ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

チャッレロ100%の甘口ワイン

2012-03-07 11:21:30 | ワイン&酒
昨日紹介した、稀少なスペインの在来品種スモイ100%の赤ワインをつくるワイナリー「Heretat Mont-Rubi」(エレタ・モン・ルビ)は、また 世界唯一?!というチャッレロ100%の甘口ワイン(Sweet White Wine Overaging)をつくっています。


Advent Xarel-lo 2007 Heretat Mont-Rubi (カタルーニャ、アルト・ペネデス)

チャレロといえば、パレリャーダ、マカベオとともに、スペインのスパークリングワインCAVAをつくるブドウのひとつとして知られていますね。樹勢がよく、収量が多くなるため、ていねいな剪定が必要な品種といわれています。

エレタ・モン・ルビでは、海抜530mの畑で樹齢45年以上になるチャレロから、珍しい甘口ワインをつくっています。

ブドウを手で収穫後、小屋の中に人房ずつワイヤーで吊るします。約90日間その状態に置き、貴腐菌を付けていきます。その後、低温で発酵させ、225リットルのフレンチオーク樽でシュル・リーの状態で約9ヶ月間熟成させます。アルコール度数15%。
2007年は350mlボトルでわずか1141本の生産量でした。

甘口ワインですので、もちろん甘さはしっかりありますが、思ったよりも軽快です。
酸も軽やかで、ベタベタと重たいタイプの甘口ワインではありません。
輸入元希望小売価格は8,000円。
これもかなりいいお値段ですが、生産量と手間ひまを考えたら、そうなってくるでしょうか。



このたび出合ったワインは、スペインワインのエージェントGLEXCOのペドロ・カストロ氏のセレクションによるもので、氏の来日に伴い、彼のセレクトしたワイン12アイテムが紹介されました。


ペドロ氏はラ・マンチャの南東のアルバセテ出身
「生産量が少なく、家族経営であリ、高品質のワインを生産するボデガをセレクトしている」と言います。

今回紹介された12アイテムの中で私のイチオシは、こちらの白ワイン。


Lagar de Besada Albarino 2010  (ガリシア、リアス・バイシャス)

昨年のスペインワインプロモーションの主役、リアス・バイシャスのアルバリーニョです。
フローラルなアロマがクリーンで心地よく、豊かな果実味のコクとしっかりした酸味のバランスが非常によく、ミネラル、少々の塩気も感じます。アルコール12%。
お値段が高くなりがちな中、輸入元希望小売価格2,500円と、コストパフォーマンスも良好。
ラガール・デ・ベサーダのアロバリーニョ、見つけたらぜひ!



その他の私のオススメは・・・

TEMPUS 2006 ALTAVIN VITICULTORS (DO Terra Alta)
シラー36%、ガルナッチャペルーダ24%、メルロ18%、カリニエナ12%、CS10%。
樹齢30年の木を選び、6~8カ月樽熟成後、瓶熟12カ月。非常にやわらかいタッチで、どこかフランスのブルゴーニュ的なニュアンスを感じました(3,500円)

CAMPO GABAS 2005 VALONGA vinos y vinedos (VdT Valle del Cinca、Aragon)
テンプラニーリョ、グラシアーノ、メルロのブレンド。
ステンレスタンクで発酵後、MLFを行い、フレンチ&アメリカンオーク樽で8カ月熟成。
まろやかでやわらかい質感の、コクのある赤ワインです(2,400円)

Alta Rio Tinto Crianza 2007 Bodegas CONSEJO DE LA ALTA (DO Rioja)
テンプラニーリョ100%。アメリカンオーク樽で12カ月熟成後、瓶熟12カ月。バランスよく飲みやすい赤ワインで、幅広い料理に合わせられそうです(2300円)


(輸入元:ミリオン商事株式会社)



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