MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

皇帝の騎兵隊

2012-01-07 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

01/07 私の音楽仲間 (351) ~ 私の室内楽仲間たち (324)



               皇帝の騎兵隊



         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




 先日、親しい仲間からメールが舞い込みました。

 差出人は、いつもご一緒している、チェロの Su.さん。 私の
記事を読んでくれたらしいのですが、まずはその感想から。



 「関連記事から遡り、あらためてハイドンの『皇帝』の2楽章、
変奏曲の記事を読み直して、とてもスッキリした…。」

 それはまことに嬉しい限りです!




 Su.さんと言えば、探究心が旺盛で、言葉には常に真実味を
感じさせる人物。 "辛口" の面もありますが、表現はいつも
穏やかです。



 "関連記事" とは、二人のハイドンのこと。

 またハイドン弦楽四重奏曲ハ長調 『皇帝』については、
この場には『錦の帝衣』を始め、以下の記事があります。




                関連記事

                   名曲に拝謁
               同じリズムがあちこちに!
                  音の上下も?
                   錦の帝衣
                 翻弄された讃歌
                  皇帝の騎兵隊
                  政治家ハイドン
                  戦術家ハイドン
                  扇動家ハイドン
                  芸術家ハイドン
               傑作への誘 (いざな)




 Su.さんのメール、まだ続きます。



 「…とてもスッキリしたのですが、新たにスッキリしたいと
思ったのは1楽章についてです。」

 これは大変! 私も単純に喜んでばかりはいられません。



 「この1楽章のモチーフは、その全部一つ一つに、皇帝に
関する “寓意” が籠められてるのだそうです。 皇帝を支え
る貴族やら、皇帝自慢の騎兵隊やらなんやらかんやらが
大活躍してるそうです。」



 それは大変。 不勉強な私は初耳です。

 ≪第Ⅱ楽章の素材が、全曲の構成要素になっている≫
のが判れば充分…。 そう思い込んでいた私。

 それにハイドンは、自分と同じ名前を持つ皇帝、フランツ
・ヨーゼフの、"忠実な崇拝者" に過ぎない…と信じ切って
いた私…。 まだまだ甘いようです。



 そう言えば、第Ⅰ楽章の冒頭には、まるで馬が走って行く
ような、上昇音形が頻出していました。

 これ、"騎兵隊" なのでしょうか?








 「冒頭の第1主題が皇帝讃歌そのものから作られてるのは
解ってますが、その他は今一つどれがなんやら私には解って
おりません。」

 「ハイドンがこの曲を最高傑作と自負するのは2楽章の音楽
的完成度の高さと共に、この1楽章の“してやったり”感もある
のではないかと思ってます。」



 なるほど。

 「是非その内に、この辺りのことも書いていただいて、とても
スッキリしたいな、と、以上我儘なお願いでした。 すみません。」




 これは大変。 調査対象が、また一つ増えました。 私が
一人で譜面を睨んでいるだけでは、これはとても片付かない
問題です。



 さっそく私は Su.さんに電話。 そんな知識、一体どこから
仕入れたの?

 「図書館から借りた本に書いてあった」…と言うのですが、
なにせ、膨大な読書量を誇る Su.さんのこと。 残念ながら
書名までは、さすがの Su.さんでも思い出せませんでした。




 私自身も最近は、珍しいことに、読みたい本がたくさんあり、
手元に溜まったまま。 目を通せないで、"積読" (つんどく)
なっています。

 それも、みな音楽関係の書物。 若いうちに、もっと幅広く
読書に親しんでおけばよかった…。 間に合わない反省です。



 Su.さんの読んだと思われる本の題名…。 ご存じの方が
おられましたら、ぜひご教示ください。




 演奏例の音源]は、『皇帝』から第Ⅱ楽章、その最終
の第四変奏の部分。

 Violin は私、Sa.さん、Viola M.さん、チェロ I.さんで、
ちょうど先日、一度だけ通したときのものです。



 譜例は、その途中まで。 先ほどと同様、既出のものです。








       [音源サイト    [音源サイト