1年前の3月11日を境に、日本は大きく変わりました。
個々においても、変わらなかった人など一人もいなかったのではないでしょうか。
3・11以降、日々の食料や生活必需品が不足する中、酒、ワイン、外食産業などは「自粛」という名目のもと、非常に厳しい状況を強いられました。
その後、復興が進むにつれ、業界の回復も徐々に見られますが、やむなく廃業に追い込まれたところもあります。3・11以前の状態に戻るには、いったいどれだけの年数がかかるのでしょうか…
ワイン業界の動向については、世界最大級のワイン&スピリッツの国際見本市「Vinexpo」(ヴィネクスポ)が、10年前から英国の調査会社(The IWSR)に依頼し、世界28カ国の生産者と114の消費市場の調査を行ない、その結果を発表しています。
その中には日本市場も含まれています。
今年の1月、東京で行なわれた「Vinexpo Asia-Pacific」(香港、5/29-31)開催告知の記者会見において、世界のワイン・スピリッツ市場の2015年までのThe IWSRによる予測が報告されました。
日本のワイン市場 を見てみると、
■日本はアジア市場で第2位のワイン消費国(第一位は中国、ただし香港を除く)
2010年度の日本のワイン消費量(輸入&国産)は2,903万ケース(1ケースは9リットル)で、2006年から2010年まで11.46%の伸びを見せていました。
しかし、2011年度は2,751万ケースで、152万ケース減少しました。特に、2011年の最初の9カ月が大きく影響しています。もちろん、東日本大震災の影響です。10月から12月は回復しましたが、大震災はワイン消費においても大きな爪痕を残しました。
Vinexpoでは、2015年の数値を2,829万ケースと予測していますが(2011年から2.83%増)、2010年の実績にはまだ届きません(マイナス74万ケース)。
■国産ワインは消費も生産も減少傾向にある
日本で消費されている約70%が輸入ワインです。今後、国産ワインは消費も生産も下がっていくと予測されています。
2006年は、輸入ワイン1,670万ケース、国産ワイン934万ケース(比率 64:36)
2010年は、輸入ワイン1,945万ケース、国産ワイン958万ケース(比率 70:30)
2011年は、輸入ワイン1,901万ケース、国産ワイン850万ケース(比率 69:31)
2015年は、輸入ワイン1,973万ケース、国産ワイン856万ケース(比率 70:30)
ここ数年、日本のワインは注目度が上がってきており、震災後は特によく飲まれていると感じます。
The IWSRの予測は、かつてほとんど外さない、ほぼ正確といわれてきていますが、さて、これに関して2015年にどのような数字が出てくるのか、注意して見守りたいと思います。
■日本が輸入するワインの金額は世界第6位(2010年)
消費や輸入量では上位ランクに姿を見せない日本ですが、金額となると違ってきます。
2010年の輸入金額は25億300万ドル(米ドル)と6位で、2006年からの伸びは11.54%でした。
しかし、2011年は24億1,200万ドルとダウンしました。もちろん、震災の影響です。
が、2015年には25億400万ドルと、震災以前のレベルに戻ると予測されています。
■日本の国民一人当たり(成人)消費量は2.5リットル(2010年)→2.4リットル(2011年)
世界トップ3は50リットル前後ですから、日本はかなり少なく、2010年、2011年とも18位。
2015年の予測も2.4リットルとなっています。2006年から2010年までは8.70%増だったことを考えると、この先の増加が期待できないのは、やはり大震災の影響が考えられます。
2.4リットルを750mlボトルに換算すると、3.2本。
平均的な日本人の場合、ボジョレー・ヌーヴォーで1本、クリスマスに1本、誕生日や結婚記念日に1本、という感じでしょうか。
震災前後で、一人当たりのワイン消費量の数値的な変化はほとんど見られませんですが(マイナス0.1リットル)、地域における偏りは当然あるでしょう。また、内容的にも変わってきているでしょう。
ワインは嗜好品で、贅沢品かもしれませんが、ワインのあるテーブルには笑顔が集まります。
ワインは一人で飲むものではなく、分かち合ってこそおいしく思えるもの だからです。
楽なことばかりではない日々の暮らしの中で、ほんのひとときでも笑顔になれる時間を与えられる役割をワインが担ってくれるといいな、と願っています。
(参考)数字から見るワイントレンド → コチラ
個々においても、変わらなかった人など一人もいなかったのではないでしょうか。
3・11以降、日々の食料や生活必需品が不足する中、酒、ワイン、外食産業などは「自粛」という名目のもと、非常に厳しい状況を強いられました。
その後、復興が進むにつれ、業界の回復も徐々に見られますが、やむなく廃業に追い込まれたところもあります。3・11以前の状態に戻るには、いったいどれだけの年数がかかるのでしょうか…
ワイン業界の動向については、世界最大級のワイン&スピリッツの国際見本市「Vinexpo」(ヴィネクスポ)が、10年前から英国の調査会社(The IWSR)に依頼し、世界28カ国の生産者と114の消費市場の調査を行ない、その結果を発表しています。
その中には日本市場も含まれています。
今年の1月、東京で行なわれた「Vinexpo Asia-Pacific」(香港、5/29-31)開催告知の記者会見において、世界のワイン・スピリッツ市場の2015年までのThe IWSRによる予測が報告されました。
日本のワイン市場 を見てみると、
■日本はアジア市場で第2位のワイン消費国(第一位は中国、ただし香港を除く)
2010年度の日本のワイン消費量(輸入&国産)は2,903万ケース(1ケースは9リットル)で、2006年から2010年まで11.46%の伸びを見せていました。
しかし、2011年度は2,751万ケースで、152万ケース減少しました。特に、2011年の最初の9カ月が大きく影響しています。もちろん、東日本大震災の影響です。10月から12月は回復しましたが、大震災はワイン消費においても大きな爪痕を残しました。
Vinexpoでは、2015年の数値を2,829万ケースと予測していますが(2011年から2.83%増)、2010年の実績にはまだ届きません(マイナス74万ケース)。
■国産ワインは消費も生産も減少傾向にある
日本で消費されている約70%が輸入ワインです。今後、国産ワインは消費も生産も下がっていくと予測されています。
2006年は、輸入ワイン1,670万ケース、国産ワイン934万ケース(比率 64:36)
2010年は、輸入ワイン1,945万ケース、国産ワイン958万ケース(比率 70:30)
2011年は、輸入ワイン1,901万ケース、国産ワイン850万ケース(比率 69:31)
2015年は、輸入ワイン1,973万ケース、国産ワイン856万ケース(比率 70:30)
ここ数年、日本のワインは注目度が上がってきており、震災後は特によく飲まれていると感じます。
The IWSRの予測は、かつてほとんど外さない、ほぼ正確といわれてきていますが、さて、これに関して2015年にどのような数字が出てくるのか、注意して見守りたいと思います。
■日本が輸入するワインの金額は世界第6位(2010年)
消費や輸入量では上位ランクに姿を見せない日本ですが、金額となると違ってきます。
2010年の輸入金額は25億300万ドル(米ドル)と6位で、2006年からの伸びは11.54%でした。
しかし、2011年は24億1,200万ドルとダウンしました。もちろん、震災の影響です。
が、2015年には25億400万ドルと、震災以前のレベルに戻ると予測されています。
■日本の国民一人当たり(成人)消費量は2.5リットル(2010年)→2.4リットル(2011年)
世界トップ3は50リットル前後ですから、日本はかなり少なく、2010年、2011年とも18位。
2015年の予測も2.4リットルとなっています。2006年から2010年までは8.70%増だったことを考えると、この先の増加が期待できないのは、やはり大震災の影響が考えられます。
2.4リットルを750mlボトルに換算すると、3.2本。
平均的な日本人の場合、ボジョレー・ヌーヴォーで1本、クリスマスに1本、誕生日や結婚記念日に1本、という感じでしょうか。
震災前後で、一人当たりのワイン消費量の数値的な変化はほとんど見られませんですが(マイナス0.1リットル)、地域における偏りは当然あるでしょう。また、内容的にも変わってきているでしょう。
ワインは嗜好品で、贅沢品かもしれませんが、ワインのあるテーブルには笑顔が集まります。
ワインは一人で飲むものではなく、分かち合ってこそおいしく思えるもの だからです。
楽なことばかりではない日々の暮らしの中で、ほんのひとときでも笑顔になれる時間を与えられる役割をワインが担ってくれるといいな、と願っています。
(参考)数字から見るワイントレンド → コチラ
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