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いやはや、マスコミの変わり身の早さには驚かされる。小沢裁判の無罪で彼の評価が一変、
中でも、かって小沢氏に媚を売った大谷昭宏が、「キャスト」の番組で、わが意を得たかのように、検察審不要論をのたまう。
おやおや、彼は確か、押尾裁判ではこの検察審と同じ趣旨で生まれた裁判員裁判には大いに期待していたはず。
いや、それよりも、社会部記者上がりの彼が都合の良い「結論」だけ取り上げて、判決の内容を云々しないのでは評論家としてあまりにも、お粗末過ぎる。
それとも何?、判決に書かれた、
①土地購入代金の計上を翌年にずらすことの「報告を受けていない」とした小沢被告の供述は信用できないと判断し、石川知裕氏から報告を受け、了承したと認定
②又、4億円の出処等、「(小沢被告の証言に)変遷や不自然な点が認められ、信用できない」とする一方、「確かな記憶がないことも考えられる」として、虚偽記載の故意や元秘書との共謀について、立証が十分でないと認定
③しかも、検察審の議決の有効性は適法と判断するも、「事実に反する捜査報告書を作成し、検察審査会の判断を誤らせるようなことは決して許されない」と(検察を)譴責する等々は、
「限りなく黒に近い無罪」なので認めたくなかった?
ま~、この手の御用ジャーナリストの世迷言はさておき、この判決を出した大善文雄裁判長という御仁に刮目、
小沢命の「日刊ゲンダイ」が、「超カタブツ、極めて保守的で予定調和的な判決ばかり出してきた男」と、恐れただけあって、そんじょそこらの”ただもの”ではなかったようだ。
即ち、誰もが(この判決を)読めば間違なく、中身と結論の違いすぎに違和感を抱くのだが、それはそれとして、見ようによっては何とも含蓄がある。
いわば、平成の大岡裁き、あの「三方一両損」の手法を用いているのだ。
つまり、判決前から検察の不法捜査を喧伝、「直ちに裁判を止めろ」とまで公言して、裁判にプレッシャーをかけた被告側には、「限りなく黒に近い無罪」できっちりと、法の威厳を示している。
これはとりもなおさず、小沢陣営には、「完勝」とはいえず、「一両」損した気分。
一方、指定弁護士に対しても、
検察のきわめて杜撰な捜査に加え、新たな捜査にも被告の十分な協力が得られず、
そのうえ、「政治資金規正法」そのものがザル法、作った張本人が当の小沢氏で、抜け道はエラ知りで、尻尾もつかみにくい。
そんな中にあって、状況証拠を積み上げ、小沢被告の出鱈目を法定で暴いた労を多とし、言い分を全面認定。
但し、実を取ったことをよしとして「名」を捨ててもらう。詰まりはこちらも「一両損」。
そして、同時に、小沢側から異議申し立てのあった、検察審、議決の有効性については認定せず。
しかして、検察不信を招いた非は検察にありと、反省をもう一度促す意味で、不法捜査を弾劾。きっちりと「一両」を貰っている。
いや~、それにしても、乙な裁判をしたものだが、案外、この裁判官の本音は、
いくら裁判で状況証拠を積み上げても所詮は密室事件、政治家と秘書が阿吽の呼吸で攣るんでしまえば、罰を暴くことは不可能、
この政治資金規正法に、「連座制」を導入しないと、ザル法は改善できませんよといいたかったのかも。
とすれば、世の評論家も、検察審制度をとやかく言う前に、真っ先、法の不備を責めねば駄目ちゃの?・・。
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