交通事故

交通事故相談について徒然なるままに日ごとのことを書き連ねます。

鎖骨骨折

2012年10月09日 | Weblog
鎖骨は、腕をまっすぐに伸ばしたまま倒れ込んだり、肩から地面につく形で転倒した場合に、衝撃が鎖骨に伝わって折れてしまうことがあります。

また、球技でボールを受け損なったりして鎖骨に直撃してしまい、折れてしまうこともあります。

骨の中央部分が折れる症例が多く、全ての年齢層に多い、全体的に見ても頻度の高い骨折です。

また、両端の腱に牽引され、転移(骨のズレ)が生じやすい骨折でもあります。

症状としては、何もしなくても痛みがあり、うっかり腕や肩を動かしてしまうと強く痛みます。

また、腫れや皮下出血もあります。

骨折した部分のズレが小さい場合はギプスを使って保存療法を行います。ズレが大きい場合は手術を行います。

骨が皮膚を破っていたり(開放骨折)骨折による圧迫のために神経麻痺などがみられる場合も手術を行います。


鎖骨は体の内側で胸骨とくっついて関節をつくり、体の外側(肩に近い方)で肩甲骨とくっついて関節をつくっています。

腕や足、首などの骨と比べると、「鎖骨って何のためにあるのかな?なくても困らないんじゃない?」と何の役にも立っていないように思われがちですが、実は上半身の運動をサポートする重要な役割を持っています。

鎖骨がなければ肩や腕の上げ下げといった動きをスムーズにできなくなってしまうのです。

鎖骨は皮膚の上から触ってみると、まっすぐの直線ではなく、少し曲がっている(ゆるやかなS字の形)ことがわかります。

直線ではなく少し曲がっていることで、圧迫力が加わったときに力に抵抗しやすくなっています。

また、肩や腕を前方へ伸ばそうとすると鎖骨も一緒に前に動きますが、このとき鎖骨の動きにブレーキをかけるのが肋鎖靭帯と後方靭帯です。

後方への動きにブレーキをかけるのは、肋鎖靭帯と前方靭帯です。

ところで、人体の中でもっとも可動域の広い部分といえば肩関節ですが、肩をぐるぐると回したり大きな動きをするときには、肩関節だけではなく胸骨や鎖骨も連動しています。

つまり、胸骨や鎖骨を骨折してしまうと、肩を大きく動かすことができなくなってしまうのです。

鎖骨を骨折してしまうと、鎖骨にくっついている筋肉や肩甲骨、上肢の重みで遠位端(肩に近い方の端)が下にひっぱられ、逆に近位端(首に近い方の端)は上に上がっていきます。

そのため、折れた骨がズレてしまいます。

鎖骨は皮膚のすぐ下にあるので、ズレが大きくなると皮膚を突き破って開放骨折になってしまうおそれもあります。

ズレを放置しておくと、皮膚が圧迫されて壊死してしまうこともあります。


http://www.matsui-sr.com/gousei/hone72.htm