あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Ai Af Nikkor 20mmF2.8D(Nikon FE)

2015-05-30 10:30:00 | ニッコールレンズ
この前から、20mmレンズが登場していましたので、所有する3本目の20mmレンズはニッコールです。タクマーの20mmが高すぎて買えず、代わりに買ったコシナの中古品はフレアまみれになるので、困り果てていた時に何とか超広角が写したいと買ったのが、ニッコールF2.8です。当時は発売中のDタイプを買い求めました。

セール中でしたから、そこそこのお値段で購入する事が出来ました。Dタイプとは云え、フィルムでも使える実力を持っていますから、一緒にフードも買い求めて使っていました。フィルムでも、APS-Cディジタルでも関係なしに使える事は有難く、狭い空間を広く見せるための隠し玉として活躍してくれています。

コーティングやガラス種は最新のレンズですから、当然ながらゴーストやフレアはかなり少なめ、ハロも余り出て来ません。即ちくっきりはっきりの描写が出来る優等生レンズで、単焦点レンズの利点である歪曲収差補正も、収差がかなり丹念に除かれています印象で、真っ直ぐなものを真っ直ぐに写せる感じです。しかし、作品撮影よりは証拠写真や集合写真にメリットを感じるレンズです。

F2.8の明るいレンズなのですが、反面大口径広角レンズは一種の癖を内包しています。タクマーでも35mmF2の小型品は特有のぐるぐるボケを持っています。今回のニッコールも絞り開放近くで近接撮影を行うと、背景ボケが放射状に変形してしまいます。作品の味付けとして使う分には問題が無いのですが、真面目な雰囲気の写真では余り使えません。

専用フードがありますから、フィルムやフルサイズディジタルでの周辺けられはありません。安心して撮影が行える感じです。少し絞り込んでパン・フォーカス撮影が一番合っている感じで、気軽にサクサク撮影が出来ます。今回はお気軽撮影と云う事で、ニコンFEを持ち出して来て撮影しました。

ニコンFEは、電子シャッターを搭載していますから、絞り優先AEが効いて快適に撮影が行えます。黒白フィルムを詰め込んで撮影しましたが、サクサクと撮影が進むためにあっという間に一本を使いきってしまいました。ペンタックスSPの場合は、露出合わせに時間がかかりますから、余りコマを消費しなくて済むのですが、AE機はどうしてもフィルム大量消費になってしまいます。

帰ってからは自家現像を行います。黒白フィルムは自家現像が出来ますので、手早く現像が出来て至極便利ですが、仕上がりを良く見ると一部未現像の所があります。パトローネから少しずつフィルムを取りだしてリールに巻いていくのですが、リール巻き付け部に余計なテンションをかけてしまった様で、一部のフィルム同士がくっついてしまったようです。これからはダーク・バッグ内で一旦フィルムを全部引き出してから、リール巻き付け作業をするようにしましょう。

そんなこんなで、20mmレンズを一通り撮影する感じになりましたが、いずれはディジタルカメラもフルサイズな訳で、確認が行えて良かったと考えています。
それでは今月初めに撮影した写真から掲載します。


Nikon FE Ai・Af Nikkor 20mmF2.8
撮影データ:1/250sec F5.6 Neopan Acros100
新芽の出てきたうちわかえでも、葉が伸び切ってきれいなグラデーションを描いています。薄い色の時が狙い目で、透ける光とグラデーションが一番良く写せます。
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Super Takumar 55mmF1.8(Auto Takumar version)

2015-05-28 10:25:00 | タクマー・レンズ
中古品でもかなり安い価格で手に入りますし、SPの中古を買うと一緒に付いてくるのがこのレンズです。ペンタックスSVの時代から作られていて、SPFやESが出る頃にはSMCタクマーのバージョンに替わって行きました。相当に長い期間生産されていたレンズで、中古屋さんでも玉数は豊富です。

ペンタックスSPが、長期間にわたってベストセラーのカメラになりましたから、無理もない話です。この為に、一言でスーパータクマーと呼ぶのには無理がある様な、色々な派生バージョンが存在します。ペンタックスSVからスーパータクマーのレンズが登場してくる訳ですが、オートタクマーのレンズ玉が余っていたようで、それを使った小さなスーパータクマーが登場してきます。

レンズ玉はオートタクマー、絞り回転方向もオートタクマーですが、全自動絞りになりました。それが今回使ったスーパータクマーになります。絞りの動く方向も正反対のレンズですから、ある意味無理やりスーパータクマーにした感じを受けます。その後スーパータクマー本来の形になって、かなり長い期間生産が続く事になります。

解放測光の時代になって、SMCタクマーにバトン・タッチを行う訳ですが、その時にスーパータクマーのレンズ玉が、早々在庫切れになったからかもしれませんが、SMCコーティングの行われたスーパータクマーが存在します。これがSMCバージョンのスーパータクマーです。逆にユーザーがSPFを手に入れて、悔しい思いをしないようにとスーパータクマーのレンズ玉を用いた解放測光ピン付きのスーパータクマーも存在します。

何でもありのスーパータクマーですが、カメラやレンズ単体で色々なバージョンのスーパータクマーの中古品がが売られていますので、オート・スーパー・SMCと揃えて、色々な写りを愉しむのも一興かもしれません。このオートタクマー・バージョンのスーパータクマーは、譲って戴いたペンタックスSVに付いていました。

緻密な描写をする銘玉オートタクマーや、繊細でしなやかな描写をするスーパータクマー、力強く現代的な描写をするSMCタクマーと、被写体や背景のシチュエーションに合わせて選択できる事は好都合で、次回に行く撮影場所の状況を想像しながら、レンズをセレクトするのが一つの愉しみでもあります。

今回は、オートタクマー・バージョンのレンズを装着して、撮影行に出掛けました。オリジナルのオートタクマー55mmF1.8は、雑誌の紹介でも時々目にする事があるレンズですが、絞り開放ではかなり画像が柔らかくなりますので、F2.8位まで絞る事が必要な昔ながらのレンズです。少し絞り込むと、ファインダー画像を見ていても判る位に解像感が上がりますから、積極的に絞りこんで使います。

背景ボケは、絞り込んでもさほど硬くはなりませんから、安心して絞り込めます。但し、点光源ボケが六角形に変形してしまいますので、明るい点光源ボケを避けるようにする事も、撮影方法の一つです。解像感が前面に出て来ますので、細かな部分も良く再現されてきて、撮影が楽しくなります。

それでは、月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 55mmF1.8
撮影データ:1/125sec F2.8 ISO400
はなみずきの花があっという間に咲いて、気付いた頃にはかなり少なくなってしまいました。残された花を日の光に透かして撮影しましたが、薄いピンク色が際立って印象的になりました。
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ゴールデン・ウイークは

2015-05-26 10:30:00 | いろいろあります
今年のパターンは結構隙間だらけのゴールデン・ウイークでした。連続した日数が4日位ですから、その日を選んで面白い体験をしようと云う事になりました。常日頃は写真の趣味に没頭していますから、それ以外のアクティビティと云う事で、今回は釣りとおかず作りです。普段あまりやった事が無い訳ですから、興味深々です。

釣りの方は、石川県は元々海に面した県ですから、海岸の防波堤に行っても結構釣れたりします。今回は少し違った愉しみ方として、つり筏を選んでみました。筏が海の上に浮かんでいて、そこまで船で連れて行ってもらいます。筏に着いたら周囲は海な訳ですから、海風に吹かれながらのんびりと釣りをするのもよし、周りの景色を眺めながら釣り糸を垂れてのんびり昼寝するのもよし、と云う按配です。

筏に乗っていた時間が昼間の時間帯でしたから、思ったようには釣れてくれません。やはり釣りの時間帯は朝一番か夕方な訳で、朝ごはんと晩ごはんの要領で、魚たちの方も昼間の時間帯は餌には見向きもしてくれません。蒔き餌をすると少しは魚たちが寄ってくるのですが、余り食べてはくれずに、すぐにどこかへ行ってしまいます。

仕方が無いので釣り糸を垂れながら、午後の時間は周りの景色を見ながら睡魔に身を委ねます。そうこうしているうちにボラが一匹かかりましたが、まだ小さい魚ですので放してやり、ゆっくりと日光浴と午後の睡眠を愉しみました。また、海から見る陸地の風景は新鮮な感じで、カメラも持参していましたから撮影も愉しみました。

海から見る陸地は結構遠い場所にありますから、コンパクト・ディジタルカメラで証拠写真と云う感じで撮影していました。あっという間に筏の滞在時間は過ぎてしまいましたが、久しぶりの心の洗濯に満足して、帰りに日本酒を一升瓶で購入して帰ってきました。以前のブログで紹介した亀泉ですが、口当たりの良いお酒です。

帰り道に温泉にも立ち寄って帰ってきました。能登半島で温泉と云うのも不思議な感じですが、石川県の能登半島や加賀にも温泉が豊富に湧出しており、県内の全てで温泉が愉しめます。能登半島には和倉温泉があり、加賀には加賀温泉郷があります。それ以外に温泉があるのですが、ラジウム温泉も多くある訳でアトム温泉な訳ですが、温泉に入った後は体が温まって不思議と湯冷めしません。

持参したカメラは、海や雨の中を想定してコンパクト・ディジタルカメラのFinepixJX600を持っていっています。やはり、連休後半は雨の日もありますし、何しろ海の中の筏ですから、安価に購入したコンパクト・ディジタルカメラが威力を発揮します。コンパクト・ディジタルカメラとはいえ、フジノンレンズですから写りの良さには期待するものがあります。

そんなこんなで、帰って来てからはおかず作り、昼間に食材を仕入れて夕飯のおかずを仕上げていきます。創作料理の雰囲気ですが、男の料理作りは結構こだわりがあって楽しいものです。
それでは、ゴールデン・ウイーク中の写真から掲載します。


Fujifilm JX600 Fujinon4.6~23mmF4.8~6.3
撮影データ:1/300sec F6.3 ISO100
釣りをしている時に、今年から運行している、のと里山里海号が走っていきましたので、慌てて撮影しました。のと鉄道の観光列車ですが、ゆっくり走る姿は風情があって良いものです。
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自家現像の愉しみ

2015-05-24 20:12:12 | フィルムで行こう
今年初めから黒白フィルムの自家現像を始めて、今では大分慣れて来ました。学生時代は学校の暗室を借りて、引き伸ばしまでできたのですが、今は引き伸ばしよりもスキャナ取り込みが主流になってきたようで、スキャナでディジタル・データに替えて、トリミングを行って印刷します。

それでも、銀塩印画紙のラチチュードはすごく広くて、近くのカメラ屋さんでも行ってくれる事が判りましたので、ここぞの写真を引き伸ばしてもらおうと考えています。スキャナでディジタル・データに替える作業は、いわば大きなディジタルカメラで複製写真を創るのと同じ作業ですから、多少ですがグラデーションが犠牲になります。

フィルムスキャナも結構進化してきましたので、今では6,000dpi以上のものが多くなりました。ネガフィルムは大体2,000~4,000dpi位で粒状感も出せたデータが出来上がりますから、余り解像度を高くしてしまっても効果がありません。ラチチュードも少し狭くなりますから、少し硬調でグラデーションが心もち狭くなった印象を受けます。

それでも、ディジタルカメラ以上のグラデーションを引き出してくれますから、おおむね満足と云った感触になります。ディジタルカメラでも、最近の現像ソフトウエアでは変化幅を拡大する機能が付いていますから、思った以上のグラデーションを引き出してくれて、これもまた満足と云った感じです。適正露出をしっかりと行えば、ディジタルのデータの中にも多くのグラデーションが潜んでいるのが判ります。

自家現像、現像時間や温度と云った条件に加えて、現像液の濃度等を自分自身で少し変える事が出来ますから、自分の撮影パターンに合わせた最適現像が行える手段を手に入れたと云う感じになります。おまけに薬剤自体はかなり安いので、頻繁に現像を行っても余り懐が痛みません。お小遣いを気にしないで気軽に現像が行える事が、大きなメリットです。

カラーネガ・フィルムの現像を行った事もありますが、薬剤自体が相当に危なそうな事と、温度が高く、時間が短い事で、緻密に温度と時間管理を行わないとむらになったり、過剰現像で後からの引き伸ばし作業が極端に難しくなったりと面白くありません。やはり、カラー系はカメラ屋さんの自動現像機の方がはるかに上手く仕上がります。

自動現像の世の中で、自分の気持ちをフィルムに詰め込む手段が自家現像な訳で、黒白フィルムの自家現像は手っ取り早く実現できる手段と思っています。黒白フィルムであれば、現像時間はおおよそ30秒間隔で設定すれば、それ程仕上がりに苦労しなくて済みます。つまりおおらかに液を交換して、余裕を持って作業が行える訳です。停止と定着はおおよそこの位の時間と、かなりラフに行っても大丈夫ですし、むらにならないようにしっかりと時間をかけて撹拌しておけば問題ありません。

今まで行った数十本の現像処理で、失敗した事が無いので、かなりおおらかに現像しても大丈夫なようです。こんなもんと考えて、ゆっくりとやるのが成功の秘訣です。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO100 Auto Neopan Acros 100
撮影行の道すがらのどうだんつつじの植え込みは、枝のはり方がきれいでいつも癒されます。オリンパスペンの解像感が良く出ていて、引き伸ばして鑑賞しても癒される感じです。
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Mayer-Optik Domiplan 50mmF2.8 (Close-up No.1)

2015-05-22 08:05:23 | 海外レンズ
このブログでも、検索対象に良く入っているのがこのドミプランで、関心の高さが伺える良きレンズかと云うとかなりの癖玉である事には間違いがないようです。ピント位置の解像感は高くて、トリプレットの抜けの良さが充分に味わえる銘レンズなのですが、関心の高さは背景のぐるぐるボケにある様な感じで、今一つ面白くありません。

日本に輸入されたドイツレンズで、廉価版のカメラとセットで販売されていたレンズですから、多少の事には目をつぶって使う事が必要なレンズです。プラスチックが用いられているレンズですから、多少の安っぽさはあるかもしれません。元来マイアー光学のレンズは、全金属製のずっしりとした高級感がありましたから、その違いに驚きはあるかもしれませんが、写りは変わらない様な気はしています。

イハゲー社のエクサに付いているのを見た事がありますが、エクサもエキザクタの廉価版ですから、ドミプランもそのような位置付けであったであろうと思います。エキザクタにはトリオプランがしっくりくる感じで、写りはほとんど同じなのですが、手に持った時の高級感と操作感が違ってくるような感じで、エキザクタとトリオプランの取り合わせの方が、良い写りが愉しめそうな気がします。

最短撮影距離が75cmと、少し長めの感じですが、スナップ撮影では特に気にはなりませんし、遠景や風景の撮影では抜けの良さが前面に出てきて、今流の写りが愉しめます。このレンズを使っていて、唯一の不満点は近接撮影な訳で、出来難いとなると何とかしたいと云う気になってきます。そこで、今注目して使っているクローズアップ・レンズの登場になります。

幸いな事に、フィルター径は55mmですから、手持ちのクローズアップ・レンズが使えます。以前のズーム・レンズ用にと買ったものですが、試してみる事にしました。M42レンズですから、完全オート絞りしかないドミプランは、絞り込みピンを押さえる機能を持たない構造の接写リングを付けると、常に絞り開放になってしまって面白くありません。やはり近接撮影は、手軽なクローズアップ・レンズが一番合っているようです。

クローズアップ・レンズを付けると、背景ボケが格段に柔らかくなってきて、持ち前のぐるぐるボケが判らない程にぼけて来ます。味付けの特徴が幾分薄れてしまうのですが、ピント位置の解像感はそのまま出て来ますから、優等生的なマクロ画像になってきます。No.1のクローズアップ・レンズで、ごく普通の標準レンズ的な拡大倍率が愉しめますし、No.3では少し拡大された感じで、ごく普通の標準レンズにNo.1のクローズアップ・レンズを付けたようになります。

扱い易いマクロ機能が付加された感じで、撮影がとても楽に進みます。クローズアップ・レンズを外すと遠景撮影が行えますので、付けたり外したりしながら撮影を進めます。良い方法を見つけました。これからは、クローズアップ・レンズのNo.1をポケットに忍ばせて撮影する事にしましょう。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Meyer-Optik Domiplan 50mmF2.8(Close-up No.1)
撮影データ:1/125sec F8 ISO100
暖かい日が続いていましたので、藤の花が咲き始めました。ドミプラン独特のボケはなりを潜め、発色の良さが引き立つ写りとなりました。
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