p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

個人投資家の株式市場離れ

2010-08-23 12:45:00 | 金融市場・経済全般
米国で個人投資家の株式市場離れが進んでいるそうです。その資金は債券市場に流入しているとのこと。
低金利状態の長期化が見込まれる中で、それでも債券を選好するということは、それだけ投資家のリスク許容度が低くなっているということでしょう。
米国では年金基金が信用バブル期に株式投資を拡大したため、リーマン・ショック後の株価急落で老後資金を大きく毀損した投資家が多かったことが、強く影響しているものと思われます。
また、投資家教育が信用バブル期から一転して安全志向になっているのも、そうした状況を後押ししているのではないでしょうか。

日本でも昨年(2009年)後半以降、個人投資家の株式市場離れ傾向が明確化しました。それが個人投資家向け情報提供をしていたワタシの失業にも繋がったワケですが… orz
国内では米国と異なり、円高を背景として外貨投資志向が強まっているようです。為替変動が大きい中でこうした状況ですから、リスク許容度が下がっているとは、必ずしも言えないでしょう。
実体経済の停滞や円高による株価下落、さらに企業の既存株主を軽視した資金調達などによって期待収益率が下がっていることが、株式市場離れの大きな要因となっているものと思われます。
同時に、民主党のマニフェストで、金融所得の総合課税化という実質的な増税志向が見られることも、昨年の衆院選で民主党が政権を得たのを機に投資家の株式市場離れが加速した一因と言えるでしょう。

投資税制の簡素化や優遇制度の延長など、“打つ手”はあると思うのですが、現政権にそれを期待するのは無理でしょう。
日本の個人投資家が株式市場に戻るのは、相当先のことになりそうです。

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