Maladet de Sahara

~ 人とのつながり、出会いの広がり ~

モルドバから 新たな旅立ち・・・

サウジアラビア食紀行 ~ 初めての・・・ ~

2009-08-25 05:59:48 | サウジ・生活
みなさん、こんばんは。 実は、夏休みを利用して、今はモルドバに里帰りしています。 リヤドにいたので、キシナウの緑の多さがよりありがたく思えます。 久しぶりにエアコン以外から涼しい風が吹いてきたことにも少し感動できます。 アバヤを着ていない女の人に少し違和感を覚えます。(ここに来て2日でこれには慣れましたが・・・)

この地からリヤドの記事を更新することがあろうとは夢にも思っていませんでしたが・・・ ちなみに、今サウジアラビアはラマダーンです。


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7月27日の夜、エジプト人の友達と一緒にご飯を食べに行った。 この友達と出会ったのはリヤドに来てすぐのころの病院・・・ 健康診断を受けに行った病院の待合室で突然「すみません・・・」と日本語で声をかけられ・・・ 「えーっ?!」 10年ほど前にエジプトで日本語を勉強していたらしく、一緒に来ていた指導助手と話しているのを聞いて、日本人だとわかったらしい。 サウジアラビアに来て11年目の英語の先生で、そのときにメールアドレスを交換してから、ときどきやりとりをしていて、この日に至った。 何を食べたいか聞かれたので、まだ食べたことのなかったサウジアラビアの代表的な料理「カブサ」を食べに行った。 どんなものかもよくわからなかったので、入口のところで全部注文してもらい、席につく・・・ のかと思ったら、まず「手を洗いに行きましょう。」と言って、一緒に手を洗う。 入口からそこまでのところに席があったのだが、何と外に出る。 「えっ、外で食べるの?!」と心の中で叫んでいたが、外にはテントが個室のように並んでいる。(写真を撮り忘れたのが不覚・・・) そこは噴水もある庭のようになっていて、その噴水の周りにテントが並んでいる。 テントの中はカーペットが一面に敷いてあり、靴を脱いで入る。 そこにあるのはエアコンとひじ置きのようなもののみで、机も何もない。 ヨーロッパの人から見ると、日本人が座布団に座り、ちゃぶ台でご飯を食べるのが不思議な光景に見えるように、カーペットが敷いてあるだけのこの部屋でご飯を食べるというのは、とても不思議な感じだった。 しばらくそこで雑談をしながら、くつろいでいると、ついに料理がやってきた!!!



カブサ: 左の大皿。 見ての通り、とにかく豪快! 炊いた細長いお米の上にどさっとのっているのはラム。 レーズンなどもいっしょに炊いてあった。

ジャレーシュ: 右のカレーライスのおかゆみたいに見える皿の白い部分。 タマネギや小麦を長時間煮て作るらしい。

クルサン: 茶色い部分。 こちらも小麦が主原料。

これが2セット来たということは・・・ 「えーっ、これが一人前?!」と思った。 と言っても、料理だけだと想像がつきにくいと思うので・・・



カブサの皿は何とこの大きさ・・・ 背景になっているのが先ほど説明したテントの様子。

カブサにはプラスチックのフォークがついてきたので、最初はフォークで食べていたのだが、この豪快なラムにはプラスチックのフォークでは歯が立たず、現地流の食べ方、つまり、手で食べた。 エジプト人の友達は手で食べても嫌な気はしないかということをちゃんと最初に聞いてから、手で食べていた。 お寿司などはもちろん手で食べたことはあるが、このような料理を手で食べたのは生まれて初めて。 外国人が最初うまく箸を使えないように、手で米を食べるのって結構難しい。 基本的に食べるときは右手しか使うべきではないということも教えてもらった。 誰かと会って握手をするときや配布物などを手渡すときも左手を使うのは失礼に当たるということだ。 日本でも昔は箸や鉛筆を右手に矯正されていたものだが、そもそもどうして右手なんだろうと疑問に思った。 それはともかく、そういう礼儀作法にこだわる部分は日本の文化に似ているのかもしれないと思った。

以前ここで働いてた先生にサウジアラビアの料理はどんな感じか聞いたときに返ってきた答えは・・・

「肉なら肉! ご飯ならご飯!」って感じだよ。

それはまさにカブサ!(笑) 普段そんなに肉を食べるほうではないので、久々にこんな大きな肉片を食べた気がする。 ジャレーシュやクルサンは味も薄く結構さっぱりしていた。 豪快だが、おいしく、肉好きの人ならカブサはたまらない料理だと思うのだが、さすがにこの量を平らげることはできなかった。 基本的にここの料理は食べられないぐらいの量が出てきて、みんな食べられなかったら残すのが当たり前。 こういう部分では日本とはかなり感覚が違うと言えるだろう。

最後に友達と記念撮影。



帰りの車の中で聞いたのだが、サウジアラビアに来た当初は70Kgしかなかったらしい・・・ これもカブサの力?!?!

実は、デザートも薦めてくれたのだが、到底お腹にそんな余裕もなく、お持ち帰り。 しかし、帰ってからも、カブサで満たされた胃袋がさらに食べ物を欲しがることもなく、次の日の朝食になった。



クナーファという焼き菓子で、表面はサクサクのナッツ、中にはチーズクリームが入っていて、すごくおいしい! 熱々で食べるとおいしいとのことだったが、次の日の朝もまだサクサクしていておいしかった。 おそらくカブサよりもこちらのほうが日本人には受けがいいかもしれない・・・ どこかでアラブ料理を口にする機会があれば、ぜひカブサ、ジャレーシュ、クルサン、クナーファをお試しあれ。

日本とサウジアラビアをつなぐ ~ Japan Day ~

2009-08-08 02:02:55 | サウジ・生活
7月11日の夜、リヤド文化クラブと日本大使館の共催による”Japan Day”というイベントが開催された。 学生たちに誘われ、少し遅れながらも会場に到着した。 到着したとき、会場では日本を紹介するビデオが紹介されていた。 しばらくして休憩になると、多くの人が会場から出てきて驚いた。 もちろんうれしい驚き。 ここサウジアラビアという国で日本に興味を持っている人がこんなにいるんだと思った。


休憩中の様子


いろいろな人が笑顔で声をかけてくれて、何だか温かい気持ちになった。

休憩後はリヤド文学クラブの会長であるサアド・アルバーゼイー氏の講演が始まった。 このイベントはサウジアラビアの人のためなので、講演はすべてアラビア語で行われ、残念ながら聞き取れたのは「ヤバーン」(日本)と「ヤバーニー」(日本人)のみだったが、聴衆のみなさんは会長の話を一生懸命聞いていた。




サアド・アルバーゼイー会長


次に講演を行ったのは日本での留学経験も持つワリード・アルバフカリ氏。 ときどき笑いもこぼれていたが、そこも残念ながら聞き取れず・・・ アラビア語がわかったら、きっともっと楽しめただろうに・・・ しかしながら、こんなにも多くのサウジの方々が日本や日本文化に興味があるということを知れて、本当にうれしかった。


ワリード・アルバフカリ氏


このイベントでがんばっていたのが「桜マムラカ」。 「桜マムラカ」というのは、サウジアラビアで唯一日本語教育が行われているキングサウード大学・日本語専攻の卒業生が中心となり、サウジアラビアと日本の人々の交流を深めることを目的に作られた団体。 ”Mamlakh”というのはアラビア語で「王国」を意味する。 お二方の講演の後、桜マムラカのパフォーマンスが行われた。 少し奇抜な始まりかただったが、会場からは笑いがもれていた。


団体の紹介をしている様子


キングサウード大学卒業生で、桜マムラカの代表のマーヘルさん


桜マムラカのメンバー


このパフォーマンスだけでなく、講演と講演の間の休憩中も、桜マムラカのメンバーは会場に来た人々の名前をカタカナで書くのに大忙し! 初めてアメリカに行ったとき、現地の小学校でボランティアをする機会があったのだが、子供たちの名前をカタカナで書いてあげただけで、みんなその紙切れをまるで宝物のように大事に持って帰っていったのを今でも鮮明に覚えている。 初めて自分の名前をアラビア語で書けたときも、結構感動した。 まったく自分が解さない文字で書かれたものであっても、やはりそれは自分の名前。 まったく解さない文字だからこそ、さらに特別なものになる。 自分の名前がカタカナで書かれた紙をみんな大事そうに持っていた。 その裏で、桜マムラカのメンバーは束になったアラビア語の名前の紙を手元に置いて、人々に笑顔を運ぶためにがんばっていた。

こういう小さなきっかけがきっと日本への興味をさらに深めていくのだろうと思う。 現在日本語教育はキングサウード大学でしか行われていないのだが、このようなイベントを通してサウジアラビアのより多くの人たちが日本のことをさらに知り、より身近に感じてくれたらうれしい。 これからもこのようなイベントが開催されたら、ぜひ参加したいと思った。


桜マムラカのメンバーと記念撮影





在サウジアラビア日本国大使館にも記事が掲載されています。
http://www.ksa.emb-japan.go.jp/j/highlight/index.htm


桜マムラカのホームページ
http://www.sakura-almamlakh.com/

モルドバ議会再選挙の結果 ~ これからのモルドバの行方 ~

2009-08-01 05:23:15 | モルドバ・生活
今年4月の議会選では選挙に不正があったとして混乱が起こったモルドバ。 議会選後、大統領を選出するための投票が行われたが、共産党は必要獲得票数に1票届かず、憲法規定に従って、7月29日に再選挙が実施された。 この時期、多くの若者(反共産党の考えを持つ人が多いと言われている)はWork&Travelというプログラム(日本でいうワーキング・ホリデーのようなもの)を通してアメリカに行っており、バカンスを利用して国外に出ている人も多い。 なお、投票は平日に行われ、モルドバ国内では会社等は選挙のため休みになったが、国外で働くモルドバ人(多くは反共産党と言われている)にとっては投票に行きにくく、意図的にこのような日程が設定されたのではないかとも言われている。

開票結果は以下の通り。(7月31日 午前9時 開票率: 99.9% 投票率: 58.8%)



[ 共産党 ] = Party of Communists of the Republic of Moldova
得票数: 706,688 | 得票率: 44.75% | 獲得議席: 48

[ 自民党 ] = Liberal Democratic Party of Moldova
得票数: 261,384 | 得票率: 16.55% | 獲得議席: 18

[ 自由党 ] = Liberal Party
得票数: 230,862 | 得票数: 14.62% | 獲得議席: 15

[ 民主党 ] = Democratic Party of Moldova
得票数: 198,153 | 得票数: 12.55% | 獲得議席: 13

[ 連合モルドバ ] = “Moldova Noastra (Our Moldova)” Alliance
得票数: 116,110 | 得票率: 7.35% | 獲得議席: 7

今回の選挙において欧州安全保障協力機構/民主制度・人権事務所(OSCE/ODIHR)国際選挙監視ミッションに基づいて日本を含め各国から200名程度の選挙監視要員が派遣された。 国際選挙監視要員は「今回の選挙において一般的なマナーが守られ、公正に行われた。」と発表した。 また、7月30日のニュース・カンファレンスでは、29日の選挙自体は大きな問題もなく行われたのだが、有権者名簿に関する不正が多数発見されたこと、 また、多くの投票所で集計に手間取ったこと等が発表された。 これに関して、モルドバが有権者の電子登録を導入しないことに懸念が示された。 不法行為は特に選挙キャンペーン中に多数行われ、国営放送のMoldova 1を含む3つの放送局の報道のあり方も問われた。

ともかく、今回の選挙では親欧米の野党4党が議会の過半数の53議席を獲得した。 共産党が第1党を維持するものの、野党4党はそれに対して連立を組む方針をすでに明らかにしている。



前回の選挙結果に比べ、共産党が大幅に議席を減らしたことがわかる。 大統領の連続3選を禁止していることから、ヴォローニン大統領は退任する。 モルドバの議会では大統領の選出には61議員の賛成が必要なため、大統領選出には48議席を獲得した共産党の影響は依然として大きいと言える。

これからの動きにも注目していきたい。



[ 追記 ] 7月31日 午後11時

現地の新聞やニュースより…

有権者名簿に問題があったと上にも書いたが、その具体的な例としてこんなことがあったそうだ。 ある女性が投票に行って、有権者名簿の自分の名前のところにサインしようとすると、何と10年以上前に他界したはずの旦那さんの名前がそこにはあり、何と投票したというサインまでされていたらしい。

また、不正が行われた可能性がある事例としては、ある投票所の人間が投票中に投票用紙を何枚も持ち去り、戻ってこなかったこと、神経に障害のある患者が頼んでもいないのに看護婦が投票に同伴したこと、また前回の選挙と同様に二重IDを持っている人間がいたということなどが挙げられている。

これは、これからの大統領選出に大きく関わりがありそうな話題なのだが、野党の一つ民主党の党首であるマリアン・ルプ(Marian Lupu)はもともと共産党の一員だった。 しかし、マスコミの報道によると、前回の大統領候補選出の際、共産党は彼を候補に選ばず、別の女性を候補に挙げたとのこと。 本人はインタビューでそれが離党の原因ではないと説明していたらしいが… それはともかく・・・ 民主党の前党首は何と民主党に移ったばかりのマリアン・ルプに党首の座を譲ったのだ。 この理由としては、マリアン・ルプは奇才であることが広く知られており、民主党人気を高めるためではないかと言われている。

選挙後にヴォローニンは「民主党の前党首はすばらしい働きをしている。 彼は何をすべきかわかっている。 あなたがたもそれを最後に知ることになるだろう。」という意味深な発言をしている。 共産党の獲得議席は48、民主党の獲得議席は13、つまり、もし万一共産党と民主党が同じ方向に進むとしたら、何とその数は61になりうる。 大統領選出に必要な賛成票の数はこの61なのだ。

インタビューで、ヴォローニンが「マリアン・ルプは民主党と結婚した。」と皮肉ると、これに対し、マリアン・ルプは「この結婚で私はついに一家の主になったのだ。」と返した。

果たしてこの先どうなっていくのか・・・ 野党の連立とともに民主党の動きが気になるところだ。