ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

「リースリング・リング・イブニング」報告

2009-07-02 13:57:40 | ワイン&酒
リースリング・リングが主催した、
第1回 「Riesling Ring Evening」 の様子をお届けします。

欧米では「リースリング・ルネッサンス」と言われて人気のあるリースリングの魅力を日本でも伝えたいと、ワイン界の大御所である有坂芙美子さんを発起人とした「リースリング・リング」が発足してから1年余りが経ちました。

この4月にはプロ向けの試飲会と来日生産者セミナーを開催し、大成功を収めましたが、今度は一般消費者向けのイベントをぜひ開催しましょうということで、
6月30日、東京丸の内の「エスカール・アビタ」さんを会場
リースリングとディナーを楽しむ「リースリング・リング・イブニング」を開催しました。



まずは、受付を済ませたお客様にウエルカムスパークリング をサーブ。


ロルヒャー・ボーデンタール・シュタインベルグ 
リースリング ゼクト ブリュット 2004 オッテス
(ドイツ、ラインガウ)

実は、このワイナリーの当主夫人は日本人女性の徳岡史子さん。
ドイツのガイゼンハイム大学の醸造学科で知り合って嫁がれました。

糖度6.5g/l と、この日一番の辛口で、最初の1杯に相応しいスパークリングワイン(ドイツ語でゼクト)です。

「冷たくて、さっぱりしていて美味しい♪」と男女ともに好評で、お代わりする人続出


次からは、2本ずつワンペアでサーブしました。
最初の一組目は米国&豪州のニューワールドペア


右)ロング・シャドー ポエッツ・リープ リースリング 2007 (米、ワシントン州)
左)ジョセフ・クローミー リースリング 2006 (豪州、タスマニア州)

ポエッツ・リープはワシントン州のコロンビア・ヴァレーのもので、辛口ではありますが、やさしい果実味を感じます(糖度12.8g/l)。
そのため、女性の方たちから「タスマニアよりも飲みやすくて好き」という声が挙がりました。

一方、男性からの支持が高かったのがタスマニアのジョセフ・クローミーです。
リースリングによく現れるミネラルをが強めに出ていて、私はこういうタイプは非常に好み(糖度7.1g/l))

こちらが苦手と感じたという女性の方たちは、普段リースリングを飲み慣れていないと話していたので、リースリングのミネラル感に関しては“慣れ”が好みを左右するかもしれません。


お次は、フランスとオーストリアの欧州ペア


右)トリンバック リースリング レゼルウ゛ 2006 (フランス、アルザス)
左)ニコライホーフ フォンシュタイン リースリング スマラクト 2006
 (オーストリア、ヴァッハウ)

アルザス地方はフランスで唯一のリースリング産地。
トリンバックはその中でも銘醸と名高い生産者です。
フランスらしい華やかさ、軽快なエスプリを感じさせ、食事にも合わせやすい辛口だと思います(糖度7.4g/l)

ニコライホーフは、オーストリアを代表する生産者のひとつで、世界中で注目されている“ビオディナミ”による栽培をいち早く採用した女性オーナーのワイナリーです。
オーストリアではグリューナーフェルトリナーが代表品種となりますが、リースリングももちろん定評があり、骨格のしっかりとした辛口リースリングがつくられています(糖度7.7g/l)


最後は甘さを残したペアです


右)フェルトン・ロード リースリング 2008 (NZ、セントラル・オタゴ)
左)グラーヒャー・ドムプロプスト リースリング カビネット 2005
  ヴィリー・シェーファー
(ドイツ、モーゼル)

フェルトン・ロードの醸造家ブレア・ウオルターさんにはちょうど1年前の7月にお目にかかり、彼のつくるリースリング2種の飲み比べをさせていただきました(その時の記事は→ コチラ

彼は、「セントラル・オタゴはドイツのモーゼルタイプのリースリングに最適な場所」と言い、やさしい甘さを感じるリースリングをつくっています(残糖56g/l)
辛口のリースリングもありますが、そのラベルには「Dry Riesling」とあえて記しています。

ブレアさんのお手本であるドイツ・モーゼル地方のリースリングということで、
ヴィリー・シェーファーを並べてみました(糖度54.7g)

どちらもよく熟したブドウそのもののやさしい甘さを残し、アルコール度数も低く(NZは9.5%、ドイツは8%)つくられていますが、NZの方が果実の厚みがあり、ドイツの方が繊細なタイプに感じました。

甘いですが、どちらもメインの肉料理にとてもよく合ったと思います。

というよりも、ワインに合うように料理を考えていただいたので、当然といえば当然なのですが(笑)




オードヴル盛り合わせ
タコマリネ、ソプレサータ、モッツアレラのカプレーゼ、マスカルポーネ+白トリュフハチミツ



メダイのポアレ、ホワイトアスパラ 白バターソース(ソースブールブラン)



自家製あぐー豚モモのボンレスハム ゆでたて、鶏ムネのソテー 
葡萄風味のソースで



「白ワインは魚介料理に」が定説ですが、
お店のオーナーソムリエからは、

「リースリングと肉は相性が良いです」 との提案をいただきました。

ワインと料理の組み合わせには決まりごとはなく、好きなものを好きなように楽しめればいい、というのが私の考えなので、今回ご提案いただいたように、色々な組み合わせに挑戦してみると、ワインと食の世界が広がるのでは?



今回のイベントでは、定価1万円ほどの高級リースリングのプレゼントを懸けたジャンケン大会もあり、非常に盛り上がった会になったと思います。



「普段リースリングだけなんて飲まないから、面白そうだと思って」
「リースリングなんて名前、知らなかった」

という参加者の声もいただきましたが、リースリングのファンになっていただけたでしょうか? 



会場となった「エスカール・アビタ」オーナー・ソムリエ 味岡氏のブログ

今回のワイン到着時の様子 → コチラ
当日の様子           → コチラ

がアップされていますので、ぜひご覧下さい。
アビタのスタッフの皆さん、ありがとうございました。



また、Riesling Ring実行委員のみなさん、お疲れさまでした。
第2回 「Riesling Ring Evening」 もまたぜひ近いうちに開催したいですね。




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