Maladet de Sahara

~ 人とのつながり、出会いの広がり ~

モルドバから 新たな旅立ち・・・

一番の観光地と言えば… ~キシナウで最もよく来る場所~

2008-04-22 21:06:02 | モルドバ・生活

3月20日(木)、この日も快晴。 ただ、前日たくさん動き回ったので、この日は朝からのんびり。 遅めの朝ごはんを済ませて、うちを出る。 近くのバス停からトロリーバスに乗る。 最初に行ったのは、テオドル・ティロン修道院。



以前このブログで写真を紹介したことはあったが、そのときは名前がわからず。 初めてキシナウに来たとき、この青空のような色の修道院が一番目を惹いた。 この日もうっすらと雲がかかった空に負けないぐらいの色鮮やかさでそこに立っていた。

  


外観とは異なり、中では静かに時が流れる。 えみちゃんの話では、スペインの教会の中とはかなり様相が異なるらしい。 私は仏教徒でもなければ、キリスト教徒でもないが、教会の静かな雰囲気がとても好きだ。 外とは空気の流れが違う感じがする。 ヨーロッパを旅行しているときは、教会を見つけると、何となく入りたくなる。

この後、博物館へ… 実は1年半ここに住んでいるのだが、博物館へは一度も行ったことがない… 学生にお薦めの博物館を聞いて、地図上で場所も確認しておいたのだが、どうやら学生も少し勘違いしていたらしく、途中で何人かの人に聞きながら、歩く… 歩く… そして、歩く。 なんと財団のある大学を越えて、さらに歩く! それだったら、バスで行ったのに…とは思ったが、気持ちのいい晴天の下歩くのも悪くなかった。 そして、やっとのことでたどり着いた自然民族博物館。

チケットを切ってくれるおばあちゃんに声をかけられ、ルーマニア語で応対し、すごく喜ばれる。

「どこから来たの?」
「日本です。」
「ああ、日本!」
「はい、ここで日本語教師をしています。」
「ああ、そうなの! どのくらいここにいるの?」
「1年半ぐらいです。」
「へえ、そうなの。 このかわいい女の子は? ここで見つけたの?」
「彼女はスペインで学生をやっています。」

と、こんな感じで楽しい会話のやりとり。 最後の質問にはかなり笑ってしまったが… ちなみに、日本人の女の子の友達が来ると聞いて、財団の人たちもみんな”彼女”だと思っていた。(笑) というのも、ルーマニア語で"prieten"というのが「友達」という意味の単語なのだが、女性の場合は"prietena"というように語尾に"a"をつける。 これはまさに「彼女」という意味。 英語なら、"girlfriend"と言わず、"friend"と言えば済むのだが… 学生に聞いてみたら、やはり「女の子の友達」と「彼女」を区別できる単語はないとのこと… "prietena doar prietena"(女の子の”ただの”友達)と言えば大丈夫だと聞き、それからはこれを使っていた。 日本語を教えていても、3人称の女性「彼女」とガールフレンドを意味する言葉「彼女」が同じでおもしろいと言われるのだが、3人称の「彼女」は日本語ではあまり使わないので、そこまで混乱を招くことはない。 他のラテン系の言語でも同じ現象が起きているのか、少し気になるところだ。

学生が薦めてくれただけあって、なかなかの博物館だった。 モルドバに現在生息する動植物の紹介から古代の動植物の紹介まで、生息する場所、時代で分けられ展示してあった。 順路がちょっとわかりにくく、本当にここから地下に下りて行っても大丈夫なのか?と思うところもあったが… 平日ということもあって、中は閑散としており、自分たちが行くところを博物館の人が先回りし、電気をつけ、そこを見終わると、電気を消していく。 化石や昔の動物の展示が終わると、次は民族博物館のほうに進む。 ワイン造りに使っていた昔の道具や民族衣装などいろいろなものが展示されており、これもまたおもしろかった。 マルチショール(3月に胸元につける春を祝う飾り:この後に学生たちと撮った写真の私の胸元についているのもマルチショール)の期間展示もあり見たかったのだが、授業の時間も迫っていたので、えみちゃんをおいて一人財団に戻る。

授業後はえみちゃん、学生たちとともにキシナウで最もよく行く場所である「イエローカフェ」へ。 今年度は木曜の授業後はほぼ毎週ここへ来ているような… 今までの最高記録は1週間に4回!(笑) モルドバへ来た当初はここで注文するのに相当苦労していたが、今となっては何の苦労もない。 ときどき、お店の人にも驚かれているぐらい。

火曜日に突然教室にいたときは、みんなどことなくおどおどしている感じだったが、さすがに今回はみんないつもどおりの感じだった。 「イエローカフェ」はこの学生たちにとっては「日本語サロン」のような役割を果たしている。 習った単語や表現を使って、できるだけ日本語で話し、教科書には出てこないような表現で言いたいことがあれば聞く。 1週間に90分の授業が2回、さらに年間の授業時間も100時間程度、財団以外で日本語を使う機会はほぼゼロというこの場所では、ここの果たす役割は大きい。 実際、ここにいつも一緒に来る学生たちは本当に話すのが上手になったと思う。 ただ、日本語教師であるがゆえに、語彙コントロール、文型のコントロール、スピードのコントロールを無意識でしてしまっているので、日本語教師ではない日本人と話すことは彼らにとって本当にいい練習になると思う。 えみちゃんにも自分たちの知っている日本語を使っていろいろと質問をしていた。



日本人女性を横にうれしそうなローマさん。



最後にみんなで写真を撮ってもらう。 えみちゃんの前にある残りのビールを引き取らされたのだが、1ヶ月たった今でもうちの台所に放置されている。

モルドバ観光 春 ~写真とともに振り返るキシナウ~

2008-04-15 21:17:44 | モルドバ・生活

3月18日(火)、大学のときの友達、えみちゃんがスペインから遊びに来てくれた。 到着時間の少しあとに授業があったため、このブログに前回も登場した日本大好きのローマさんに空港まで迎えに行ってもらった。 飛行機もすべて予定通りで、実際は授業が始まる前にえみちゃんも財団に来ていた。 せっかくだからと、授業の始めに質問タイムを設けるのも、見知らぬ日本人の突然の来訪に学生たちも緊張気味、いつも元気な子供たちもこの日は静かだった。 次のクラスのときは、学生たちが来る前から、えみちゃんは教室にいたので、学生が一人一人来るたびにすごい驚いていて、それを見ているのがとてもおもしろかった。 本当はいつももっとたくさん話せる学生も、突然めぐってきたこの機会に「頭が真っ白になって、日本語が出てきませんでした!」と後で英語で言っていた。 この日はLa Placinte(以前もこのブログに登場しているが…)というプラチンタのレストランに二人で行って、ワインを飲みながら、プラチンタを楽しんだ。 初モルドバ料理、モルドバワインを楽しんでくれていたようでよかった。

3月19日(水)、快晴! 前日は結構雨が降っていたので、天気のことを心配していたが、その心配をどこかに吹き飛ばしてしまうほどの春晴れの一日だった。 この日は毎週ある午前中の授業もたまたまなくて、午前中はえみちゃんと一緒にキシナウ観光を楽しんだ。 まず、連れて行ったのはピアッツァ・チェントラーラ(中央市場)。



学生にこれを言ったら、「えぇ、何で?!」とみんなから言われた… が、日本人にとってはやはりここはおもしろい場所だと思う。 平日の午前というのに、活気に満ちたキシナウの街の中心に位置する市場。 スーパーで買物することが日常になっている日本人とは異なり、市場で買物をする人がモルドバにはまだまだ多い。 私はというと、ほぼスーパーで買っているのだが… ともかく、ここに来れば、野菜、果物、肉、魚、日用品、スポーツ用品… 本当に何でも手に入る。



ズームを使ったりして、真剣にトイレットペーパーに向き合い、写真を撮る変な外人(しかも、観光客ではなく、在住1年以上…)にお店の人は大爆笑だった。 「桜」、「道」、「賀正」、「大祝?」と何だか統一感のない漢字が並ぶトイレットペーパー。 表示を見る限りルーマニア語で書かれているので、おそらくモルドバ製だと思われる。

んんん?!?!



よく見ると、「おめでとうます」。(笑) 『もう少しがんばりましょう』

りんごがおいしそうで、笑顔で試食させてくれたので、りんごをいくつか購入。 それから、ちょうど靴のひもが切れかけていたので、お店でというより、立って売っているおじさんから靴のひもも購入して、市場を後にする。 平日の午前中にここに来ることはないのだが、こんなに人が多いとは正直驚いた。

市場から歩いて街の一番大きな通りであるシュテファン・チェル・マーレ通りに出る。 普段は大して目に止めていなかったのだが、この日は自分も観光客のごとく写真をたくさん撮った。 前回の記事にも書いたが、ここモルドバでも日本のマーシャルアーツ人気は高い。



一番の大通りにも「KARATE」という大きな看板が普通に立っている。

んんん?!?!



よく見ると、「館極真会」。(笑) 『空手だけではなく、漢字の勉強もがんばりましょう』

ピアッツァ・チェントラーラからシュテファン・チェル・マーレ通りに出て、通りに沿って北上していく…



ここは、ミハイ・エミネスク劇場。 舞台や演劇などはたいていここで行われる。

そして、もう少し歩いていくとバス停があり、その近くでは絵画や小物が露天で売られている。 さらに足を進めると、左手にオルガ・ホールが見えてくる。



このホールの中には大きなパイプ・オルガンがあり、そこまで大規模ではないクラシックのコンサートはたいていここで行われる。 何度も弦楽のコンサートを見に行ったことはあるのだが、未だにパイプ・オルガンの音色は聞いたことがないのが残念…

そして、また少し進むと、市庁舎の建物が見えてくる。 この建物はこのブログにもたびたび登場している。 この日は最高の青空に白い雲、風でモルドバ国旗もなびき、本当に美しかった。



シュテファン・チェル・マーレ通りを挟んで、市庁舎の向かい側にある郵便局の建物。 年代を感じさせる郵便局の建物とその向こうに見える近代的なSKY TOWERと書かれたビルのコントラスト。 本当にすばらしい天気の日だった。



そして、さらにシュテファン・チェル・マーレに沿って足を進めていくと、国の庁舎がそこには立ちはだかる。 この建物もすでにこのブログに何度も登場している。



シュテファン・チェル・マーレ通りを挟んで、国の庁舎の真向かいにあるのが大教堂。 キシナウのシンボルと言ってもいい、街の中心に位置するこの建物。



そして、もう少し道沿いに歩いていくと、モルドバの英雄、先ほどから何度も何度も名前が出てきているシュテファン・チェル・マーレ(シュテファン大公)の銅像がキシナウの街、キシナウの人々を見守っている。



銅像の後ろに見えるのはシュテファン・チェル・マーレ公園。 街の中心部だというのに、背の高い木々たちがキシナウの人々に安らぎの場所を提供する。 ここもこれからどんどん色づいていき、噴水や木陰が人々を癒す。



この日はまだ春に備えて力をためている木々の姿しか見られなかったが、鳥の歌声、人々の笑い声が響きわたっていた。



前日の雨が作り出した自然のキャンバス。 雨が降るからこそ、晴れたときうれしい。 ここに来てからというもの、日本にいるときの何倍も自然とともに生活していると感じる。 こんなに自然を感じられる首都はなかなか他にはないのではないかと思う。

この後は普通に授業。 一緒に歩いたときは遠目でいろいろな建物を見ていただけなので、他の建物の場所も説明して、えみちゃんには一人で観光してもらう。

そして、夜… この日はLa Taifasという「モルドバ料理と言えば、ここ!」というレストランへ。 普段はこんなレストランにはとても入れないのだが、今日はパトロンがいるので問題ない。



外から見ると、「ええ、ここ、入っていって大丈夫なの?」と思うような場所であるが、地下に降りていき、扉を開くと素敵なレストランがそこにはある。 頼んだのは、ママリガとサルマーレ! 前日にプラチンタを食べたので、あとこの2つを食べれば、三大モルドバ料理制覇と言えるでしょう。 バイオリンの美しい音色を聞きながらの楽しい食事。



手前に見える黄色い物体がママリガというとうもろこしの粉をお湯で練って作った料理で、その向こう側に見えるのがブルンザと呼ばれている白チーズ、その上にかかっているのがスムントゥーナと呼ばれているサワークリーム。 お肉とスクランブルエッグとともにいただく。 サルマーレも頼んだので、二人ともお腹いっぱいになり、大満足。



ウェイターさんに写真を撮ってもらい、店を出る。 実はレストランでは経費削減のために(笑)ワインは飲まなかったので、帰りに24時間営業のシュテファン・チェル・マーレ通りにあるNr.1というスーパーで赤ワインを購入して、帰路に着く。 そして、うちに帰って、ワイングラスというようなしゃれたものはないので、普通のコップを出して、いざワインを開けようと思ったら… 「ない! ワイン・オープナーが…」 「これはワインを開けるのに使います」という練習で使うために財団に持っていき、そのまま財団に置き去りだったことに気づく… えみちゃん、本当にごめんね。(笑) ともかく、とても楽しい一日を過ごせてよかった。

モルドバで行われた剣道大会 ~日本語の掛け声が響き渡る~

2008-04-08 21:32:32 | モルドバ・生活

3月2日(日)、ボタニカ(キシナウにある地区の一つ)にある体育館で剣道の大会が開かれた。 去年からずっと教えていて、公私ともに仲良くしているローマさんの招待で、前日夜に行われたレセプションにも同僚の先生とともに出席した。 出席というほど、硬いものではなかったが、あのレセプションに来ていた人々が一夜明けてみると、皆剣士に変わっているというのは、何だかとても不思議なものである。 待ち合わせの時間にローマさんは遅れてきたが、ローマさんの彼女と一生懸命ルーマニア語で話しながら、会場に向かった。

聞いていた時間よりも始まるのは遅かったが、そこはモルドバ・タイム。 昨日見た顔がそこには並んでいたが、剣道着に着替えると、その顔はまた別人に見えたりもした。 自分が剣道に直接触れたのは、一生のうちで中学の体育の時間のみ。 日本から遠く離れ、日本ではまだまだ知らない人も多いここモルドバに、こんなにも多くの剣士がいることをどれだけの日本人が想像できるだろうか。 みんな日本語が話せるわけではないが、やはり日本への興味というのは大きいようで、昨日のレセプションでもそれを一番感じた。

みんな着替えを終え、練習が始まった。



昨日のレセプションでブレイクダンスを踊っていた女の子が剣道着を着て、素振りをしているのは見るのはとてもおもしろかった。 ただ、みんなとても引き締まった顔で練習をしていて、なんだかすがすがしかった。



そして、整列。 モルドバ、といっても、キシナウだけでなくバルツィなど他の町から来た参加者、国旗を見てもわかるようにウクライナの剣道のグループも参加していた。 このように遠目で見ると、ここに写っているすべての人がモルドバ人やウクライナ人であり、この写真を撮られた場所がキシナウにあるとある体育館だと誰が思えるだろうか。 実は、この大会の後で、デジタルカメラの写真を学生に見せているとき、これがモルドバで撮った写真だと言ったら、モルドバ人の学生たちさえも驚いていた。



試合開始。 後ろに見えるように一般の方も結構見に来ていた。



正直な話、剣道の試合をこうやって生で見るのは生まれて初めて。 モルドバにやってきた日本人がモルドバで生まれて初めて剣道の試合を見るというのは本当におかしな話である。 もともとスポーツ観戦が好きだし、剣道のルールもだいたいわかるので、見ていてとてもおもしろかった。



「メ~ンッ!!!」、一斉に白旗が挙がり、「メンアリ、イッポン、ソレマデ!」という声が響く。 ちょっとロシア語訛りではあるが、こういう掛け声はすべて日本語。 アメリカでグルジア人のルームメイトに初めて会ったとき、「ハジメ!」、「ヤメ!」、「イチ、ニ、サン、シ!」と数えていたのを思い出す。 彼はグルジアで空手を習っていた。 日本のマーシャルアーツは世界的にも本当に人気があることが見て取れる。



この白い剣道着の剣士も財団の学生であるアンドレイさん。 まだ剣道は始めたばかりなので、あまり得意ではないと、昨日のレセプションのときに言っていた。 合気道はもう3年ほどやっているそうだ。



そして、切れのある動きで相手を打ち破ったローマさん。 何を言っていたのかははっきりわからなかったが、試合中に気合とともに発している声も全部日本語で、ちょっとおもしろかった。 それはともかく、やはり経験年数が長い人同士の試合は本当におもしろかった。 動きの切れが違う。 面や胴、小手がきれいに決まったときは「おぉっ、お見事!」という感じだった。 そして、この剣道大会を通じて思ったことは、写真を撮るのが本当に難しい。 常に左へ右へと動き回り、いつ繰り出されるかわからない一撃を予想し、その一瞬前にシャッターを切らなければならない… 特に連続でシャッターが切れないこういう普通のカメラではなかなか「これだ!」と思えるような一枚が撮れない。 このローマさんの振りかぶっている写真が会心の一枚。



一緒に来ていた学生が用事があったというのもあって、最後までは見ていかなかったが、とてもおもしろかった。 そして、モルドバでこのような大会が開かれているということを日本の方にもこのブログを通して伝えられたらと思う。

EURO VISION Moldova 2008 ~一番印象に残ったのは…~

2008-04-01 01:01:57 | モルドバ・生活

2月9日(土)

いろいろなコンサートが開かれるParatul Nationalに入ったのは今回が2回目、昨年度モルドバの伝統音楽のコンサートに行って以来だ。 今年度はJAPAN FANTASY CONCERTで雅葉さんの二十弦琴のすばらしい音色に魅了されたり、パンクロックのコンサートに生まれて初めて行ったり、ローマさんの彼女も演奏していたクラシックのコンサートに行ったりと、コンサートには恵まれている。 今回はEURO VISIONに出場するモルドバ代表を決める選考会。 テレビはそんなに見ないのだが、MTVをつけていると、そういえばEURO VISIONのことが最近話題になっていたような… 学生の一人がそのコンサートの招待状を持っているということで招待してくれた。 午後9時から始まり、その学生も何時に終わるかはっきりわからないという話。 昨年度はホームステイをしていて、夜9時以降に外にいるなんて年に何回かしかなかったが…

約束していた時間より少し遅くに会場に到着。 学生の姿が見つからずきょろきょろしていると、一人の男の人が「誰をさがしているんですか。」とルーマニア語で話しかけてきてびっくりした。  「学生を…」と答えると、「じゃ、こっちです。」と言って会場の学生のいるところまで案内してくれた。 その学生のお父さんだったということを知ったのは、その数分後。(笑)

ルーマニア語のアナウンスとともに華やかなオープニング…



最初に登場したのはNatalia Balbu、と今は言えるのだが、そのときは知らなかった。



 「おお、この人、歌うまいなあ」「最初からレベル高いなあ」と思って学生に聞いてみたら、この人は去年のモルドバ代表。 道理で… 名前はなんとなく聞いたことがあったのだが、どんな人で、どんな歌を歌っているかなどは何も知らなかった。 もしかして、N. Balbuのファンがいたらすみません…

そして、選考会が始まった。 ルーマニア語の説明がよくわからなかったので、学生に聞いてみると、このコンサートの様子はテレビでも生中継され、会場の観客も、またテレビを見ている人も携帯電話でそれぞれのアーティストに投票できるという仕組み。携帯電話を持っていない自分にはさほど重要な情報ではなかったが、世の中便利になったものだとしみじみ思う。



「1番、[アーティスト名]、[曲名]」という感じでアナウンスがあり、パフォーマンスが始まる。 歌というよりはパフォーマンスという感じ。 この国ではダンス・ポップがどうも主流のようなので、まあそうなるのかもしれないが… パフォーマンスが終わるごとに、学生は会場の別のところで見ているお姉ちゃんと携帯のショート・メッセージで感想をやりとりしている。



数少ない男性アーティスト。 きれいな女性ダンサーとともにステージを舞いながら歌っていた。



「おお、ロック!」 って、何か格好が古い…(笑) いやいや、笑っちゃいけない。



「おお、きれいなお姉さん!」 コメントがすでに音楽から離れている… 代わる代わる次々に出てくるアーティストたち… 正直なところ曲の印象はあまり残っていない。 普段全然聞かないダンス・ポップだからではあるだろうが… 実はこの学生も普段ポップをほとんど聞かないらしい。

選考会に出場するアーティストのパフォーマンスがすべて終わり、集計に入る。 集計の間、おととしのEURO VISIONのモルドバ代表のNatalia Gordienkoがパフォーマンスを行う。



やはり歌もうまいし、落ち着きもある。 さすがという感じ。

次に出てきたアーティストに対しての
「この人もうまいね~!」という私の一言に、「この人、一番最初に歌ってた人だよ。」という学生のつっこみ。(笑) このコンサートを通じて、少なくともN. Balbuの歌がうまいことはよくわかった。



「あ、Gandul Mateiだ!」 一番最後に初めて知っているアーティストが出てきた。 初めて知ったモルドバ出身のロック・バンドがこのGandul Matei。 とは言っても、知っているのは"La Ciocana"という曲、一曲のみ! Ciocanaというのはキシナウの中の地区の一つで、たまたまこの曲を初めて聞いたときにいた学生の友達がCiocana出身だったのと"La Ciocana!!!"と相当何度も繰り返すので覚えた一曲。

さて、集計結果がまとまり、EURO VISION出場を決めたのは…



Geta Burlacu! 落ち着いた感じの曲調で歌も普通にうまかったが、あまり自分の好みではなかったような。 歌自体よりも、一番右に写っているダンサーのお姉さんが男の人を持ち上げるシーンがあり、そこが一番頭に残っている。 とにかく、モルドバの代表としてぜひ活躍してきてほしい。


さて、このコンサートで一番印象に残ったのは…



この髪型でした!!!(笑) 招待してくれた学生とも意見が一致。 「この曲いい!」というのは残念ながら特になかったが、コンサートの雰囲気も味わえてよかったし、何より学生といろいろ話せて楽しかった♪ これからもこの髪型を目指して日々精進していきます。