ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

カナダ・フード・エキスポ【後編】

2007-09-22 17:48:40 | ワイン&酒関係雑記
後編は、カナダワインについて紹介します。

カナダのワインというと「アイスワイン」が真っ先に頭に浮かぶように、
涼しい&寒い、というイメージが強く、ブドウができないのでは?と思われがちですが、カナダのワイン生産地の緯度はドイツとほぼ同じくらいです。

でも、生産地域が限られてくるので、ワイン生産量はドイツの20分の1、フランスの100分の1以下という少なさ・・・というのは仕方ないですね。



さて、今回出展されたものを見てみると・・・

まずは アイスワイン 

クリスマスや新年まで収穫を待ち、ブドウは凍ったところで摘み、自然に濃縮されたエキス分だけを搾り取ります。
そのため、甘~いワインがつくられる、というわけです。

アイスワインの本家はドイツですが、ドイツのアイスワインとカナダのアイスワインでは違う点がいくつかあります。

まずは 品種
ドイツは「リースリング」種のものがほとんどですが、カナダのアイスワインは、ヴィダルやピノ・グリなど、さまざまなブドウからつくられています。
赤やロゼのアイスワインもあり、非常にバラエティ豊かです。

しかし、味わい的には、ドイツのアイスワインの方がミネラル感がしっかりとし、ストイックな印象があるでしょうか。


 

(左)Ice Wine Pinot Gris 2006 Rollingdale Winery (British Columbia)
(右)Ice Wine Merlot 2004 Willow Hill Vineyards (British Columbia)


 

(左)Northern Ice Vidal2006 The Ice House Winery (Ontario)
(右)Northern Ice Cabernet Sauvignon 2006  同上 (Ontario)


 


ザ・アイス・ハウス・ワイナリーアイスワインに特化したワイナリーで、アイスワインメーカーとして最も有名なジェミー・マックファラン氏が醸造責任者を務めています。
2006年4月にブリュッセルで開催されたモンド・セレクションでは、1400のワインの中でノーザン・アイス・ヴィダルはグランドゴールド賞を受賞したのよ(この賞を獲得したワインは他に1つのみ)」と、同ワイナリーのナンシーさん。

http://www.theicehouse.ca/home.htm



スティルワイン を見てみると、



ローリングデール・ワイナリー (ブリティッシュ・コロンビア)の
シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロ、カベルネ&メルロを試飲してみましたが、

どれもアルコール度数が高い(13~14度)のに驚きましたが、アルコールの高さは感じさせないキレイなつくりで、比較的サラリとしています。

パワフルというよりもエレガント系で、すーっと飲めるタイプのワインです。

これは冷涼な気候を反映していると思いますが、収穫量がどのくらいなのか、樹齢はどうなのかも気になるところです。


カナダのスティルワインは、日本にはまだそれほどたくさん輸入されていないため、飲む機会が少ないですが、新しいワイナリーも少しずつ増えているようですし、今までよりは出会う機会が若干増えるかもしれませんね。


*ローリングデールは今年から日本に輸入されています。
http://www.rollingdale.ca/ (輸入元:株式会社BACCHUS)




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