インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

◎=「見ること」

2012-03-26 06:31:11 | カスタネダ『呪術の実践』 !
もうすぐ四月だが9.8度で、服も毛布も二月と同じもの。ただ朝日が早くなったのを感じる。

 さて、右サイドバーを見るに、やたらに記号が増え、何か複雑になってきた(混沌への道か)。

 とにかく古代メキシコの呪術師の世界は、色んな用語が出てきて分かりにくく、「読書百遍意自ずから通ず」である。「実践主義」ではあるが、まず最初に意味が分からなければ、実践もなにもあったものではない。

 目的は◎であるのだが、「○の輝き」ということにしているが、「見る者」に言わせれば、程度の差こそあれ、「○は常に輝いている」わけで、実際は◎=「見ること」としたほうが分かり易いのかも。

 しかし、「見ること」というのは、特殊な意味合いであり、『夢見の技法』によれば、

 「もののエネルギーの本質を知覚する」ということであるようだ。

 ふつう、○は▽なエネルギーをストレートに知覚できない。生きるために、○を▲の中にある「鋳型にはめる」わけである。

 たとえば、「この物体(本とか)は何円するのか?」「この人は何の仕事をしているのか? どの階層にいるのか?」「今日は何をするのか? 一ヶ月後にはどうなっているのか?」…すべて「型にはめている」のである。

 しかしそれは○の視野を大幅に狭めるもので、○を▲から分離しなければならない、というのだ。すると、プライドやら固執しているものに利用されたエネルギーが○を◎に押し上げてくれるという。

 ただ○を▲から分離するためには、「真剣で膨大な努力が必要である」というわけである(∞とか、卍とか…)。

 それはそうだ。普通の人間の○は、「損か、得か」「食えるか、食えないか」を天秤にかけて判断するわけであるが、それは「捕食者の方法」であるという。

 肉体的存在であるがゆえに、▼に影響されるのである。苦しければ苦しいほど、○は▲の擁壁で何も見えなくなってくるということか。

 ナワールの「見る」方法=◎によれば、世界はそんな修羅場ではなく、「全く新しい精妙な言葉で世界を語れる」という。

 そうはいっても、あまりにも抽象的で、◎はわかりにくい。

 実際、「何をしてもモノにぶつかるから、そういう認識は難しい」とカスタネダが漏らすと、ドン・ファンは以下のように語った。そこに記号を付け加えてみると、

 「世界は▽エネルギーであり、そして△物質であるということだ。この前提から始めなければ、エネルギーを直接に知覚すること◎は出来ない。お前が物質の固さを指摘したとおり▲、わしらは必ず物質の存在によって行く手を阻まれる▼」

 ここで、集合点の移動☆の話になり、★→ ■の世界のためのエントランス(入口)として§が語られるわけであるが…

 果たして人間は苦しみから逃れることはできるのか(歯が痛いのはどうする!)

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (godel)
2012-04-23 12:50:05
はじめまして。

↓のドン・ファンの発言はどの著作の何ページに書かれているものか教えていただけるとありがたいです。

「世界は▽エネルギーであり、そして△物質であるということだ。この前提から始めなければ、エネルギーを直接に知覚すること◎は出来ない。お前が物質の固さを指摘したとおり▲、わしらは必ず物質の存在によって行く手を阻まれる▼」
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本は手元にありませんが。 (インディオ)
2012-04-23 22:39:02
 gobelさん、はじめまして。

 インディオと申します。よろしくお願いします。

カスタネダの書物は、どれも似たようなもので、『意識への回帰』だったかな、とおもいきや、研究?したものを調べてみますと、『夢見の技法』の初っ端でした。

 第一章・古代の呪術師導入、のはじめの方です。

 カスタネダに興味がお有りのようですので、今後ともよろしくお願いします。
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Unknown (godel)
2012-04-24 19:06:57
こちらこそ宜しくお願いします。

カスタネダの著作は4年ほど前に全巻買って読めるところだけ読んだ後、
しばらく読むことはなかったのですが、
最近になって全巻読み返しました。

該当のドン・ファンの発言が気になり「あれ、そんな箇所あったかな」と思ったので質問させていただきました。
ありがとうございます。
帰って読み返してみます。
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Unknown (インディオ)
2012-04-24 22:40:28
godel、再び有難うございます。
自分が全巻揃えたのは、昨年の夏です。
読む順番はデタラメで、まだ読んでいない所もあります。

何ら予備知識がなくても、全てがお見通しであるという、「沈黙の知」に大いに関心があります。

あと、色々と、
自己流に解釈している部分も多いです。

godelさんは、どんな夢を見るのでしょうか?

ご意見・批評があれば、自由にお願いします(大いに参考になりますので)。
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Unknown (godel)
2012-04-26 09:52:12
ぼくは今、4年前と違って(4年前には純粋にサイケデリックな世界への関心で読んでいました)科学基礎論/数学基礎論の興味の延長でカスタネダを読んでいます。
たとえばアインシュタインの相対性理論はエルンスト・マッハの感覚の分析などから大いに影響を受けたと言われていますが、今の科学理論の元になっている「感覚」なるものの分析には不完全で盲目な部分が多いのではないかと。
そのあたりの、知を論じる際の前提となっている感覚の新しい把握の仕方をドン・ファンの呪術から読み取って、新しい知の体系/新しい科学/テクノロジーなるものにつなげていきたいな、と。
その延長で新しいエネルギー開発や他諸々の研究(人工知能、量子コンピュータ、宇宙船等)が進められるのではないかと考えています。

夢に関しては今のところあまり重要視していないのが現状です。

こちらもご意見・ご批判、ぜひとも賜りたいと思います。
よろしくお願いします(^^)
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科学とは… (インディオ)
2012-04-26 23:29:14
godelさん、こんばんわ。

 相当勉強なされていますね(ついて行かれません)

 さて、読んでいるうちに、『無限の本質』での「認知の測定」、ロルカ教授の部分を思い出しました。

 「感覚の新しい把握の仕方」ですが、同じ人間でも、古代メキシコのシャーマンは、全然違う世界の認識方法をしていたようです。

 宇宙から流れるエネルギーを直接知覚する(見ること)わけで、それは実践を通じてしか理解できないわけです。

 超便利な機械を作っても、その対価は「カネ」でしか報われず、古代の呪術師たちは「無限」だけを相手にしていたとか。

 godelさんの文章を読みますに、むしろ思い起こされるのは、『ベロボディアの輪』の「しかし人間も同じ二重性を持っていることは知らなかっただろう。我々は分離した粒子であると同時に、波動なのだ。どちらであるかは内部の観察者の位置によって決まる…」ベロボディアの輪③ ~意識の変容~ の部分ですか(直感で)

 科学との接点は、ブログを通じて勉強しますので、

 ご教授よろしくお願いいたします(志を応援いたします)
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Unknown (godel)
2012-04-27 12:17:40
>「感覚の新しい把握の仕方」ですが、同じ人間でも、古代メキシコのシャーマンは、全然違う世界の認識方法をしていたようです。

そう思います。
今の人間の科学は、ある一定の(いわゆる「(近代的自我を持った)人間」の)認識の枠組みの中で理論を展開していきます。

>宇宙から流れるエネルギーを直接知覚する(見ること)わけで、それは実践を通じてしか理解できないわけです。

そう思います。
人間の科学を行使すると「理論」と「実践」の連結点が見いだせなくなるのが大きな欠陥です。
物質、および、物質を基にした科学的世界観は詰まるところ信念の問題になってしまい、行く手を阻まれるとも言えます。
その閉塞感の象徴が、今回の311を契機にして起こった原発事故とも言えると思います。

>超便利な機械を作っても、その対価は「カネ」でしか報われず、古代の呪術師たちは「無限」だけを相手にしていたとか。

ここに関しても同感します。
でも私は、科学技術も無限を相手にできると考えています。
その科学技術は呪術と同義です。
私はこの科学技術でもって「お金」のない世界をつくりあげたいです。

>godelさんの文章を読みますに、むしろ思い起こされるのは、『ベロボディアの輪』の「しかし人間も同じ二重性を持っていることは知らなかっただろう。 我々は分離した粒子であると同時に、波動なのだ。どちらであるかは内部の観察者の位置によって決まる…」ベロボディアの輪③ ~意識の変容~ の部分ですか(直感で)

↑の記述はまさに量子物理学の話ですね。
ぼくが思うにカスタネダの著作に書かれている呪術の話は、量子物理学の次に人間に理解される内容のように思います。

このように書くと科学至上主義のように聞こえるかもしれませんが、
私は科学も意識の状態で変わっていくものだと考えているので(人間の科学は人間の意識の状態故に停止しているようですが)、
新しい科学技術は、それぞれの存在がカスタネダの著作に書かれているような知を受け入れるのをサポートするようになると思います。
せっかく深遠で有意義な内容であるのに、「呪術師」や「シャーマニズム」などというバイアスで語られては、公的で開かれたものにはなりずらいので^^;
まぁ言葉のジャーゴンに関しては科学的知識も同じですが^^;

ただ、
本当の「知性」を知りたい
その本当の「知性」をもとに物理的世界を表現したい
この2つの動機が強いです。

あ、それはそうと、
Linkのところに北山耕平さんのサイトがありますが、
北山さんとはお知り合いですか?
元気になられたのでしょうか。倒れられたと聞いて奥さんのブログ等でちょこっとだけ様子をうかがっていますが、また元気な姿を見せてほしいです(^^)
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有難うございます (インディオ)
2012-04-27 14:19:28
 godelさん、こんにちわ。

 詳細なご指摘ありがとうございます(我がブログが空回りしていることがよくわかりました)

 さて、何から言えばいいのかわかりませんが、北山耕平さんとは知り合いではありません(著作物は持っていますが)。

 タイトな文章で閲覧者はついて行かれないと思われますが(自分を含め?)、とにかくインディアン世界に共感を持っておられるようですね。

 311はまさに、人間の理性の限界を象徴したような出来事で、「新しい科学」が必要とされているのかもしれません。

 事実を積み上げて理論を構築していく科学的思考は、何か「過去から未来へ流れていく時系列な思考方法」に似ています。

 インディオが思いますに、「見ること」という古代メキシコの世界観は、「現在しか存在しない」状態であり、宇宙から流れるエネルギーを見るというのは、未来から過去へ時間を流すような感じではないかと思います。

 予知能力というのも、未来を見る能力で、「望ましい未来を瞬時に選ぶ」ことができるのが、古代メキシコのシャーマンということになるのでしょうか。

 大自然に描かれた記号を読み解く、例えば「ワシが旋回した」=無限から送られた何らかの意味であると解釈しているような感じがします。カスタネダやドン・ファンが弟子として選ばれた時とか。

 >本当の「知性」を知りたい
 その本当の「知性」をもとに物理的世界を表現したい

 今目の前に広がる物理的世界は、玉ねぎの皮の一つに過ぎないとか、人間の体自体が、何か目に騙された一つの塊だったり(本当の姿は、目を閉じて、ただ、エネルギーを感じるべきか)

 本当の知性は「沈黙の知」であり、積み上げていく
のは、本を読んだりが理論を構築したりするのではなく、ただの「内的沈黙」だったり(と『呪術の実践』では書かれてあります)
 
 的外れでどうも(´Д`;)ヾ ドウモスミマセン
 

 
返信する
Unknown (godel)
2012-04-27 18:25:43
>事実を積み上げて理論を構築していく科学的思考は、何か「過去から未来へ流れていく時系列な思考方法」に似ています。

そうですね。ビッグバン理論などはまさにその典型です。

>インディオが思いますに、「見ること」という古代メキシコの世界観は、「現在しか存在しない」状態であり、宇宙から流れるエネルギーを見るというのは、未来から過去へ時間を流すような感じではないかと思います。
>予知能力というのも、未来を見る能力で、「望ましい未来を瞬時に選ぶ」ことができるのが、古代メキシコのシャーマンということになるのでしょうか。
>大自然に描かれた記号を読み解く、例えば「ワシが旋回した」=無限から送られた何らかの意味であると解釈しているような感じがします。カスタネダやドン・ファンが弟子として選ばれた時とか。

苫米地英人さんの言説に似ていますね。
ちょっと文章表現として同意しかねる部分もありますが、
フィーリングとしては理解できます。

>今目の前に広がる物理的世界は、玉ねぎの皮の一つに過ぎないとか、人間の体自体が、何か目に騙された一つの塊だったり(本当の姿は、目を閉じて、ただ、エネルギーを感じるべきか)
>本当の知性は「沈黙の知」であり、積み上げていくのは、本を読んだりが理論を構築したりするのではなく、ただの「内的沈黙」だったり(と『呪術の実践』では書かれてあります)

ええ、そう思います。
ただ、他者と共有できる簡明な知識としても表現されるべきだというのが信条です。

ぼくのなかでは、科学的知識を呪術の世界観を元にして再編集していくことが肝です。
科学に欠陥があることは間違いないですが、科学的知識(物質的知)は軽視できません。
少なくとも「人間」を何か別の存在に変えていく上では。
ぼくはどうしても社会にどう奉仕できるかということを考えてしまいます。
その上で「科学技術として実装できること」にウエイトを置いています。
これは単純にぼくの趣向ですが。
言うことがふわふわしていくだけの知人をけっこう見てきたので…
すみません、頭がかたいですかね^^;
まぁ、こんなヤツがいるんだくらいに思ってやってください!
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