おいみず亭 Family & Friends

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Live at the Proms 1970 / Soft Machine

2006-05-28 10:29:31 | Canterbury tree


1. Out - Bloody - Rageous
2. Facelift
3. Esthers Nosejob
 a. Pig
 b. Orange Skin Food
 c. A Door Opens and Closes
 d. Pigling Bland
 e. 10:30 Returns to the Bedroom

 Mike Ratledge: keyboards
 Hugh Hopper: bass
 Elton Dean: alto sax / saxello
 Robert Wyatt: drums / Voice


デビッド・アレン、ケビン・エアーズのいたころを「神話」の時代とするならば、Volume1と2はその「神話」を説き広める広報活動のようなものでした。やがて「神話の時代」から時を経るに従い、「人の国」としてのソフトマシーン作りが始まります。ソフトマシーンが新しい国として選んだのは、ジャズロックという国でした。3rdアルバムは、そんな新しい国造りの宣言ととらえることができると思います。

さて、Live at the Promsですが、形の上では以前紹介したTurns on Paradisoにエルトン・ディーンが加わっただけ。しかも録音が1年しか違わないのですが、内容は全く違っています。Turns on Paradisoが「神話」の説法であるのに対して、こちらは全くのジャズロック、新しい国造り宣言となっています。
収録曲を見ると1曲目と2曲目が3rdからのもの。3曲目はParadisoにも収録されているが、エルトン・ディーンがリードをとることによって見事なジャズロックに変身しています。
2曲目Faceliftも3rdアルバムに収録されたものよりも力強く、明快な演奏になっていると思います。3rdに比べてホーンセクションが抜けた分、エルトン・ディーンが大活躍。ヒュー・ホッパー、マイク・ラトリッジのミニマルミュージック的な繰り返しリズムの上に、サックスのフリーブローが乗っかるという、その後5thまで続くソフトマシーンのフォーマットが、ここで既にでき上がっていたことがわかります。

このアルバム、ほとんど文句の無いできなのですが、若干の不満もあります。録音の都合か、意図的なものかわからないのですが、ロバート・ワイアットのボーカル(というよりボイス・パフォーマンス)がほとんど聞き取れず、不思議な空白の時間帯ができていたりします。そのため、せっかく緊張感のある演奏が、間延びしたものに聞こえてしまいます。
とはいえ、3rd,4thではゲストミュージシャンが参加と5thの録音にはロバート・ワイアットが参加していないということもあり、この4人のメンバーのみで演奏されたソフトマシーン。非常にすっきりとしたアレンジで、かつ力強い。3rdアルバムがどちらかというと実験的であったがゆえに退屈と感じた方はこちらのライブをお薦めしたいです。


この時期のオリジナルアルバム
 3rd: 1970
 4th: 1971
 5th: 1972

3rd:
LP2枚組の実験的な大作。前作までのサイケデリックポップロック的な部分を残しつつ、全体的にジャズロックに向かって歩み出した記念碑的な1枚。マイク・ラトリッジという人、音楽的な背景がどのようなものなのか詳しくないのですが、ミニマルミュージックのような短いフレーズの繰り返しが好きなようです。ヒュー・ホッパーのベースもリフの繰り返しが多いので、この二人のバッキングを聴いていると、現代音楽のような雰囲気があります。ソフトマシーンが、ちょっと知的なジャズロックに聞こえるのは、このふたりのセンスに因るものではないでしょうか。
この3rdアルバム、世間的にはソフトマシーンの傑作アルバムと言われているようですが、前述したように実験的な部分が大きくて、ちょっと退屈になることがあります。実験が全て成功しているわけでも無くて、LP2枚組大作というボリューム全体が一つにまとまっているとは言い難いと思います。まだバラバラ部分も残っていますが、ソフトマシーンというバンドの性格付けができ上がったということで、新たな一歩を歩み出したアルバムというルと思います。
実はソフトマシーンにとって、この「新たな一歩」というのが大きな意味を持っています。どのアルバムを聴いても、前作と似ていて、必ず違った部分が付け加えられています。同じところに立ち止まらず、常に移動し続けていること、それがソフトマシーン。そこに留まるバンドメンバーも、追いかけるファンも大変です。


1. Facelift
2. Slightly all the Time
3. Moon in June
4. Out-Bloody-Rageous

Mike Ratledge : organ and piano
Hugh Hopper : Bass guitar
Robert Wyatt : Drums and vocal
Elton Dean : Sax and saxello
Rab Spall : Violin
Lyn Dobson : Flute ans soprano sax
Nick Evans : Trombone
Jimmy Hastings : Flute and bass clarinet

4th:
1曲目Teethなんて、カッコいいです。ゲストミュージシャンが沢山参加しているので、全体的にビッグバンド的な音作りになっています。正式なメンバーとなったエルトン・ディーンの影響が強くなったのか、フリージャズ的な要素も強く出ています。
しかし、このアルバム聴くたびになんとなくもの悲しい気分になります。ジャケットの写真のせいでしょうか。ロバート・ワイアットが、脱退してしまったせいでしょうか。


1. Teeth
2. Kings and Queens
3. Fletchers Blemish
4. Virtually Part 1
5. Virtually Part 2
6. Virtually Part 3
7.Virtually Part 4

Hugh Hopper - Bass guitar
Mike Ratledge - Organ and piano
Robert Wyatt - Drums
Elton Dean - Saxophone and saxello
Roy Babbington - Double bass
Mark Charig - Cornet
Nick Evans - Trombone
Jimmy Hastings - Alto flute and bass clarinet

5th:
黒字に黒文字で大きく5と書かれたジャケット。一見真っ黒けのこのジャケットに惹かれて最初に買ったソフトマシーンがこのアルバムでした。
ドラムはロバート・ワイアットに代わってA面はフィル・ハワード、B面はジョン・マーシャルという変則的な組み合わせ。しかも、録音直後にエルトン・ディーンが脱退するという、バンドとしては最低(?)の状態。にも関わらず、こういうときに傑作が生まれるのが世の常。このアルバムも、新しい国造りを薦めてきたエルトン・ディーン/ヒュー・ホッパー帝国の完成形といって良いでしょう。

この時期、ジャズロックバンドの目指したものは、電化マイルスバンドだったのだと思います。マイルス・デイビスがビッチズ・ブリュー以降の電化の中で、よりファンキーなもの近づいていったのに比べ、ソフトマシーンはよりクールな物を追い続けていたのではないでしょぅか。5thでは、エルトン・ディーンのフリーブロウが前面に出てきていますが、幻想的でよりクールな世界を作り上げています。ソフトマシーンが辿り着いた幽玄の世界。何物にも束縛されないユートピア音楽であることは間違いありません。


1. All White
2. Drop
3. MC
4. As If
5. LBO
6. Pigling Bland
7. Bone

Elton Dean - Alto sax, saxello, electric piano
Hugh Hopper - Bass guitar
Mike Ratledge - Organ, electric piano
Phil Howard - Drums
John Marshall - Drums
Roy Babbington - Double bass


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参考: SOFT MACHINE


その1

その3


Turns on Paradiso (March 29,1969) / Soft Machine

2006-05-20 20:24:10 | Canterbury tree
先週、新宿に行ったついでにHMVを覗いてきました。ソフトマシーンの「収束」のCD(LPは持っているのですが)があれば買おうかな、と思っていたのですが置いてありませんでした。そのかわり、というか、アメリカのmoonjuneというソフトマシーンファンが作ったレコード会社から出ている「Floating World Live」というライブ版を購入しました。ギターがアラン・ホールズワース。そうです、「収束」の時期のライブです。これは購入せざるを得ないですよね。

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家に帰って、ソフトマシーンCDを探してみると、音源発掘シリーズのようなライブ版が2枚見つかりました。コレクターやマニアでは「ない」ので、あまり音源発掘ライブ版は購入しないのですが、マシーンに関してはこれで時期の違う3枚が揃いました。
いままであまり聴いていなかったのですが、この機会にちょっとばかりまとめて聴いてみました。

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3枚のうち一番時期的に古いのが、このTurns on Paradiso。

こちらのジャケットはよくCD屋で見かけるのですが、同じものだったんですね。

今回初めて気がつきました。

メンバーは
Robert Wyatt: drums / vocals
Hugh Hopper: bass
Mike Ratledge: keyboards
2ndアルバム「Volume2」からホーンがいなくなり、エルトン・ディーンが正式に加入する前のライブになるそうです。
 (後日記:勘違いしていました。ホーンが沢山入っていたのは3rdで、Volume2は3人だけでした)

収録曲は
1. Hulloder
2. Dada was here
3. Thankyou Pierrot Lunaire
4. Have You Ever Been Green?
5. Pataphysical Introduction Pt II
6. As Long As He Lies Perfectly Still
7. Fire Engine Passinf With Bells Clanging
8. Hibou, Anemone and Bear
9. Fire Engine.... (reprise)
10. Pig
11. Orange Skin Food
12. A Door Opens and Closes
13. 10:30 Returns to the Bedroom
ですが、iPodに取り込むためにiTunesでCDを開く(なんだか違和感のある表現ですが・・・)と、1から8までが1トラック、9から13までが1トラックになっていました。尤も、演奏は切れ目無く延々と続いているので、CD全体で一塊みたいなものです。
曲目を調べてみると、全てVolume2からの物でした。ということで、音はVolume2と同様、ラトリッジのオルガンがガーガーゴーゴーと鳴り響き、ワイアットの手数が多いけどでしゃばらないドラムと鼻歌のようなボーカル、そしてヒュー・ホッパーの繰り返しの多いベースによる、サイケデリックなポップス、といった感じです。

最初聴いたときは「これはちょっときついな」と思ったのですが、繰り返し聴くうちに、すっかり慣れてしまい、ラトリッジのキーボードが心地よく感じられるようになりました。(ソフトマシーン中毒症状でしょうか)


この時期のオリジナルアルバム
 The Soft Machine(Volume1): 1968
 Volume2: 1969

Volume1は、幻のオリジナルメンバーからデビッド・アレンが抜けたトリオ。GW中にVolume1のカセットテープを聴いてみたのですが、ソフトマシーン中毒度が低かったためか、今一つピンと来ませんでした。全体的にサイケデリックな時代のポップな感じがするのは、ケビン・エアーズの影響か?

Volume2では、ケビン・エアーズが抜けてヒュー・ホッパーが参加。
人間のタイプ、大きくわけて、とにかくやってみるタイプと、まず考えるタイプに分けられると思います。Volume1のメンバーはどちらかというと前者ではないでしょうか。ヒュー・ホッパーって(ベーシストタイプといいますか)後者なのではないかとおもいます。Volume1と少し毛色が違ってきたのは、ベーシストのタイプの違いかなと思います。
ヒュー・ホッパーの参加とホーンの参加によりジャズ色が強くなりました。サイケデリック・ジャズ・ロック? アシッド・ジャズってやつの走りですかね。

Volume1

1.Hope For Happiness
2.Joy Of A Toy
3.Hope For Happiness (Reprise)
4.Why Am I So Short?
5.So Boot If At All
6.A Certain Kind
7.Save Yourself
8.Priscilla
9.Lullabye Letter
10.We Did It Again
11.Plus Belle Qu'une Poubelle
12.Why Are We Sleeping
13.Box 25/4 Lid

Volume2

RIVMIC MELODIES
1. Pataphysical introduction pt 1
2. A Concise British Alphabet pt 1
3. Hibou, Anemone and Bear
4. A Concise British Alphabet pt 2
5. Hulloder
6. Dada was Here
7. Thank You Pierrot Lunaire
8. Have You ever Been Green?
9. Pataphysical introduction pt 2
10. Out of Tunes

ESTHERS NOSE JOB
11. As long as he lies perfectly still
12. Dedicated to you but you weren't listening
13. Fire engine passing with bells clanging
14. Pig
15. Orange skin food
16. A door opens and closes
17. 10:30 returns to the bedroom

参考: Connect to Soft Machine

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追記:
エルトン・ディーンが今年の2月に亡くなったということを最近知りました。
ソフトマシーンレガシー、今後どうなるんでしょう。


その2


その3

ナイター観戦

2006-05-19 23:59:00 | 亭主独白
季節も良いし、交流戦も始まったし、普段忙しいのでここらでちょっと中〆もかねて、仕事のグループで神宮球場まで ヤクルト-ソフトバンク戦 を見に行ってきました。
特にヤクルトファンでも無く、ソフトバンクファンでも無いのですが、5月の空の下で、ビール片手に野球観戦。ドームでは味わえない解放感があるじゃないですか。

天気はあさからぐずつきぎみ。というか、雨が降ったりやんだり。
webの天気予報と空を見比べながら、20:30までは天気ももつだろうということで球場へ臨み、ヤクルト側の外野席に陣取りました。

1回の表にソフトバンクが3点をとり、ヤクルトが追いかけるという試合展開。ソフトバンク先発斉藤に外人勢が押さえ込まれ、ヤクルト劣勢の中、宮本のタイムリーで1点反撃、さらに次の回にまた宮本、今度はホームラン。応援団も湧き上がります。
しかし反撃ムードもここまで。ソフトバンクが3点を追加して突き放す。

が、21時を回った頃から雨が降り始めたかと思うと、あっという間の大雨。ひとまずスタンド下へ撤収。
しばらくして雨が止んだので、再び外野席へ。
しかし、またもや大雨で、さすがにこれで諦めて帰りました。

携帯のwebで試合結果を調べると、雨のためコールドゲーム。6-2でソフトバンクの勝利。
欲を言えば、松中のホームランを見たかったんですけどね・・・

In the Beginning / Renaissance

2006-05-16 02:51:57 | 最近聞いた音楽
In the Beginning...Prologue/Ashes are Burning。新生ルネサンス1stと2ndのカップリングアルバムです。



In the Beginning... Prologue
1.Prologue
2.Kiev
3.Sounds Of The Sea
4.Spare Some Love
5.Bound For Infinity
6.Rajah Khan

In the Beginning... Ashes are Burning
1.Can You Understand (Dunford/Thatcher)
2.Let It Grow
3.On The Frontier
4.Carpet Of The Sun
5.At The Harbour
6.Ashes Are Burning


実は、数あるプログレバンドの中で、しかも有名どころで、ウルフとこのルネサンスは苦手でした。
どちらもクラシックへの傾倒が強いバンドです。どうも聞いていて、いかにもクラシック出身というのがわかってしまうのが、ちょつと気になっていました。
そんなことで、実はこのIn the Beginningもいままであまり聞いた事がありませんでしたが、樹里さんのブログに「Ashes are Burning / 燃ゆる灰」の書き込みがあったので、あらためてルネサンスのどこが嫌いだったのかを検証(!?)して、この際食わず嫌いを直しておこうかと思います。

そもそも、ルネサンスにたいする思い込み的なイメージというのがありました。
 1)昔々NHK-FMで聞いたBBCのライブ。オーシャンジプシーのファンタジックなサウンド。
 2)アルバム「お伽話」のジャケットのようなファンタジックなサウンド。
どちらかというと、中世の物語を語るフォーク的なサウンド(ペンタングルのプログレ版の様な?)を勝手にイメージしていたというところがあります。

ところが、Prologueの1曲目「Prologue」がクラシックかと思うほどのピアノではじまります。
たしかに、ルネサンスの特徴として、クラシックをベースとしたロックというのがあるのですが、これは前述した「ファンタジック」なイメージとは違います。そして、アニー・ハズラムのボーカルが、ちょっとばかりキンキンして、これもマイナス要素です。Prologueのラストの曲「Rajah Khan」のエキゾチックなメロディーと、アニーのキンキンボーカルで、ちょっと参ってしまいました。

ということで、いつもはこのあたりで力尽きていました。(ということは「燃ゆる灰」までたどり着けていなかったことになります。

今回、あらためて聞いてみると、Prologueの2曲目「Kiev」のコーラス
 He was a man just a simple man
 Died at the place of his birth
 His tombstone shared by the family
 A silent place on the earth
という部分が、ちょっと物悲しい雰囲気で、しかも覚えやすいメルディーで気に入りました。

個人的には、ロックというものは、なにかちょっとでも「そこまでやるのか」という過剰な部分があっていいのではないかと思います。というか、その過剰な部分がバンドしての個性。「こいつらがそこまでやるのであれば、それは許そう」というところがロックバンドとしての所以ではないかと考えています。
ところが、ルネサンスの1stアルバムの場合、とてもそつなくまとまったでき、という感じがします。つまり、ルネサンスとして過剰な部分が無いため、ちょっとクラシックかがったポップミュージックバンド、という印象をもってしまった、故に、プログレバンドとして個人的に評価しなかったのではないかと思います。


ところで、ルネサンス。仲間内では、非常に評価の高いバンドです。そのバンドを、個人的に評価できない(評価のしどころが見つけられない)というのもくやしいので、意を決して2ndアルバム「Ashes are burning」を聞き進めて行くことにします。



1曲目「Can You Understand?」を聞いて「おや?」と思いました。Prologueに比べて、サウンドにまとまりがあります。ピアノはピアノを主張し、ギターはギターを主張していた1stアルバムと比較して、バンドとしてのまとまりが感じられます。
特に、アニーのボーカルは、1stに比べて、抑制が聴いて高音域でもキンキンしていません。
全体的にブリティッシュロックらしい、湿度と凝縮感があります。

先に述べた1曲目の「Can You Understand?」とアルバム最後を締める「Ashes are Burning」が9分を超える大作となっています。これらの大作では、1stでも見せた演奏の技術の高さを十分に発揮しています。他の曲は3-4分の短い曲が並んでいますが、これらの曲では、豊かな表情で語り部としての魅力を十分に発揮しています。このあたり名作と言われる「Novella/お伽話」にむけた準備ができたような気がします。

それで、今回の命題、食わず嫌いは解消されたか?
結論から言うと、「Novella」かカーネギーホールでのライブ版を聴いてみたいなぁ、いまそう思っています。
(音楽的な共通点がどれほどあるのかわかりませんが、オリジナルの方のルネサンスも興味があります。だって、あのヤードバーズのキース・レルフのバンドですから。。。)

The Renaissance Web Site: ファンサイト・・・だと思います

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ところで、樹里さんは、Ashes are Burningを「11分を超える」と書いてました。
In the Beginningでは9分30秒。フェイドアウトしていますが、これ、やはりCD1枚に詰め込むためにカットされているのでしょうか。


メチルメタフィジーク/吾妻ひでお

2006-05-11 04:38:51 | 最近読んだ本
吾妻ひでおの「失踪日記」が手塚治虫文化賞を貰ったそうです。
めでたい話なので、読み返そう・・・と思ったらどこかにしまい込んで見つかりません。本棚の隅にあった「メチルメタフィジーク」読み返しました。星雲賞とったときの話とか、SF/ギャグ/不条理/オタク・・・やっぱり凄いですね。

「失踪日記」。このマンガが出版される少し前「あじましでおは何しているんだろう」と漠然と考えていました。そしたら本屋でこのマンガと遭遇。昔ながらの丸っこい人物に「ああ、元気だったんだ」と手に取って見たらびっくり。「全部実話です」。失踪2回にアル中で入院と、凄い生活していたんですね。でも、悲壮感はなくて、なんか吹っ切れて、すっきりしたような感じです。読み終えてなんだか「ああ、良かった」とホッとしました。

web探していたら、吾妻ひでお公式サイトを発見しました。

なんか、まとまりがありませんが、以上。

ツルニチニチソウ

2006-05-11 03:01:14 | 庭の草花
何故、気がつかなかったんだろう・・・

今朝、出勤途中、駅に向かう道すがらふと見ると、とあるお宅の玄関先のプランターに、ツルニチニチソウの紫の花が咲いていました。数年前まで、我が家のベランダにもラタンナと一緒に植わっていました。ランタナもツルニチニチソウも強いので、手入れをしないでも毎年花をつけていました。(数年前の猛暑でやられてしまいましたが・・・)

ツルニチニチソウってこんな花です。


これって、5月5日に書いた謎の花ですね。

うちのは斑が入っていないので気がつかなかったんですね。
何で気がつかなかったんだろう。
斑入りじゃないだけに、謎は解けたが、腑に落ちない。
オアトガヨロシイヨウデ・・・

コープス・ブライド

2006-05-07 04:30:01 | 最近見た映画
GWも終わりにさしかかった「ただの土曜日」に「コープス・ブライド」のDVDを家族で借りてきてみました。
とても話題になった映画だから、どこかで一度は目にした事があると思いますので、詳細は省略。

いや、しかし、凄いですね。パペット達の身のこなしがとても美しい。身体の動きに合わせて、花嫁のベールがフワッと動くところなんて、ハッとして見入ってしまいました。そして、パペットたちの表情が豊かなこと。
パペットの作り出す仕掛けについては、DVDの特典映像で説明されていました。

人形というのは、不思議なもので、それ自体は命を持っていないのに、魂が宿っているように思えることがあります。それゆえ、時々恐ろしいもののように感じられることもあります。
「コープス・ブライド」に出てくる死者達は、死んでいるが故に命を持っていません。しかし、やはりそこには死者としての「魂」が存在します。一方、生者たちは、命はあるのですが、まるで魂を無くしてしまったかのような生活をしています。
「コープス・ブライド」では、命を持たない死者と魂を持たない生者を、命を持たない人形に、映画という魔法によって魂を吹き込むことによって演じています。人形によって演ずることによって、生と死の境を簡単に超えることができたのではないでしょうか。

それにしても、死者が蘇るというのは、キリスト教世界では、大変なことなのは無いでしょうか。。。

コープス・ブライド公式サイト

庭の草花

2006-05-06 14:23:16 | 庭の草花
昨日に続いて、庭の花の写真。

我が家の家紋になっているカタバミ。
webで調べたら、ムラサキカタバミというそうです。
他に黄色い花のカタバミや茎が赤味かがったアカカタバミも咲いています。
カタバミも増えて困る雑草ですが、こんなきれいな花をつけてくれます。


小振りな花をつけたワイルドストロベリー。
手前に見えるのは、イングリッシュラベンダーの葉。この大きさだと、実がついてもいちいち採れないので、虫達に食べられてしまう。


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今日のこの花は何?
ムスカリの仲間だと思うのですが・・・。
カンパネラと聞いて買ってきたのですが、球根なんです。そんなカンパネラがあるのかと思って植えてみたところ、葉はムスカリに似て、こんな花が咲きました。

庭の草花

2006-05-05 10:32:53 | 庭の草花
ついこの前サクラが咲いていたと思ったら、
庭のヒヤシンス、チューリップがあっという間に終わって、
気がついたらスズランが咲いていました。


そして、鉢植えのイチゴも今年は沢山咲いているし、


エビネが淡い花を咲かせていました。


裏庭に回ったら、人知れずチェリーセージが花をつけていました。


悲しい事に、ハナスオウがもう終わっていました。玄関先のハナスオウが枯れてしまった後、気がついたら裏庭にこの木が伸びていました。いつの間にか育った木に、せっかく花が咲いたのに、誰も気がつきませんでした。来年はちゃんと花を見てあげなくては・・・

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この花何でしょう?
ツルを延ばして、はびこってちょっと困っていますが、きれいな花なので許しています。

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これから夏に向かって、庭の雑草との格闘が始まります。
庭仕事って、はじめるまでは汗かくし泥まみれになるのがイヤなんですが、
始めてしまうと、それが楽しくてなかなか止められないですね。(で、抜いた草や切った枝を片づける時間がなくなっている)
翌日は、筋肉痛になるけど、庭で一日過ごすと、気分も快復して元気になります。

憲法記念日

2006-05-04 05:38:27 | 亭主独白
「ゴールデンウィーク」とひとまとめにしていたので、すっかり忘れていましたが、憲法記念日でした。去年あたりから、いろいろなところで改憲論が取り上げられていますが、PSEみたいに国民の知らないところで決められたらたまりません。経済は自由化して、ますます競争が激しくなり格差社会に向かう一方、教育基本法の改訂や共謀罪など個人に対しては管理化がすすむなんてイヤな方向に向かっているような気がします。憲法問題に関しては、政治家任せにしないで、一人一人が良く考えて発言していかないと入れないですね。
もう一度「日本国憲法の論点」読み直してみようかな。

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さて、そんなGWの一日、光が丘公園に行ってきました。
5月の陽射しに新緑が輝いていました。




カンタベリー物語 第2章

2006-05-01 11:17:39 | Canterbury tree
B面の始まりです。
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1.Hatfiels and The North
 Lumps
 カンタベリーのスーパーグループ、ハットフィールド・アンド・ザ・ノースの2枚目「ロッターズクラブ」からの曲です。
 ハットフィールド・アンド・ザ・ノースといえば、ベース:リチャード・シンクレア、ギター:フィル・ミラー、ドラム:ピップ・パイルそしてキーボード:デイヴ・スチュワートと、カンタベリー系のど真ん中に位置する4人が集まったバンドとして有名です。カンタベリー入門盤としても、コアマニア向けにもお勧めの1枚です。ただし、真っ向勝負なので、斜に構えたファンにはお勧めしません。 



2.Slapp Happy/Henry Cow
 Europa
 スラハピとヘンリーカウの合体アルバム「悲しみのヨーロッパ」から。ダグマー・クラウゼの突き抜けたボーカルが、落ちぶれたヨーロッパの精いっぱいの「見栄」の様で、哀愁を誘います。
 超知性派アバンギャルドポップスのスラップ・ハッピーと超武闘派インプロビゼイション集団ヘンリーカウの合体は、どう展開するかと思いきや、カウのクリス・カトラーは、ダグマー・クラウゼ奪い取り、アート・ベアーズを立ち上げて、ウシからクマへ乗り換えて、音楽という政治活動へと進んでいってしまったのでした。
離散集合はカンタベリーの得意技とはいえ、スラップ・ハッピーとヘンリー・カウの合体は何だったのでしょう。



3.Matching Mole
 Instant Kitten
 こちらも離散集合の結果生れたバンド、マッチングモールの1stアルバム「マッチング・モール/そっくりもぐら」からの選曲。
 アルバムジャケットの可愛らしさと、1曲目のポップナンバー「オー・キャロライン」にだまされて聞き進んでいくと、あっという間にソフトマシーン初期の渾沌とした世界に引きずり込まれます。フリージャズの影響を受けて、インプロビゼイションに基づいて展開されていく「インスタント・キッチン」。
 2ndアルバム「リトル・レッド・レコード/マッチング・モールの毛語録」では、ロバート・フリップがプロデスュースを引き受け、さてこれからというときに、好事魔多しというのか、パーティーで酔っぱらったロバート・ワイアット、2階から転がり落ちて脊髄を傷めて「天才」といわれたドラマー人生を転換する事を余技なくされてしまいました。(4に続く)



4.Robert Wyatt
 Sea Song
 不慮の事故で、ドラマー生命を絶たれてしまったロバート・ワイアット。人生のどん底を眺めた事でしょう。しかし、人生の海の底の底からはい上がって来たときに、「Rock Bottom」という名盤を引き連れてきてくれました。
 思い起こせば、ロバート・ワイアット、マイク・ラトリッジ、ケビン・エアーズ、パイ・ヘスティングといった連中中心になって活動を始めたワイルドフラワーズ。その活動の中心がカンタベリー。カンタベリー・ツリーと呼ばれるカンタベリー派のミュージシャン群の根っことなったのがこの人。「Rock Bottom」良き仲間に恵まれた永遠の名作です。



5.Gilgamesh
 We Are All~Someone Else's Food~Jamo and Other Boating Disaster~From The Holiday of the Same Name
 ナショナル・ヘルスで名を馳せた、アラン・ゴウエン率いるギルガメシュの1stアルバム「ギルガメシュ」からの1曲。
 2ndアルバムは、ベースにヒュー・ホッパーが加わり、ソフトマシーンに近くなったので良く聞いたのですが、この1stアルバム実はほとんど記憶がありません。曲の記憶も、聞いたという記憶もほとんど無いです。なんとなく趣味に合わないというだけなんですけど。
 その中で、このWe Are Allは輝いて聞こえました。スピード感と緊張感がある良い曲だと思います。



6.Soft Machine
 Snodland/Penny Hitch/Block/Down the Road/The German Lesson/The Franch Lesson
 初期のサイケデリックがかったポップス期。しだいにヒュー・ホッパー/エルトン・ディーン色が強くなった中期。そしてカール・ジェンキンス加入によりよりジャズロック/フュージョンに傾倒した後期。古くからのソフトマシーンのファンには、この後期がいたく評判悪いのですが、この「7」や次作「収束」は素晴らしいと思います。
 アルバムで言うと「6」から参加したジェンキンスが、ベースにロイ・バビントンを迎え、ソフトマシーンを完全にコントロールしたのが「7」。「6」までに比べるとリズム感が一変し、フュージョン系のバンドに変身しました。
 とはいえ、そこはイギリスのバンド、RTFやウェザー・レポートとは違い、知的に屈折しています。カールジェンキンスのオーボエの音がどこか遠く、懐かしい世界から聞こえてくるようなに響きます。



7.Soft Machine
 Memory
 初期メンバーによる、デビュー前の作品。いろいろな名前で発売されているアルバムのようですが、これは「At the beginning」というアルバムタイトルでした。このアルバムは、ソフトマシーン1stに近い自由奔放な内容です。
 そんな中で
  I know I cannot leave this place
  full of memories
  Things like the way they knew us
  all over town
と、世界一悲しい声でロバート・ワイアットが切々と歌い上げるこの曲が、とても印象的でした。

ナニー・マクフィーの魔法の杖

2006-05-01 09:45:05 | 最近見た映画
最低な日でした。
勇んで映画館に行ってみると、上映していたのは吹替版でした。「字幕読まずに画面に集中できるからいいよね」と言い聞かせたのはいいのですが、席が前から3列目で端から2つめ。スクリーンが台形にもならないほどひしゃげて見えました。
ポップコーン一緒に、アイスティーを頼んだら、出てきたのはアイス・コーヒー。映画見る前に、そうとうへこんでしまいました。

しかし、やはり何と言ってもエマ・トンプソン。ファンタジー。そしてイギリス映画。そんなことでへこんでいる場合ではありません。最低な日だからといって、映画まで最低とは限りません。
で、実際に見たら、笑えて泣けて、思った通りの映画でした。

ストーリーをごく単純に紹介するならば、子だくさんのセドリック家に乳母のマクフィーがやってきて、子どもたちを良い子に育てるというもの。「メリー・ポピンズ」と似ているのですが、そこはモンティパイソン生んだをイギリス。葬儀屋でのジョークのやり取りとか、趣味の悪い成金のおばさんとか、笑いのツボがとてもブラックです。そして最後は、パイ投げ。今どき見ないですよね、パイ投げなんて。映画全体を覆っている色彩と時代背景とそしてパイ投げを見ていて、昔(小学生だったか)見た「チキチキバンバン」を思い出してしまいました。ああ、イギリス映画だなぁ。

それにしても、エマ・トンプソン。ケネス・ブラナーと共演していた頃から、我が家では夫婦で嵌まっていました。魔法使いのおばあさんのようなメイクをしていても、動きの一つ一つが上品で、知的で、いいですね。もっと沢山の映画に出てもらいたいです。(とはいえ、やはりイギリス映画の中で持ち味を発揮するような気がします)

90分程度の短い作品なので、ストーリーの掘り下げというところはちょっと目をつぶらなくては成りませんが、素敵な映画でした。またしても「マリー・ポピンズ」との比較になってしまいますが、ナニー・マクフィーと子どもたちの別れがあっさりとしているのが良かったとおもいます。ここで要らぬ涙を強要されてはたまりません。

それにしても、ナニー・マクフィーは何者だったのでしょうか。亡くなったセドリック夫人とは、どんな人だったのでしょうか。見終わった後でも、興味がつきません。