ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

第 1回 Podere La Brancaia@「キャッチ The 生産者」

2008-12-25 16:03:04 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年5月20日)

第1回 Martin Kronenberg  <Podere La Brancaia>




第1回目のゲストは、イタリアはトスカーナ州のワイナリー
“Podere La Brancaia” (ポデーレ・ラ・ブランカイア)の
オーナーである Martin Kronenberg (マーティン・クローネンバーグ)氏です。


<Martin Kronenberg>
スイスのチューリッヒ生まれ。大学では経済学を学び、スイスの食品会社でマーケティングや販売の仕事をしてきましたが、2001年にバーバラと結婚後、2002年にイタリアに移り、同年3月からバーバラとともに“Podere La Brancaia”の経営
に参画。現在は1ヵ月のうち1週間をスイスで、3週間をイタリアで過ごす日々。



ラ・ブランカイアは、有名なキアンティ・クラシコ地域の中心部ラッダ・イン・キアンティにあります。
1990年にキアンティのスター・エノロゴ(*1)Carlo Ferrini(カルロ・フェリーニ)氏を醸造コンサルタントに迎え、イタリアで権威のある「ガンベロロッソ」誌などでも常に高い評価を得ています。

以前はキアンティの名門マッツェイ家の『カステッロ・ディ・フォンテルトリ』が所有していた畑のひとつを、マーティンの妻Barbara Kronenberg Widmer(バーバラ・クローネンバーグ・ヴィドマー)の両親のウィドマー夫妻が1981年に取得し、1999年にワインメーカーとなったバーバラが引き継ぎました。

その後バーバラはマーティンと結婚し、現在は若い夫婦がラ・ブランカイアの経営を取り仕切っています。生産しているワインは3アイテム。


IL BLUE (イル・ブルー)
(1988年ヴィンテージから生産・ブランカイアのトップレンジ)(青ラベル)

Chianti Classico
(2000年ヴィンテージから生産)(ワインカラーラベル)

TRE (トレ)
(2000年ヴィンテージから生産・限定品)(黄ラベル)




Q.ラ・ブランカイアでのあなたの役割は何ですか?

A.セールスマネージャーとして、マーケティングや販売全般 、広報などを担当しています。今回もラ・ブランカイアのプロモーションで来日し、10日ほど滞在する予定です。


Q.今日は限定品の“トレ”を持参していただいたのですが、トレとはどんなワインですか?

A.他のふたつに比べると、もっとカジュアルに飲んでもらいたい、というコンセプトでつくっています。ランチに開けてもいいですし、パスタや魚料理にもおすすめです。楽しく心地よいワインで、私は毎日でも飲みたいくらいです(笑)。

カステリーナ地区のブランカイア、ラッダ地区のポッピ、モレリーノ・ディ・スカンサーノ地区のブランカイア・イン・マレンマという3つの畑から、ぶどうも、サンジョベーゼ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンの3品種からつくられているので、“トレ”(イタリア語で“3”という意味)という名前をつけました。

“Rosso di Toscana IGT”ですが、私はスーパー・タスカン(*2)に入ると思っています。まだ新しいワインで、日本初入荷です。


Q.この春、マレンマにある“マレンマ・イン・ブランカイア”のエステート(*3)から新しいワインが誕生するという話を聞いたのですが?

A.この4月の“Vinitaly 2004”(*4)で発表します。まだ秘密なのですが、名前だけ特別にお教えしましょう(笑)。
“ILATRAIA”(イラトライア)といいます。古い地図から取った名前で、ヴィンテージは2002年です。


Q.マレンマはどういった土地ですか?

A.ラッダのワイナリーから10kmほど離れています。サンジョベーゼに適している土地で、このワインもサンジョベーゼ主体です。


Q.マレンマのエステートは、以前は別の名前だったのでは?

A.以前は“ポッジオ・アル・サッソ”という名前だったのですが、“ラ・ブランカイア”とより密接にということから、2003年の1月に“マレンマ・イン・ブランカイア”に変更しました。


(*1)
エノロゴ:ワインの醸造責任者のこと。カルロ・フェリーニ氏のようなスター・エノロゴになると、いくつかのワイナリーのコンサルティングをかけもちすることも多い。

(*2)
スーパー・タスカン:品種による規制の多いイタリアのDOC法にとらわれない、クオリティを追究するワインのことなどを指し、ワイン法上はヴィーノ・ダ・ターヴォラ(テーブルワイン)やIGTクラスにもかかわらず、高価格で取引されるワインが多く、まさに“超トスカーナ”!

(*3)
エステート:農園、栽培地、醸造所などをいう。

(*4)
Vinitali(ヴィニタリー):イタリアのヴェローナで開催される国際的なワイン見本市。世界中のワインが集まり、試飲会やコンテストなどが行われる。ここで高い評価を得たワインは、世界の注目の的になることが多い。

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うーん、これは早く新作のイラトライアを飲んでみたいですね!

「ぜひVinitalyにいらして、飲んで下さい(笑)」(マーティン)。

ホント、ぜひ飲みに行きたいです!それとも、近いうちにトスカーナのワイナリーにお邪魔させていただく方がいいかも(笑)?
本日はありがとうございました。


インタビューを終えて

長身でスマート。加えて人なつっこいマーティン氏と、ラ・ブランカイアの3種のワインを飲みながらふたりっきりで(本当に独占です!)お話をさせていただくことができましたが、さすが営業のプロ。ブランカイアのどのワインが一番好き?という私の問いに、「もちろん全部!」とマーティン。

トップレンジのイル・ブルーはさすがですが、キアンティ・クラシコも、キアンティとは思えないほど濃密でスタイリッシュな味わい。
今回初体験のトレは、「カジュアルに飲んで」というものの、ガツンとした料理にも合わせられるほど逞しく、それでいてなめらかな素晴らしいワインでした。

彼が自信たっぷりに「スーパー・タスカン!」と言うだけのことはあります。が、いかんせん、日本に入ってくる量 は少ないとのこと。これは苦労して探す価値ありかも?


*輸入元:(有)アビコ





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