ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

人気作家の東野圭吾さんの新刊「虚ろな十字架」をやっと読み終えました

2014年07月25日 | 
 人気ミステリー作家の東野圭吾さんの新刊「虚ろな十字架」をやっと読み終えました。

 新刊「虚ろな十字架」は、2014年5月23日に光文社が発行した単行本です。

 

 実は、人気作家の東野圭吾さんが昨年出した単行本「マスカレードホテル」の文庫本が7月半ばに集英社が発行すると同時に、その派生本として「マスカレード・イブ」という新刊を文庫本として、集英社は8月に発行すると宣伝しています。確実に本が売れる人気作家は多忙です。



 東野圭吾さんの新作の文庫本が8月に出ると知って、単行本「虚ろな十字架」を急いで読みました。約3カ月も寝かした理由はよく分かりません。

 以下は、ミステリーのネタばらしを含んでいます。今回の単行本「虚ろな十字架」はミステリーとしては、結末はあまり面白くありません。

 一連の事件の発端を起こした若いカップルが富士山の麓の山梨県富士河口湖町と鳴沢村にまたがる青木ヶ原樹海で昔、事件を起こします。これが契機となって、その男性は別の女性と知り合って、結婚します。この結婚が不自然です。かなり無理な設定です。

 この単行本の中で、犯罪をおかして裁かれた受刑者は模範囚となって、刑期より早めに社会復帰しても、前科者のレッテルのために、社会復帰できず、金に困ってまた犯罪を繰り返す確率の実データは説得力があります。

 実際に、殺人を犯しても、被害者が一人の場合は、死刑ではなく無期懲役となり、その無期懲役囚は模範囚となると、社会復帰することが多いと伝えます。20歳代で殺人の罪を犯し、裁判で無期懲役刑が宣告されても、約30年もすると模範囚で社会復帰するケースが多いようです。刑務所内で、手に職を持たせないと、50歳代で社会復帰させても、その後のケアが必要との主張部分は説得力があります。

 本書の冒頭では、可愛い娘を殺された被害夫婦の話がかなり厳しいものです。警察からは、自分の子供を殺した可能性も否定できないと、妻と夫を別々に尋問し、殺人現場となった自宅にも証拠保全のために入れてもらえません。被害者でありながら、捜査過程で受ける“2次被害”はつらいものがあります。

 裁判論、刑務所論、罪をあがなった者への疑問点は説得力があります。しかし、問題提起としては鋭いものがあるものの、ミステリーとしての仕掛けの面白さや読後感はいまいちです。

 「虚ろな十字架」は書き下ろしです。今回は、多忙な東野圭吾さんが書くことを楽しんでいなと感じました。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
東野圭吾 (グラスホッパー)
2014-07-25 06:19:15
書店に行くと、東野さんの本が並んでいます。読みやすい文章の名人で、どんどんページが進みます。
東野さんは名声を確立した今、何を書きたいのか、分からないです。
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東野圭吾さん (T-REX)
2014-07-25 07:34:37
東野圭吾さんのミステリー小説が好きです。
売れっ子になって、いろいろな出版社から原稿執筆を頼まれているので、順番に書いている気がします。
今回の「虚ろな十字架」はあまり好きではありません。
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東野圭吾さん (獅子唐辛子)
2014-07-25 09:42:47
私もミステリー作家の東野圭吾さんのファンです。

今回の「虚ろな十字架」は犯罪者、特に殺人者を出さない社会を実現するためには、死刑強化論と死刑廃止論がそれぞれ言い分を持っていることを伝える部分に説得力がありました
でも、肝心のミステリー展開はいまいちです。
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