04/15 まるチャンの「何だ、これ！？」 (52)
観音崎の波音
今までの『ボクの出てきた記事』一覧だよ。
関連記事
(14) ちゅら海水族館
(49) ４時間の旅
(50) 鍾乳洞の音楽
(51) レンタカー ショップの明暗
(52) 観音崎の波音
(53) さらに西へ
(54) 牛に引かれて…
(55) 南西の楽園
(56) 偏西風に…
やあ、ボク、まるだよ、ワン!!
石垣島の観音崎。 島の地図で見ると、時計の文字盤の８時
の方向に突き出た岬だったよね。
そこから石垣港にあるホテルへ帰るんだけど、歩いたら１時間
以上かかっちゃうんだ。 文字盤だと "隣りの７" なんだけどな…。
「しょうがない、TAXI に遇うまで歩こうか」…ってことになったの。
「日本で一番明るい夕方だよ？」…なんて言いながらね。 もう
午後の６時半なんだけど、とても明るいんだ。 春の話だよ、３月
15日だから。
みんなで海岸に沿った道路を、ブラブラ歩いていたときのこと。
いきなり豪華な色彩が、目に飛び込んで来たの！
道路の右側は海。 左の、陸の側に見えてきたのは、どうも
何かの建物みたい。 これ、なんだ～？
最初は「綺麗な門かな？」って言ってたんだけど、どうも様子
がおかしい…。 「何だろう？」って、みんなで行ってみたらね、
お墓だったの！
昔、と言っても1852年のことだけど、中国の可哀想な人たち
の霊を慰めるためのものだったの…。
これ、知ってた？ ［唐人墓］にも書いてあるんだけど。
maruたちはね、誰も知らなかったの。 三人とも…。
実際はとても華やかなんだよ。 赤や緑の色でね…。
下の写真は、正面の碑文だよ。 でも、ちょっと字が小さい
から、内容はページ末をクリックして読んでね？
酷い目に遭ってる人たちが居るのは、でも昔だけじゃないんだ
よね？ 今でも苦しんでる人たちが一杯いるって、ボクも聞いた
こと、ある。
でも、船の上で虐待されたり、辱められたり…。
この石垣に逃げ込んでから、また捕まったり、殺されたり…。
すぐそこに、自分たちの国の中国があるのにね。 きっと、
帰りたかったろうな～。
このお墓もね、海の方、向いて建ってるんだ。 もちろん
西の方角だよ？
すぐそばに こんな花が
(続く)
唐人墓の碑文は、この下だよ
観音崎の波音も聴いてね？ 風の音も入っちゃったけど。
↓
この唐人墓には中国福建省出身者128人の霊が祀られている 中国人労働者(苦力、クーリー) は 16世紀以降世界各地に多数
送りだされていた 1852年２月 廈門 (アモイ) で集められた400余人の苦力たちは 米国商船ロバート・バウン号でカリフォルニアに送られる途次 辮髪 (べんぱつ) を切られたり病人を海中に
投棄されるなどの暴行に堪えかねて遂に蜂起 船長等７人を打殺した 船は台湾へ向かう途中たまたま石垣島崎枝沖に座礁 380人が下船した 八重山の政庁蔵元は富崎原に仮小屋を建てて彼らを収容した しかし米英の兵船が３回にわたり来島 砲撃を加え 武装兵らを上陸させてきびしく捜索を行った 中国人等は山中に逃亡したが銃撃 逮捕され あるいは自殺者が出るなどの惨憺たる状況となった 琉球政府と蔵元は人道的に対応 中国人側の被害を少なくするよう極力配慮し 島民も深く同情 密かに食糧などを運び給した しかし疫癘 (えきれい) による病死者も続出した 死者は一人びとり石積みの墓を建立(こんりゅう) して丁重に葬られた この間 関係国間の事件処理に対する交渉の結果 翌1853年９月 琉球の護送船二隻で生存者172人を福州に送還して終結した
中国ではこの事件が契機となって大規模な苦力貿易反対ののろしが打上げられた ここ富崎原一帯には唐人の墓と称する煉瓦状墓碑を配した墓が 戦後まで数多く点在していた 1970年石垣市は異国の地に果てたこれら不幸な人びとの霊魂を合祀慰霊する
ため 唐人墓建立委員会を結成 当市よりの補助 とくに中華民国政府の物心にわたる手篤いご支援 および琉球住民 在琉華僑
諸賢のご芳志をもって1971年これを完成した
茲(ここ) に唐人墓の来歴を記すに当り 関係各面のご協力に対し 謹んで深甚なる感謝の意を表する次第である
1992年３月31日 石垣市長 半 峯 當 泰
［観音崎の波音］