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p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

大(ビック)が小(コジマ)を喰ったハナシ

2012-05-11 17:00:00 | 企業・産業
今朝一番驚いたニュースは、ビックカメラによるコジマ買収でした。
家電販売は、都市部を中心に店舗展開する都市型チェーンと、街道沿いを中心に店舗展開する郊外チェーンに住み分けて競争が行われてきました。
前者の代表がいわゆる三カメ(ヨドバシ、ビック、今は無きさくらや)でしたし、後者はヤマダにケーズ、コジマ、ジョーシン、ベスト、ノジマといったところが主だったところです。
この“枠”を超えた動きは、2000年代半ばから後半にかけて、ヤマダが「LABI」店で都市型店舗運営に進出したり、ビックがベストやエディオンと提携したり破談したり、といった動きがあって以来のことです。

前回の動きは業界内競争と言えるでしょうが、今回は外部要因に起因すると言えるでしょう。
ここに来て落ち着きを取り戻してはいますが、家電エコポイントと地デジ移行の特需があった反動で、家電販売は低迷が続きました
それだけではありません。
円高による輸出競争力低下で、家電メーカー各社は事業の撤退や縮小を進めています。
メーカー間競争の緩和は、販売店のバイイングパワー(ここではメーカーとの力関係で安価に仕入れる力を主に指します)の相対的低下をもたらします。
今回の買収は、規模の拡大によりそれを維持する側面があるものと思われます。

同様の動きは、今後も続く可能性があると思われます。
ヨドバシやエディオンがどこに手を出すか、というのが注目されるところでしょう。あるいは関東中心のケーズorノジマと関西中心のジョーシンor(または&)九州発のベストで第2エディオン、なんてのもアリかもしれません。

これに対し、業界一位として最大のバイイングパワーを持つヤマダは、昨年のエスバイエル買収に続いて、住設機器メーカーを買収。家電販売以外の事業ドメインへの多角化を進めています。
ディスカウントストアを買収してパッとしなかったり、自動車販売を打ち上げたものの続くハナシが無かったり、多角化が上手いとは言い難いヤマダさんですが、そちらへの志向は強いですね。

業界内で規模の経済を追求する企業と他業種への事業ドメイン拡大を追及する会社、単一業界の中で、同じタイミングで異なる動きが出てきました。
どちらが現時点での“正解”になるか、見ている方としては楽しみです。

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