あるいて・みつける

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Yashica-D(Yashikor 80mmF3.5)

2016-12-24 15:20:06 | 二眼レフで行こう
薄暗い小雨の日にはヤシカDが便利です。何しろレンズシャッターでほとんどシャッター・ショックを感じませんので、雨や雪の降る天気の時に1/30秒のシャッター・スピードでしっかりと構えれば、ぶれの無い高品質な中判フィルム独特の世界を愉しむことができます。旅行の時には色々な場所で撮影しますから、どのようなシチュエーションでも、ISO100フィルムを使っていても楽しめるのが凄いところです。

おおよそ35mm判フィルム換算で40mmの準広角域をカバーしますから、風景から少し近接した撮影まで、幅広い撮影に無難に対応します。ズーム・レンズで無い分被写体がしっかりと捕らえられる位置まで移動する必要がありますが、それも昔からの単焦点レンズで実践していたことであり、さして苦にもなりません。

F3.5のレンズですから多少ファインダー像が暗い感じですが、それでもピントグラスに写る画像はほぼ素通しの状態ですので、明るくはっきりと見えるファインダー像になっており、ピント合わせも苦労しません。ビュー・レンズとテイク・レンズは同じレンズですから、大体この様に写るといった感じで、気楽に考えて写せます。

問題は被写界深度の確認が取れないことで、これはフィルムの画像を良く観察して覚えてしまうしかない様に思っています。しかし、絞り込んでいっても被写界深度はあまり変化しない、すなわちボケ量の変化も少ないのが中判フィルムの特徴で、絞り込むとピントが合った部分の解像度が上がっていきますので、しっかりと絞り込んで撮影するスタイルが基本になります。

F3.5のレンズでも、35mm判フィルム換算でボケ量は2段分位あけた事と同じになりますので、F1.8位のレンズと同じ様な感じになります。ボケ量の変化ぐらいも同じ感じですから、F11まで絞ってもF5.6位のボケ量があって、解像感が一番上がる感じですから晴れた日の屋外はF11で、曇りや雨の日でもF8位に絞り込むと好結果が得られます。

クラシックな格好良さを持つカメラですが、レンズもヤシカは富岡光学製で抜群の写りをします。ヤシコール80mmF3.5は、トリローザーの流れを汲むと考えられる3枚玉のトリプレット構成で、絞り開放では頼りないのですがしっかり絞り込むと抜群の写りに変貌します。フィルムカメラですが、35mm判では粒子の関係からあまり細部までは写らないのですが、6×6判では気になる粒子も目立たなくなって、しっかり細部まで描写します。

フィルムで撮影したくて、フィルムカメラを購入する人も最近では増えてきたと聞く事が多くなりました。細部のディティールまで表現したい方で、気楽に撮影したい方にお勧めのカメラと言えます。単焦点レンズ固定でクラシックな雰囲気満点のカメラですが、一回撮影して結果を見れば、また撮影したい気分にさせてくれる不思議なカメラです。

それでは、今月半ばに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/100sec F8 Fujicolor PRO160NS
雪が積もる前につたの葉が真っ赤に紅葉します。雪が降る前の貴重な赤色です。
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