「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。
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(更新日:2008年4月21日)
第45回 Thomas Herrlich <Weingut Vincenz Richter><1>
ドイツのザクセン地域のワイナリー第3弾は、今回もマイセンからです。
エルベ川のほとりに建つ ヴィンセンツ・リヒター に、
5代目の トーマス・ヘルリッヒ さんを訪ねました。
<Thoma Herrlich> (トーマス・ヘルリッヒ)
44歳。1990年からヴィンセンツ・リヒターの5代目当主。
一番好きなワインはリースリング。
家では2人の男の子のパパ
マイセンの実力者 “ヴィンセンツ・リヒター” へ
同じマイセンといっても、ここは前回紹介したシュロス・プロシュヴィッツとは全く位置的に異なり、マイセンの市街地からエルベ川沿いの道(Dresdner Strasse)をドレスデン方面に遡っていくと、左手に小さなワイナリーが見えてきます。
入り口を入ったところにある小さなレセプションルームでは試飲もでき、お得意様なのでしょうか、ときどき人がやって来ては、ワインをケース単位買っていきます。
それにしても、エルベ川は道を挟んだすぐ前!
川の流れる風景を見ていると、日本にもこんなところがあったような…、と懐かしく感じました。
ブドウ畑は醸造所の裏手斜面に広がっています
畑の奥行きはかなり短めですが、南西向きの斜面のため、日照条件は非常に良さそうです。
ここの区画が “Kapitelberg” (カピテルベルク)になります。
Q.5代目ということですが、ワイナリーの歴史は?
A.1873年に帝政ドイツ軍の大佐だったヴィンセンツ・リヒターがワインをつくり始めたことが始まりで、130年以上の歴史があります。
Q.畑はどのくらい所有していますか?
A.総面積は8.5haあります。
最も栽培面積の多いのがリースリングで(45.9%)、ミュラー・トゥルガウ(21.9%)、シュペートブルグンダー(=ピノ・ノワール)(9.6%)、ケルナー(8.3%)、ヴァイスブルグンダー(5.3%)、ショイレーベ(4.5%)、カベルネ・ドルサ(2.9%)、トラミナー(1.3%)という順になっています。
Q.このあたりの土壌はどんなタイプでしょうか?
A.花崗岩と、花崗岩が風化したものと、レス(黄土)土壌になります。
Q.白ワインが中心(88%)ということですが、特別なロゼワインもあるとか?
A.はい、独自の圧搾機を使い、1990年に私が初めて
“マイスナー・シラーヴァイン”(Meissner Schillerwein)をつくりました。
右端がシラーヴァインのロゼ
シラーヴァインはヴュルテムベルク地方でつくられていますが、白ブドウと黒ブドウの果汁をブレンド後、発酵させます(ロートリング)。
グラスの中でキラキラ輝くことから、ドイツ語の“輝く”(schillern)(シラーン)が語源になっています。
真ん中がシラーヴァイン用のラベル
Q.ワインづくりにおける哲学は?
A.新旧の融合ですね。伝統的なものを守りつつ、特に栽培においてですが、醸造の方は最新のテクノロジーを用いています。
ワインのスタイルも、伝統的なものもありますが、収量を落として最新醸造技術でつくったハイクオリティワインもあります。
Q.コロンとしたボトルの形が独特ですが?
A.これはザクセンの伝統的な形状で、 “Sachsen Keule”(ザクセン・コイル) (ザクセンのモモ肉の意味)と呼ばれています。
つまり、これは人間の「太モモ」の形から来ているんです(笑)
Q.マイセンの市街地で レストラン 「ヴィンセンツ・リヒター」 も経営されていますね?
A.1873年から家族経営でレストランを始めました。
建物は非常に歴史的価値が高く、骨董品や古い武器などをたくさん所有しています。
レストランの内部
1992年には、旧東ドイツのレストランでは初めて“ロマンティックレストラン・ホテル”の会員になりました。
レストランの外観
→ このレストラン にも行ってきました。 リポートは <2> で
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。
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(更新日:2008年4月21日)
第45回 Thomas Herrlich <Weingut Vincenz Richter><1>
ドイツのザクセン地域のワイナリー第3弾は、今回もマイセンからです。
エルベ川のほとりに建つ ヴィンセンツ・リヒター に、
5代目の トーマス・ヘルリッヒ さんを訪ねました。
<Thoma Herrlich> (トーマス・ヘルリッヒ)
44歳。1990年からヴィンセンツ・リヒターの5代目当主。
一番好きなワインはリースリング。
家では2人の男の子のパパ
マイセンの実力者 “ヴィンセンツ・リヒター” へ
同じマイセンといっても、ここは前回紹介したシュロス・プロシュヴィッツとは全く位置的に異なり、マイセンの市街地からエルベ川沿いの道(Dresdner Strasse)をドレスデン方面に遡っていくと、左手に小さなワイナリーが見えてきます。
入り口を入ったところにある小さなレセプションルームでは試飲もでき、お得意様なのでしょうか、ときどき人がやって来ては、ワインをケース単位買っていきます。
それにしても、エルベ川は道を挟んだすぐ前!
川の流れる風景を見ていると、日本にもこんなところがあったような…、と懐かしく感じました。
ブドウ畑は醸造所の裏手斜面に広がっています
畑の奥行きはかなり短めですが、南西向きの斜面のため、日照条件は非常に良さそうです。
ここの区画が “Kapitelberg” (カピテルベルク)になります。
Q.5代目ということですが、ワイナリーの歴史は?
A.1873年に帝政ドイツ軍の大佐だったヴィンセンツ・リヒターがワインをつくり始めたことが始まりで、130年以上の歴史があります。
Q.畑はどのくらい所有していますか?
A.総面積は8.5haあります。
最も栽培面積の多いのがリースリングで(45.9%)、ミュラー・トゥルガウ(21.9%)、シュペートブルグンダー(=ピノ・ノワール)(9.6%)、ケルナー(8.3%)、ヴァイスブルグンダー(5.3%)、ショイレーベ(4.5%)、カベルネ・ドルサ(2.9%)、トラミナー(1.3%)という順になっています。
Q.このあたりの土壌はどんなタイプでしょうか?
A.花崗岩と、花崗岩が風化したものと、レス(黄土)土壌になります。
Q.白ワインが中心(88%)ということですが、特別なロゼワインもあるとか?
A.はい、独自の圧搾機を使い、1990年に私が初めて
“マイスナー・シラーヴァイン”(Meissner Schillerwein)をつくりました。
右端がシラーヴァインのロゼ
シラーヴァインはヴュルテムベルク地方でつくられていますが、白ブドウと黒ブドウの果汁をブレンド後、発酵させます(ロートリング)。
グラスの中でキラキラ輝くことから、ドイツ語の“輝く”(schillern)(シラーン)が語源になっています。
真ん中がシラーヴァイン用のラベル
Q.ワインづくりにおける哲学は?
A.新旧の融合ですね。伝統的なものを守りつつ、特に栽培においてですが、醸造の方は最新のテクノロジーを用いています。
ワインのスタイルも、伝統的なものもありますが、収量を落として最新醸造技術でつくったハイクオリティワインもあります。
Q.コロンとしたボトルの形が独特ですが?
A.これはザクセンの伝統的な形状で、 “Sachsen Keule”(ザクセン・コイル) (ザクセンのモモ肉の意味)と呼ばれています。
つまり、これは人間の「太モモ」の形から来ているんです(笑)
Q.マイセンの市街地で レストラン 「ヴィンセンツ・リヒター」 も経営されていますね?
A.1873年から家族経営でレストランを始めました。
建物は非常に歴史的価値が高く、骨董品や古い武器などをたくさん所有しています。
レストランの内部
1992年には、旧東ドイツのレストランでは初めて“ロマンティックレストラン・ホテル”の会員になりました。
レストランの外観
→ このレストラン にも行ってきました。 リポートは <2> で
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