ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

Riesling Ring Thanks Wine Party@tono;4122

2012-01-23 16:27:56 | ワイン&酒
Riesling Ring World by the Glass Campaign 2011 において、
米国 ワシントンワイン賞を受賞した 「Ristorante tono;4122」さん(東京都文京区)の受賞記念ワイン会に参加してきました。

このキャンペーンは、リースリングワインをグラスワインとして(バイザグラス)多く販売した料飲店に優秀賞を授与するもので、協賛する6カ国(地域)それぞれに賞が用意されました。


Eroica Riesling  2004 2005 2006 2007 2008

ワシントンワイン賞の賞品は Eroica Riesling 垂直ヴィンテージ5年分(04~08)

Eroica Riesling (エロイカ・リースリング)は、ドイツはモーゼルのドクター・ローゼンと、ワシントン州のシャトー・サン・ミッシェルのパートナーシップで誕生したワインで、初ヴィンテージは1999年です。



リースリングの母国であるドイツの伝統と、ワシントン州のコロンビア・ヴァレーのテロワールの融合で生まれたこのワインは、旧世界と新世界の両方の特性を備え、初リリース以来、アメリカのワイン専門誌で高い評価を得ています。

ちなみに、「エロイカ」という名前は、ベートーベンの「交響曲第3番英雄(エロイカ)」から。



Eroica Riesling には、Viewcrest Vineyard(Yakima Valley)、Horse Heaven Vineyard(Horse Heaven Hills)、Evergreen Vineyard(Columbia Valley)からのブドウが使われています。

エバーグリーン・ヴィンヤードのブドウは2004年ヴィンテージには使われていませんが、2005年から使われ始め、2007、2008年ヴィンテージになると、3つの畑のうちで最も高い比率で使われるようになっています。
3つの畑のうちで最も冷涼なのがエバーグリーン・ヴィンヤードで、高級レンジのワインにはこの場所のブドウを使う生産者が多いようです。


左から 2008 2007 2006 2005 2004

2008と2004の色は薄めで、2006と2005は黄色の色調が濃くなっています。


Eroica Riesling 2008

5本のうちで最も総酸度が高く(0.82g/100ml)、残糖もややあり(1.77g/100ml)、アルコール度数が最も低い(11.5%)のが2008年です。
最も若いので、まだ若々しく、酸とミネラルがキリリとしていますが、ストラクチャーもあります。
なお、2008年からエチケットデザインが少々変わっています。


Eroica Riesling 2006  2007

2007年は暑い年だったため、果粒が小さくなって凝縮感を増し、残糖度も最も高くなっています(2.15g/100ml)。果実味豊かでボリュームがありますが、ミネラルが感じられ、酸の支えもしっかりしています。

2006年は5本のうちで最も残糖度(1.54g/100ml)と総酸度(0.71g/100ml)が低いのですが、ハンギングタイムが長く、複雑なフレーバーが出た年と言われています。
色が濃く、果実味の厚み、ミネラル感、複雑味があり、飲んで美味しいワインです。後で紹介する豚肉の料理との相性も、この2006年がベストに感じました。


Eroica Riesling 2004  2005

2005年は2007年とよく似た暑い年ですが、2005年の残糖度は2007年よりも低くなっています(1.60g/100ml)。比較してみると、豊かな果実味、ミネラル感は共通していますが、2005年の方が骨格の太さを感じます。また、余韻の長さも2005年の方が長くなっています。

2004年は2006や2005年よりも色が淡く、飲んでみてもフレッシュ感が残っています。ミネラル、酸はしっかり存在し、タッチが非常にデリケート。クラシカルな雰囲気があり、気品が漂います。これはまだまだ熟成しますね。

*

5ヴィンテージの中でどれが好みか?
参加者の好みはバラバラで、最初に飲んだ時と、後半になってからと、また、2本目のボトルを開けてからもまたまた分かれました。
私は、繊細な2004年がいいと思いながら、しっかりした飲みごたえのある2005、2006、2007あたりも捨てがたく・・・

5ヴィンテージを通して感じたのは、リースリングは酸とミネラルの支えがしっかりあるワインであり、熟成してもそれがきちんと残ること。
「ブラインドで飲んだら、どこの国のリースリングかわからないですね」という参加者の声。
私も大いに頷きました。かなりドイツに近い、でも、微妙に違う・・・のは、ワシントン州という土地に育ったリースリングからつくられたからでしょうか。花や果物のアロマが強めに感じます。

エロイカ・リースリングの現行ヴィンテージは2010年です。
2009年は日本に入ってきていません。現地に行かれる方は、ぜひ確保してきてください。



ウエルカムスパークリングとデザートワインは、他のワイナリーのものが登場。
どちらもワシントン州のリースリングからつくられています。


ウエルカムワインは、偶然にも先週のRiesling Ring 新年会のウエルカムワインにチョイスした Pacific Rim White Flowers Sparkling Riesling NV。セレニウム・ヴィンヤードのリースリングからつくられたスパークリングです。花のエチケットはここでも女性たちに好評でした。


シメのデザートワインは、Dunham Cellars Late Harvest Riesling 2008
ルイス・エステート・ヴィンヤード(コロンビア・ヴァレー)のブドウを11月に収穫。
黒糖を思わせる風味があり、濃厚で甘美



さて、リースリングのワインたちに合わせたお料理は・・・


広島県 倉橋島産カキのグラタン仕立て
オーストラリア産 車えびのスプリングロール   菜の花のマリネ



オーストラリア産セミドライトマトとオリーブのペペロンチーノ


マンガリッツァ豚のメダリオーネ マンステールチーズのクリームソース仕立て

マンガリッツァ豚はハンガリー原産の豚。やわらかでジューシーな肉質で、外側にぐるりと巻かれた生ハムの塩気が絶妙です。マンステールは仏アルザスのウオッシュチーズですから、ソースは非常に濃厚でした。豚はエロイカの2006年、2007年に、チーズソースは2004年によくマッチしました。


スパークリング・リースリングのジュレ 白ワインのムースと一緒に

ウエルカムスパークリングの Pacific Rim White Flowers を使ったジュレとムースで、ワインの風味がしっかりします。デザートにまでリースリングを持ってくるとは、粋な計らいですね




参加者の方がその場でワイン&お料理を絵に描いていました  素敵な才能です

ごちそうさまでした!

 Ristorante tono;4122    http://www.tono4122.com/

      東京都文京区千駄木4-1-22
      


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 見つけたら即確保!のチロル... | トップ | モーゼルの辛口リースリング »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご来店ありがとうございました (Ristorante tono;4122)
2012-01-23 17:10:46
とても素敵なレポートを
ありがとうございます!
写真も素敵でした。
今年も沢山の方に
美味しいリースリングを
お楽しみいただけるように
頑張ります!
返信する
お世話になりました (まゆ@管理人)
2012-01-23 19:02:52
tonoさん

素敵な会を開いていただき、ありがとうございました!
夢のような会でしたね☆

今後ともどうぞよろしくお願いいたします(^^)
返信する

コメントを投稿

ワイン&酒」カテゴリの最新記事