MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

思いは緩やかな序奏に

2011-02-18 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

02/18 私の音楽仲間 (258) ~ 私の室内楽仲間たち (232)



           思いは緩やかな序奏に



          弦楽五重奏曲 ニ長調 K593

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         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




 休憩後も五重奏曲です。 もうすぐ35歳を迎えるMozart の作品、
ニ長調 K593。 ちょうど一年後に世を去ってしまうことになります。



 メンバーは、Violin が私、U.さん、Viola は M.さんB.さん、、
チェロ Su.さんでした。




 第Ⅰ楽章は、ニ長調、2/2拍子、Allegro です。 響きはあくまでも
明るく、落着いた雰囲気のうちに、曲は淡々と流れて行きます。

 これは、作曲家の "晩年" の心境なのでしょうか。



 最初に現われる主題は、
   ① 前半が、弾むようなリズム、
   ② 後半は、急激に降下する音階
から出来ています。

 まるで、挨拶を交わしているようにも聞こえます。 

 再現部では、①の部分が何度も模倣され、繰り返されます。



 冒頭には、3/4拍子、Larghetto の序奏があり、これは楽章の
終りにも現われます。 続いて、Allegro の部分も短く繰返された
かと思うと、楽章はすぐに終ってしまいます。

 Mozart の歌心は、むしろこの序奏部の方に感じられます。




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 演奏例の音源]は第Ⅰ楽章、再現部の冒頭部分です。