ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

さまざまな挑戦をし続けるシャンパーニュ・テタンジェ

2012-12-18 10:18:24 | ワイン&酒
いい機会なので、昨日紹介した、「コント・ド・シャンパーニュ」 を生み出す テタンジェ社 について、もう少し詳しくリポートしましょう。

1734年創業のテタンジェ社は、伝統を重んじる老舗シャンパーニュ・メゾンですが、
「若いスタッフが大きな力となり、イキイキとして若く、常にリニューアルされている会社」と、取締役輸出部長のクロヴィス・テタンジェ氏(現当主の長男)は言います。

フランスのことわざに次のようなものがあり、テタンジェの姿勢はまさにこれだとか。

“何も変えないために、すべてを変えねばならない”

シャンパーニュ・テタンジェは、経営がファミリーの手を離れた時期がありましたが、2006年に買い戻しています。このあたりから、モチベーションを高く持ち、刷新力と確かな品質をもって巻き返しを図ってきたのでしょう。


左)クロヴィス・テタンジェ氏  右)ニコラ・ドゥリオン

同社の理事会の平均年齢は35歳。クロヴィス氏も、彼と一緒に来日したアジア・パシフィック担当ディレクターのニコラ・ドゥリオン氏も、ともに34歳。
2007年より、クロヴィス氏の妹のヴィタリー・テタンジェ氏も加わり、まさに若い力が活躍中です。



現在、テタンジェは シャンパーニュで3番目に大きな自社畑を所有する企業で、また、ファミリーネームがラベルに載っているブランドの中では最大手 です。
製品はフランスはもとより、世界150か国に輸出され、もちろん日本にも輸出されています。

「大きいからこそ名前に対する責任があり、家族で経営する必要がある。テタンジェの名前が品質を保証し、消費者に安心を与え、購入の際の目安になってくれれば嬉しい。また、シャンパーニュは幸せの象徴的な飲み物だから、手の届きやすい、幸せなもの であることが、このビジネスの成功の秘訣。テタンジェのシャンパーニュで人々を喜ばせたい、幸せにしたい」とクロヴィス氏。

“手の届く幸せ”、っていい響きですね


TAITTINGER Brut Reserve NV  (輸入元希望小売価格:6,000円)

ここで、2012年の収穫状況に触れてみると、気象の影響で、収穫できるポテンシャルから30%減になるとのこと。とはいえ、7月末から天気が戻り、ブドウの品質としてはいい恩恵を受け、将来が楽しみなヴィンテージになりそうです。

「テタンジェでは、畑、醸造所、セラー、それぞれの場所での仕事がよりよく行われている結果、シャンパーニュというひとつのユニットがうまくいき、成功につながっている」、とクロヴィス氏は言います。



テタンジェ全体としては、20年くらい前から、土地の環境や消費者への配慮を行ない、つくる側の責任を考えて行動しているものの、オーガニックやビオロジック、ビオディナミの実施には至っていません。
シャンパーニュ委員会も、技術的努力や薬剤の使用に対しては働きかけはしているものの、ビオの普及活動はしていないようで、これは、栽培地として北限にあり、厳しい気象条件であることも関係しているとか。

シャンパーニュが、“素晴らしい気分にさせるもの”、“エネルギーを与えるもの” になってくれれば嬉しい、さらには、 “女性を美しくするもの” になってほしい(薬局で売りたい!化粧品として売りたい!)(by クロヴィス氏)、だそうです。

そうなれば、わたしたちも嬉しいですね


ポスターのドレスの女性は ヴィタリー・テタンジェ氏 

テタンジェのシャンパーニュを飲めば、彼女のように美しくなれそう?(笑)


(輸入元:日本リカー株式会社)



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