p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

「産業構造ビジョン2010」発表

2010-06-02 13:00:00 | 金融市場・経済全般
経済産業省の「産業構造ビジョン2010」が発表されました。
インフラや環境・エネルギーなど5分野にリソースを集中する「傾斜生産方式」で、2020年までに149兆円の市場と258万人の雇用を創出することを目標に掲げています。
以前のエントリでも述べたように、ワタシは特定分野に政府がリソースを投下するのは「あり」だと思っています。
ただし今回の“戦略”については、まだ具体化の程度が低いので、スピード感が求められる世界の産業構造の変化に付いていけないのではないかという点が危惧されます。
例えば“戦略”の中で水メジャーを作って新興国のインフラ需要を取っていこうというのがあるのですが、メーカーや商社を組み合わせて新たにイチから作るのか、地方自治体の水道管理機能を統合・民営化するのかなど、その根幹に関わるところが未だ議論されていません。

その中で、法人税減税に関する提言だけが、妙に具体的かつ詳細になされている点がイヤな感じです。
提言に関わったメンバーからして、ソレが主目的であることは想像に難くないところなワケですが、ちょっとあからさまに過ぎる観があります。
ワタシ自身は法人税減税の効果に懐疑的ですし、その財源として充てられるであろう消費税増税による国民消費の減退による日本経済の更なる縮小が心配です。
国のアタマが挿げ変わるコトになったことで、先送りになればいいなぁ、と思っているのですが…
こういうコトは、しっかり進んじゃうんでしょうねぇ。

次の総理としては、菅副総理が有力視されています。
彼が総理の座に就くことになれば、増税の議論も更に進むことになるでしょう。

過去において財政を再建させ、経済を復活させた増税が“金持ち増税”(クリントノミクス)であったことを、誰か菅副総理に教えてあげて欲しいなぁ、と思います。

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