昨年来日した生産者の中から、なかなかアップする機会のなかったものの、これはぜひ!というところを紹介します。
それは、フランス南部 ルーション地方 です。
2013年春、ルーション地方の4生産者が来日しました。
左より)
エルヴェ・ビズールさん 「Le Clos des fees」 (ル・クロ・デ・フェ)
オリヴィエ・ピトンさん 「Domaine Olivier Pithon」 (ドメーヌ・オリヴィエ・ピトン)
マジョリ・ガレさん 「Domaine Roc des Anges」 (ドメーヌ・ロック・デ・サンジュ)
ジェラール・スタンドリーさん 「Le Soula」 (ル・スーラ)
ルーション という産地名は、ラングドック・ルーション地方 と覚えたのでは?
ラングドック・ルーション地方はラングドック地方とルーション地方を合わせた産地で、地中海に接し、南仏中央から西のスペイン寄りに広がっています。
この産地はフランスのワイン産地の中で最も広い面積を持ち、特にテーブルワインや地酒ワインの生産量が多く、“質よりも量の産地”といわれてきました。
しかし、近年は、ラングドックとルーションは区別して捉えられるようになってきています。
ラングドック は著名生産者の進出がめざましいエリアで、本拠地でなら手が出しにくいような生産者が手掛けるワインが手軽な価格で楽しめるようになってきました。土地が安く、ブドウが育ちやすい恵まれた環境のおかげです。
ルーション はラングドック地方よりも西に位置し、スペインに近い、ピレネー山脈に接するエリアになります。
畑面積はラングドック地方の20%以下で、シャンパーニュ地方よりやや広い程度。
乾燥する暑い夏、温暖な冬の地中海性気候で、晴れの日が多く、日照に恵まれています。
海に近いエリアから、内陸部の山麓の丘陵、谷、段丘と、多様な地形があり、
石灰岩と粘土、片麻岩、花崗岩、頁岩などが入り組み合う複雑な土壌 も特徴です。
ラングドックよりもルーションの方が土地が険しく、ワインもストイックで繊細。
ラングドックは素直で、おおらかで、のびやかな印象のワインが多いように思います。
古くからのワイン産地であるルーションですが、ラングドック同様、近年ここにも次々と進出する生産者が見られます。
彼らは、ちょっとひと癖ある造り手、かもしれません。
例えば、「Le Clos des fees」(ル・クロ・デ・フェ)のエルヴェ・ビズール さん。
1981年、21歳の時にフランス最優秀ジョンヌ(若手)ソムリエに輝いたビズールさんは、その後、レストラン経営、IT企業の社長などを経て、1997年にルーションの地でドメーヌを立ち上げました。
「ある時、ガレージワインをつくろう!と思った。できたワインを飲んで気に入ってくれた人がいて、それ以来、小さな場所でワインづくりをしている」と、ビズールさん。
「Le Soula」 (ル・スーラ)は、ルーションで最も著名な生産者のひとりジェラール・ゴビィ(“ムンタダ”で有名なドメーヌ・ゴビィ)と、ワインインポーターのリチャース・ウォルフォードが2000年に共同で設立したドメーヌ。
ジェラール・スタンドリーさんは Le Soulaのワインメーカー
スタンドリーさんは、フランス各地、南アフリカ、ニュージーランドなど、世界のあちこちでワイン醸造に携わった後、2008年にLe Soulaへ。
「Domaine Olivier Pithon」 (ドメーヌ・オリヴィエ・ピトン)のオリヴィエ・ピトンさんは、ロワール地方コトー・デュ・レイヨンで名高い醸造家ジョー・ピトンの弟。
小さい頃から兄の手伝いをしていましたが、18歳で故郷を離れ、ボルドーで学んだ後、2000年にルーションのカルスへ。そこでジェラール・ゴヴィに出合い、大きな影響を受けました。
マジョリ・ガレ さんも、ドメーヌ・ゴビィを訪れて影響を受けた1人で、2001年、23歳の時に 「Domaine Roc des Anges」(ドメーヌ・ロック・デ・サンジュ)を設立。
彼らは皆、情熱を持つ新しい造り手たち 。
そして、その彼らに影響を与えた人物が、「ドメーヌ・ゴビィ」のジェラール・ゴビィ氏。
ルーションのワインを語る上で、ゴビィは必須かもしれませんが、それはまたいつかの機会とし、今回は4つの生産者のワインを見ていきましょう。
→ 【後編】 へ
それは、フランス南部 ルーション地方 です。
2013年春、ルーション地方の4生産者が来日しました。
左より)
エルヴェ・ビズールさん 「Le Clos des fees」 (ル・クロ・デ・フェ)
オリヴィエ・ピトンさん 「Domaine Olivier Pithon」 (ドメーヌ・オリヴィエ・ピトン)
マジョリ・ガレさん 「Domaine Roc des Anges」 (ドメーヌ・ロック・デ・サンジュ)
ジェラール・スタンドリーさん 「Le Soula」 (ル・スーラ)
ルーション という産地名は、ラングドック・ルーション地方 と覚えたのでは?
ラングドック・ルーション地方はラングドック地方とルーション地方を合わせた産地で、地中海に接し、南仏中央から西のスペイン寄りに広がっています。
この産地はフランスのワイン産地の中で最も広い面積を持ち、特にテーブルワインや地酒ワインの生産量が多く、“質よりも量の産地”といわれてきました。
しかし、近年は、ラングドックとルーションは区別して捉えられるようになってきています。
ラングドック は著名生産者の進出がめざましいエリアで、本拠地でなら手が出しにくいような生産者が手掛けるワインが手軽な価格で楽しめるようになってきました。土地が安く、ブドウが育ちやすい恵まれた環境のおかげです。
ルーション はラングドック地方よりも西に位置し、スペインに近い、ピレネー山脈に接するエリアになります。
畑面積はラングドック地方の20%以下で、シャンパーニュ地方よりやや広い程度。
乾燥する暑い夏、温暖な冬の地中海性気候で、晴れの日が多く、日照に恵まれています。
海に近いエリアから、内陸部の山麓の丘陵、谷、段丘と、多様な地形があり、
石灰岩と粘土、片麻岩、花崗岩、頁岩などが入り組み合う複雑な土壌 も特徴です。
ラングドックよりもルーションの方が土地が険しく、ワインもストイックで繊細。
ラングドックは素直で、おおらかで、のびやかな印象のワインが多いように思います。
古くからのワイン産地であるルーションですが、ラングドック同様、近年ここにも次々と進出する生産者が見られます。
彼らは、ちょっとひと癖ある造り手、かもしれません。
例えば、「Le Clos des fees」(ル・クロ・デ・フェ)のエルヴェ・ビズール さん。
1981年、21歳の時にフランス最優秀ジョンヌ(若手)ソムリエに輝いたビズールさんは、その後、レストラン経営、IT企業の社長などを経て、1997年にルーションの地でドメーヌを立ち上げました。
「ある時、ガレージワインをつくろう!と思った。できたワインを飲んで気に入ってくれた人がいて、それ以来、小さな場所でワインづくりをしている」と、ビズールさん。
「Le Soula」 (ル・スーラ)は、ルーションで最も著名な生産者のひとりジェラール・ゴビィ(“ムンタダ”で有名なドメーヌ・ゴビィ)と、ワインインポーターのリチャース・ウォルフォードが2000年に共同で設立したドメーヌ。
ジェラール・スタンドリーさんは Le Soulaのワインメーカー
スタンドリーさんは、フランス各地、南アフリカ、ニュージーランドなど、世界のあちこちでワイン醸造に携わった後、2008年にLe Soulaへ。
「Domaine Olivier Pithon」 (ドメーヌ・オリヴィエ・ピトン)のオリヴィエ・ピトンさんは、ロワール地方コトー・デュ・レイヨンで名高い醸造家ジョー・ピトンの弟。
小さい頃から兄の手伝いをしていましたが、18歳で故郷を離れ、ボルドーで学んだ後、2000年にルーションのカルスへ。そこでジェラール・ゴヴィに出合い、大きな影響を受けました。
マジョリ・ガレ さんも、ドメーヌ・ゴビィを訪れて影響を受けた1人で、2001年、23歳の時に 「Domaine Roc des Anges」(ドメーヌ・ロック・デ・サンジュ)を設立。
彼らは皆、情熱を持つ新しい造り手たち 。
そして、その彼らに影響を与えた人物が、「ドメーヌ・ゴビィ」のジェラール・ゴビィ氏。
ルーションのワインを語る上で、ゴビィは必須かもしれませんが、それはまたいつかの機会とし、今回は4つの生産者のワインを見ていきましょう。
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