09/26 私の音楽仲間 (310) ~ 私の室内楽仲間たち (283)
叱られないハイドン
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
今回は、まず音源をお聞きください。
[Andante からの演奏例]
最初の音量が大き過ぎることがあります
美しい緩徐楽章。 曲は、ハイドンの四重奏曲 変ホ長調、
作品64-6、その第Ⅱ楽章の一部分です。
Andante、3/4拍子。 全員が、p で平和な気分を味わって
います。
そこへ突然 ViolinⅠのソロが闖入! 何やら思い切った
陳述のようなパッセジが始まりました。
Viola を持っていた私は、どうしていいか解らず、弾くのを
止めてしまいました。 しかし、忠実に仕事を続けたままの
仲間もいます。
「あれ? ちょっとおかしいな~。」 "ソロ Violin" も首を
傾げます。
その、ター、ラー…っての、何小節目? こう尋ねたのは私。
「… "32" かな? 急に世界が変わるところだ。」
確かにそのとおりです。 p の変ロ長調が、f の変ロ短調
になっています。 一人だけ。
…まだ "24" なんだけど…! …と、再び私。
「……あ、一段、跳ばしたかな。 ごめーん。」
全員がここで大爆笑。
「そう言えば、同じのが、2段 (書いて) あるわ…!」
………。
見ると、まったく同じ景色の7小節が、2段あります。 前半
は、その後に終止形があるので、平和な変ロ長調に落着く…
はずでした。
ところが、後半にはこの8小節目が無く、いきなり変ロ短調
の f の音楽が、新しく始まるのです。
アンサンブルには付き物の、よくある光景…。
このときの Violin は、K.君と T.さん、チェロが T.さん。
T.さんのお宅にお邪魔したときのひとコマでした。
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この作品は、私にとって初めての曲。 恥ずかしながら、
それまで聞いたこともありませんでした。 80曲ほどある、
ハイドンの弦楽四重奏曲の一つで、またしても K.君の
リードで経験させてもらった曲です。
第Ⅰ楽章は変ホ長調、Allegretto の 4/4拍子。 各パートが
歌い交わしながら、曲は落着いた雰囲気で流れていきます。
そして第Ⅱ楽章が、先ほどの Andante でした。
第Ⅲ楽章は、Allegretto のメヌエットとトリオ。
第Ⅳ楽章 Finale は、Presto の 2/4拍子。 あるときは一緒
に、またあるときはバラバラに、忙しく走り回るパッセジが続き
ます。
「K.君には頭が上がらないはずなのに、よく気が
付いて、ハッキリ物が言えたな!」…ですって?
そんな…。 私だって、そのぐらいは出来ますよ。
初めての曲でもね。 凄いでしょ?
いや、なに。 自分にも覚えがあるからなんです。
こんなふうになったら、大体原因は一つ。 "自信を
持った数え違い" 以外にあり得ないんです。
「それがすぐ解るということは、よほど何度も
前科があるんだな! それに、全体の雰囲気
は悪くならなかったか?」
……。 ご心配なく。 その後も和やかな演奏
が続きましたから…。
[第Ⅲ楽章 メヌエット] からの演奏例
最初の音量が大き過ぎることがあります
音源をお聴きの際は、他の外部リンクをクリックすると途切れます。
[音源ページ]