p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

ぐるぐるリファレンス

2011-08-17 02:00:00 | 企業・産業
今日(というか日付としては昨日)、GoogleによるMotrola Mobility買収が大きな話題となりました。
額にして1兆円弱、63%のプレミアムを乗せた、破格の買収です。

この買収の目的については、Google自身が、特許競争力の強化にあることを述べています。

米Nortelの持っていた特許のオークションでは、Apple/Microsoft/Research In Motion陣営に競り負けてしまいました。
またAndroid陣営では最大手であるSamsungが、Appleからの訴訟を受けて、EUにおけるタブレット機の販売禁止処分を受けたことで、特許戦略において危機感が高まっていたものと思われます。
その意味において、GSM関連特許を多く持つMotorola Mobilityは、Googleにとって魅力的な対象であったことは確かでしょう。

ただ、目的が特許戦略にあったとしても、結果としてGoogleは、これまで顧客であった携帯電話機メーカー各社にとって、競合他社としての側面を持つことになります。
これがAndroid携帯/タブレットというカテゴリーにとって、どう効いてくるか、注目されるところでしょう。

かつてPDAが使われていた頃のPalmよろしく、OSを採用するハードベンダーに対して高い自由度を認めてくれれば、ソニー製「Clie」のようなユニークな機種も出てくる期待が持てるでしょうが…
細かいアップデートを繰り返して新機軸で顧客の取り込みを図る中で、それに追随できない機種が出ている状況下、Googleには、それを防ぐことでユーザーのAndroid離れを妨げたいというモチベーションがあるものと推測されます。
従って、リファレンス機を提供して、そこから大きく逸脱した機種を認めない、という戦略に出る可能性は否定できません。

貧乏なのであまり買えませんが、基本的にガジェットスキーなワタシとしては、そういう“手”には出ないで欲しいなぁと願うところではありますが…
ビジネス的には成功したとは言い難い状況とはいえ、Nexus One以降、自社ブランドの携帯電話を販売していることですし、少なくともリファレンス機の登場、というシナリオは十分ありえるであろうと思います。

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