発掘物が数多く展示されています。
筆者は、他の遺跡と合わせ、膨大な発掘物を見てきたのですが、面白かったですね。
縄文時代の土器といっても、小さいものから巨大なものまで本当にものすごく種類があります。
日本を含む東アジアは、現在分かっている限り世界で一番古く、西アジアよりも1万年近く前、17000年前の土器が発見されています。
そして、前にご紹介した霧ヶ峰・車山一帯が旧石器時代における石器を作る元になった黒曜石の産地だったことが分かっています。
これらの黒曜石は、山梨や東京はもちろんのこと、遠くアジアの大陸にまで運ばれており、これらの石器が広くアジア圏で使われていたことが分かっているのです。
なぜこの一帯の黒曜石がそれほど広範囲に運ばれたのか?考えていくと、この国の成り立ちの多くが見えてきます。
霧ヶ峰・車山は、いわゆる分水嶺であり、北は千曲川から信濃川になって新潟方面・日本海へ抜けています。
一方、太平洋側は、まず諏訪湖で下り、そこから釜無川水系を経て富士川となり駿河湾へ注いでいます。
もう一つは、諏訪湖から天竜川となり、静岡へ注いでいます。 さらに、一山超えればそこは木曽川で、これは名古屋・伊勢湾へ流れていきます。
このように、筏や船を使った交通の要所として、古くからこの一帯が栄えていたことが分かると思います。
おそらく旧石器時代から縄文時代にかけては、日本列島の中心として位置づけられていたのではないかと思っています。
その証拠に、この周辺には膨大な旧石器時代から縄文時代にかけての遺跡が存在しています。
たとえば、釜無川という名前は、釜つまり、滝壺が無い落差の少ない川という意味ですので、古来より筏を使った物流に適した川だったのでしょう。
陸上の交通網や家畜の馬などが存在しなかった時代、重いものを運搬する主役は筏だったはずです。
交易は、まず山の上から筏で物資を運び、海などから乾燥させて軽くしたものを人間の手で運ぶというカタチで行われていたと考えられるのです。
そのため、山梨県は、海が存在しない県ながら、全国有数のお寿司の消費地であり、名物料理は煮貝ですし、諏訪周辺で海産物のテングサを使った寒天作りが盛んなのも、こうした文化が下敷きになっているからです。
東アジアの多くで乾燥した海産物が高級品として珍重されているのも同じ理由でしょう。
そして、縄文考古館にあった沢山のすり鉢とすりこぎの棒を見て筆者は考えます。 東南アジアからアジアにかけて広く見られる根っこからでんぷんを取る技法のことを。
そして、それは食料にするだけでなく、様々な籠や織物になっていったことをを思います。
周辺では、絹織物が栄えましたが、そのルーツの一つは、はるか縄文時代や旧石器時代の仕事だったのだと思います。
考古館のカフェでケーキとコーヒーの休憩 とにかく水が圧倒的に美味しかったのを記憶しています。 歩
き回って疲れた身体に染み渡る水の美味しさ。
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