大震災の後では、ワインやフランス料理なんて贅沢な!という意見もあるかもしれませんが、それを楽しめる日常が戻ってこないと、被災地の復興協力にも力が出し切れないように私は思います。
生産者が心を込めてつくったワインをじっくりと味わい、ココロにも元気と栄養を与えてあげましょう
ということで、2月に来日した仏シャンパーニュの生産者のワインを紹介します。
BOUZYを拠点とするRM(レコルタン・マニピュラン、自らブドウを栽培してワインを造る生産者)の
ジャン・ヴェッセルから、現当主であるデルフィーヌ・ヴェッセルさんと、夫のダヴィッドさんが来日しました。
ジャン・ヴェッセルのシャンパーニュは以前からよく飲んでおり、このブログでも何度か登場していますが、生産者を紹介するのは初めてのこと。
ジャン・ヴェッセルの当主が、祖父、父から引き継いでいる女性ということは以前から知っていましたが、ジュリア・ロバーツ似のスタイル抜群の美女だとは!(しかも4児の母!)
Jean Vesselle Brut Oeil de Perdrix
ジャン・ヴェッセルといえば、ロゼ・シャンパーニュの「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」。
「山ウズラの目」という名を持つこのシャンパーニュは、独特の色をしています。
白のシャンパーニュに赤ワインを加えてロゼのシャンパーニュを造る生産者がほとんどですが、これは黒ブドウのピノ・ノワール(100%)をプレスする際に果皮からにじみ出る色素をそのまま生かして造っています。
よって、ほんのり淡い色調の、琥珀がかったピンク色をしています。
この製法は、彼女の祖父が最初に始めたとか。
ジャン・ヴェッセルは3世紀以上にわたってワイン造りを行っている家系ですが、Champagne Jean Vesselle として確立したのは、このおじいさんの代からになります。
ある日、おじいさんが醸造所のプレス機の下のタイルを剥がしたところ、中身の入ったボトルがたくさん出てきました。それがこの「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」でした。
飲んでみると非常においしく、ジャーナリストたちの評判も良かったことから、ピノ・ノワールの果皮の色をそのまま生かしたシャンパーニュを造ることになったそうです。
商品化したのは1975年。現在、ジャン・ヴェッセルでは年間12万本を生産していますが、ウイユ・ドゥ・ペルドリは42,000本と、35%を占める代表商品です。
「このシャンパーニュは私たちにとって、赤ちゃんのように愛のこもった大切なもの」
そう語るデルフィーヌさんは、醸造家から母の表情になっていました。
飲んでみると、フルーティなアロマがそのまま残り、フルーツのふっくらした果実味がやさしく、デリケートに口の中に広がります。
ドサージュ6g/lの辛口で、アペリティフにはもちろん、続く料理もこのまま通せそうなシャンパーニュです。デザートにも合うようですから、これ1本で食事の最初から最後まで活躍しそうですね。
さて、「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」がベビーピンクなら(右)、鮮やかな色の左のグラスの中身は何?
Jean Vesselle Brut Rose de Saignee
赤ワインのように濃い色は、ロゼシャンパーニュ「ロゼ・ドゥ・セニエ」でした。
ロゼ・ドゥ・セニエの“セニエ”を直訳すると“血抜き”の意味。
こちらもピノ・ノワール100%で、プレスしたブドウ果汁と果皮を、24~48時間(年による)接触させ(マセラシオン)、果皮の色素を抽出させます。
マセラシオンによるロゼシャンパーニュは難しい製法で、果皮を漬け込むと色はもちろんのこと、タンニンも抽出されますので、どのくらい漬け込むかの見極めが大事です。
「フレッシュな果実味を保ちながら、タニックでない、しっかりした味わいのロゼシャンパーニュを造りたかった。それも、ウイユ・ドゥ・ペルドリとの差別化を図るため、対極にあるような色の濃いものを」と、デルフィーヌさん。
この色を出すのが非常に難しく、これでOKと思って進めても、なかなか思うような色にならないこともあるとか。
赤ワインをアッサンブラージュしてロゼにする方法なら毎年同じ色を出すことができるけれど、彼女はマセラシオンを選んでいるため、毎年色が少し違うようです。
ウイユ・ドゥ・ペルドリがおじいさんのロゼなら、ロゼ・ドゥ・セニエはデルフィーヌさんのロゼ。
口にすると、赤ワイン的なしっかりした味わいで、ピノ・ノワールの風味がしっかりと感じられます。しかもフレッシュでみずみずしく、ふっくらやわらかなタッチがいいですね。
ドサージュは9g/l。
これは食中酒にも幅広く活躍しそうです。サーモン、マグロのタルタル、牛肉のカルパッチョ、スモークした鴨、若い状態のチーズ・・・ああ、考えると、どんどん出てきます(笑)
Jean Vesselle Demi Sec Rose Friandise
ロセ・ドゥ・セニエと同じベースワインに、ドサージュを32g/lと甘め(Demi Sec)に仕上げたのが、このロゼ・フリアンディーズ。よって、このロゼの色調も非常に鮮やかです。
日本の輸入会社の希望でプロデュースされた特別なキュヴェとのことです。
甘い、といいつつも、甘すぎないサラリとしたチャーミングな甘酸っぱさで、バランスは絶妙
オススメのマリアージュは、もちろん甘いデザート。
焼き菓子やショコラにもバッチリで、ビスキュイ・ローズ(シャンパーニュ地方ランス産のビスケット)にもよく合うとか。甘党には嬉しいシャンパーニュですね(笑)
ジャン・ヴェッセルといえば「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」、と思っていた私ですが、セニエのロゼシャンパーニュ2つと出会い、俄然セニエ・ロゼの大ファンになりました
美しい色合いはもちろんのこと、色が濃いのにフレッシュでみずみずしく、飲み心地がナチュラルな点が気に入りました。
ちょうど桜の季節を迎えました。
淡い色のウイユ・ドゥ・ペルドリから始め、ロゼ・ド・セニエ、ロゼ・フリアンディーズと楽しめたら、なんとシアワセなことでしょう
ロゼのことばかり書いてしまいましたが、ジャン・ヴェッセルのシャンパーニュはまだまだラインナップがありますので、また明日。
(輸入元:大榮産業株式会社)
生産者が心を込めてつくったワインをじっくりと味わい、ココロにも元気と栄養を与えてあげましょう
ということで、2月に来日した仏シャンパーニュの生産者のワインを紹介します。
BOUZYを拠点とするRM(レコルタン・マニピュラン、自らブドウを栽培してワインを造る生産者)の
ジャン・ヴェッセルから、現当主であるデルフィーヌ・ヴェッセルさんと、夫のダヴィッドさんが来日しました。
ジャン・ヴェッセルのシャンパーニュは以前からよく飲んでおり、このブログでも何度か登場していますが、生産者を紹介するのは初めてのこと。
ジャン・ヴェッセルの当主が、祖父、父から引き継いでいる女性ということは以前から知っていましたが、ジュリア・ロバーツ似のスタイル抜群の美女だとは!(しかも4児の母!)
Jean Vesselle Brut Oeil de Perdrix
ジャン・ヴェッセルといえば、ロゼ・シャンパーニュの「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」。
「山ウズラの目」という名を持つこのシャンパーニュは、独特の色をしています。
白のシャンパーニュに赤ワインを加えてロゼのシャンパーニュを造る生産者がほとんどですが、これは黒ブドウのピノ・ノワール(100%)をプレスする際に果皮からにじみ出る色素をそのまま生かして造っています。
よって、ほんのり淡い色調の、琥珀がかったピンク色をしています。
この製法は、彼女の祖父が最初に始めたとか。
ジャン・ヴェッセルは3世紀以上にわたってワイン造りを行っている家系ですが、Champagne Jean Vesselle として確立したのは、このおじいさんの代からになります。
ある日、おじいさんが醸造所のプレス機の下のタイルを剥がしたところ、中身の入ったボトルがたくさん出てきました。それがこの「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」でした。
飲んでみると非常においしく、ジャーナリストたちの評判も良かったことから、ピノ・ノワールの果皮の色をそのまま生かしたシャンパーニュを造ることになったそうです。
商品化したのは1975年。現在、ジャン・ヴェッセルでは年間12万本を生産していますが、ウイユ・ドゥ・ペルドリは42,000本と、35%を占める代表商品です。
「このシャンパーニュは私たちにとって、赤ちゃんのように愛のこもった大切なもの」
そう語るデルフィーヌさんは、醸造家から母の表情になっていました。
飲んでみると、フルーティなアロマがそのまま残り、フルーツのふっくらした果実味がやさしく、デリケートに口の中に広がります。
ドサージュ6g/lの辛口で、アペリティフにはもちろん、続く料理もこのまま通せそうなシャンパーニュです。デザートにも合うようですから、これ1本で食事の最初から最後まで活躍しそうですね。
さて、「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」がベビーピンクなら(右)、鮮やかな色の左のグラスの中身は何?
Jean Vesselle Brut Rose de Saignee
赤ワインのように濃い色は、ロゼシャンパーニュ「ロゼ・ドゥ・セニエ」でした。
ロゼ・ドゥ・セニエの“セニエ”を直訳すると“血抜き”の意味。
こちらもピノ・ノワール100%で、プレスしたブドウ果汁と果皮を、24~48時間(年による)接触させ(マセラシオン)、果皮の色素を抽出させます。
マセラシオンによるロゼシャンパーニュは難しい製法で、果皮を漬け込むと色はもちろんのこと、タンニンも抽出されますので、どのくらい漬け込むかの見極めが大事です。
「フレッシュな果実味を保ちながら、タニックでない、しっかりした味わいのロゼシャンパーニュを造りたかった。それも、ウイユ・ドゥ・ペルドリとの差別化を図るため、対極にあるような色の濃いものを」と、デルフィーヌさん。
この色を出すのが非常に難しく、これでOKと思って進めても、なかなか思うような色にならないこともあるとか。
赤ワインをアッサンブラージュしてロゼにする方法なら毎年同じ色を出すことができるけれど、彼女はマセラシオンを選んでいるため、毎年色が少し違うようです。
ウイユ・ドゥ・ペルドリがおじいさんのロゼなら、ロゼ・ドゥ・セニエはデルフィーヌさんのロゼ。
口にすると、赤ワイン的なしっかりした味わいで、ピノ・ノワールの風味がしっかりと感じられます。しかもフレッシュでみずみずしく、ふっくらやわらかなタッチがいいですね。
ドサージュは9g/l。
これは食中酒にも幅広く活躍しそうです。サーモン、マグロのタルタル、牛肉のカルパッチョ、スモークした鴨、若い状態のチーズ・・・ああ、考えると、どんどん出てきます(笑)
Jean Vesselle Demi Sec Rose Friandise
ロセ・ドゥ・セニエと同じベースワインに、ドサージュを32g/lと甘め(Demi Sec)に仕上げたのが、このロゼ・フリアンディーズ。よって、このロゼの色調も非常に鮮やかです。
日本の輸入会社の希望でプロデュースされた特別なキュヴェとのことです。
甘い、といいつつも、甘すぎないサラリとしたチャーミングな甘酸っぱさで、バランスは絶妙
オススメのマリアージュは、もちろん甘いデザート。
焼き菓子やショコラにもバッチリで、ビスキュイ・ローズ(シャンパーニュ地方ランス産のビスケット)にもよく合うとか。甘党には嬉しいシャンパーニュですね(笑)
ジャン・ヴェッセルといえば「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」、と思っていた私ですが、セニエのロゼシャンパーニュ2つと出会い、俄然セニエ・ロゼの大ファンになりました
美しい色合いはもちろんのこと、色が濃いのにフレッシュでみずみずしく、飲み心地がナチュラルな点が気に入りました。
ちょうど桜の季節を迎えました。
淡い色のウイユ・ドゥ・ペルドリから始め、ロゼ・ド・セニエ、ロゼ・フリアンディーズと楽しめたら、なんとシアワセなことでしょう
ロゼのことばかり書いてしまいましたが、ジャン・ヴェッセルのシャンパーニュはまだまだラインナップがありますので、また明日。
(輸入元:大榮産業株式会社)
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