真木ルアー製作日記

製作の近況報告や開発中のルアーの裏話等など近況を報告します!!

モンスターブラウントラウト(本レポート完成!!)

2009年07月24日 01時43分00秒 | Weblog

        
            ●実釣開始直後のスタッフ塩谷氏・・・この後、とんでもないモンスターとの格闘を繰り広げる事に・・・
        
日本新記録!支笏湖のモンスター・ブラウントラウト
 釣り人 レイクトローラーズ 塩谷 敦

北海道「支笏湖」。周囲40.3km、東西13km、南北8km、およそ4万年前の火山活動で生れた国内屈指のカルデラ湖は、
標高250m、最大水深363m、つまり湖底は海面下△113m!という驚愕の規模だ。
湖周辺にはエゾマツ、トドマツの原生林が鬱蒼と生い茂り、ヒグマ、キタキツネ、エゾリスなど北の野生動物が生息し、
湖には日本一のチップ(ヒメマス)、ブラウントラウト、アメマス、サクラマス、虹鱒等が悠々として泳ぐ「本物の大自然」である。

ブラウントラウトの日本記録(JGFAオールタックル部門)が三たび更新された(はず?)本物の大自然の中で、
「本物のレイクトローリング」による四たびの日本記録更新を目指し、北の大地へ舵をとった。
2009年6月17日。天候曇り、気温10℃、水温11℃、微風。ブラウントラウト釣りには絶好のコンディションだ。
夜明けとともにVick岸選手とポロピナイ支笏湖観光センター桟橋から悠々と急いで出船。湖を横断し、風不死岳沖からモーラップに向け、
ディズニーランドのジャングルクルーズのように澄み切った野鳥の声をナチュラル・サラウンドで楽しみながら、本物のレイクトローリングを開始した。

         
                                    ●北海道(支笏湖)樽前の景色● 
    
                 

ルアーは、かつて2003年9月の中禅寺湖シーズン最終日に奇跡の「100cm・12kgのレイクトラウト」を仕留め、
昨年の支笏湖トライでもブラウントラウト60UPをヒットさせた大物ハンター御用達の「真木SLⅢ120FBL・姫・夜光貝」だ。

                       
        ●モンスターヒットルアー:SLⅢー120F・BL(ヒメマス・夜光貝)超大物に何故か好まれ不思議なパワーを持ったミノー・・・

中禅寺湖で修行した至妙の操船テクニックを駆使し、レッドコアラインの45ヤードで風不死岳・樽前山の1万年前の大噴火で
流れ出た溶岩が創り出した水中の断層崖(カルデラ崖)のドロップオフが連続する絶好のポイントを、際どくトローリングで攻めていた5時30分。
Fenwick-FS100のグラスロッドが、これまで見たこともないほど強烈かつ豪快に、突然バット部から「グッイーーーンッ!」とブン曲がり、
竿先が湖に突き刺さった! 
Abu7000番Big-Gameの両軸リールは、「ギュルルーーーッ!」と悲鳴をあげ、ロッドホルダーのキシミ音とともに
レッドコアラインが「ジュイーン!ジュイーン!」と、瞬く間に30ヤードほど出ていった。
「よぉーしっ、キタッ!」。
間髪をいれずアクセル一発で豪快にアワせた後、半端じゃない魚の大きさに対応するため、すかさずロッドを手に持ち船を止め、
Vick岸選手に他のロッドを回収してもらうと同時に、まだ見ぬモンスターと対峙した。

船足をなくしため、最初はテンポ良くリトリーブできたが、ボートまで約20mまで寄せたところでボートの気配に警戒したのだろうか、
モンスターは「ドズン…」と水中にステイしたまま、「ピクリ」とも寄ってこなくなった。
微風・小波という絶好の湖上コンディションを考慮して、普段はやらない「船外機のエンジン停止」で魚の警戒心を緩める作戦をとった。
エンジンを止めると同時に、森の中からはけたたましいばかりの鳥・獣の野生の美声が耳に入り、湖からはピシャピシャという
ボート船首の波音以外、何も聞こえなくなった。

「ピン!」と張ったラインのテンションを緩めないまま、細心の注意を払い少しづつ慎重にリトリーブを続け、モンスターとの距離を徐々に縮めた。
ヒット後約7分、やっとのことで左舷後方約5mの水中にうごめく、茶色い巨体をウッスラと確認できた。
「相当デカイぞ・・・」。
しかし慌てることなく「これからが勝負!」と気合を入れ、ドラグの微調整を頻繁に繰りかえしながら、ポンピングで「ジワジワ」と寄せ、
また「ジーーーッ」とラインを出され、水中に鋭角に入ったライン角のまま、モンスターとやりとりした。
格闘10分、やっとの思いでモンスターをボート右舷側に浮上させることが出来た。
トテツもなく大きな背びれを水面に出し、「ガボッゴボッ」と引波を立てて泳ぐ巨大ブラウントラウトの姿が、今度はハッキリと確認できた! 
「うおーっ!、でけーっ!!」と私。「ワァーオッ(おぅ)!でら(どえりゃー)!でこい(大きい)!!」とVick氏。

ボート上から見た水中の巨大ブラウントラウトは、全長1.2m位にも見えた、・・っとその時、水面を小山のように「モワッ」っと膨らませ、
巨大ブラウントラウトが超スーパー&ウルトラパワーで湖底へと大突進を開始した。
「オーマイゴッ・・・」、巨大ブラウントラウトの大潜行に対し、グラスロッドの柔軟性と、Abuリールの高性能ドラグ機能をフル活用し走りたいだけ走らせ、
動きがとまったところから再びリーダーを少しずつ少しずつ慎重に巻きとった。 巨大ブラウンの重さは尋常でない! しかしジムで10年以上鍛えた我が躯体もパワーでは負けてない。

2回目の浮上は、ボート右舷前方で大型ネットを持って構えるVick岸選手の近くに、臍下丹田に力を込めて、
ロッド操作で巨大ブラウンを「グーーーン」と引き寄せた。
「いまだっ!」、「ヨシ!」、「おっ・・・」、「イッヨーーーシッ!!」のテンポで見事一発ネットイン! 
しかしブラウントラウトのあまりの大きさと重さで、ネットの手元が「グキッ」っと折れ、Vick氏の好判断による豪快な抱え込みランディングで、
無事ランディング成功!したが、その後の船上での大暴れでネットに穴が開いた。

         
        ●モンスターブラウンの釣上げ直後、SLⅢー120F・BL(ヒメマス・夜光貝)をガッチリ咥えています。●


             ●釣上げ直後を様々な角度から撮影・・・本当に信じられない太さとデカさに改めて驚かされますね!!●
         
         
             ●木端微塵になったランディングネット・・・、その重さとパワーが如何に凄かったのかが判りますね~

これまで見たこともない大きさの、黄金色に輝くモンスターブラウンの堂々たる魚体が、「ドッドーン!」とオンデッキに横たわった。
支笏湖の巨大ブラウントラウトをついに釣った!
躍動するモンスターを我が手で釣りあげたのである。
瞬間を手にでき、一滴の光を獲得し、虚無の充実が輝きわたった。
全身がふるえ、腕がふるえ、手がふるえ、ラッキー・ストライクがふるえた←煙草吸わないが(汗)。
蒼古との奇遇を確認した船上で、Vick岸氏とガッチリ握手を交わし、しばし歓喜した。

         
             ●93.5㎝(13.55キロ)のモンスターは、超特大サイズのクーラーボックスに入れても画像の状況・・・



巨大ブラウントラウトは、ボートにイケスがなかったため特大ビニール袋に湖水とともにいれ、ポロピナイ支笏湖観光センター桟橋にエンジン全開で凱旋。
桟橋で観光センターの方々およびチップ釣りの方々に現認と祝福を頂いた後、巨大ブラウントラウトはクール宅急便で 群馬桐生の鏑木ハクセイ工房に送った。

後日JGFA認定のデジタル秤による正式計量で、13.55kgを現認した。
その後、7月7日JGFAオールタックル・ブラウントラウト部門の日本新記録としてめでたく認定された。
JGFA・日本ゲームフィッシュ協会HP(オールタックル・淡水部門)
http://www.jgfa.or.jp/record/alltackle.html#tansui

“かくして 巨大ブラウントラウトの命は終わった トローラーもやがて死ぬ しかし釣り人に夢を与えてくれた支笏湖は眠らない・・・” 
大物釣師かくかたりき

          
            ●大格闘を終えて、桟橋にて・・・スタッフ塩谷さん(左)とスーパーランディングマスター同船者のVick岸選手(左)●


                               ●ポロピナイ支笏湖観光センター桟橋●
  
        
        
        
  ●モンスターブラウンを優しく大事にクール宅急便を速やかに行う為に梱包中の様子と同船者のVick岸選手。超巨大ビニール袋から覗くモンスターの体の厚みに更に驚愕・・・●

                
               ●7月7日JGFAオールタックル・ブラウントラウト部門の日本新記録として認定された認定書●

                 
             ●群馬県(桐生市)鏑木剥製工房にて撮影。スタッフ塩谷さん(左)と鏑木社長との記念の2ショット画像●

                 
                      ●93.5㎝(13.55キロ)日本新記録が更新された歴史的な瞬間・・・

        
                ●鏑木社長作の素晴らしい魚拓の完成品。規格外のサイズの為に額縁も当然ながら別注品・・・

        
                

 【FISH DATE】

魚種  ブラウントラウト
全長  93.5cm
重量  13.55kg

【タックル】
ロッド   Fenwick FS100C・MH3-J
リール  Abu7000番 Big-Game
ライン  レッドコアライン:18lb(Cabelas)、リーダー:フロロカーボン10lb(Nitlon)
ルアー  真木ハンドメイドルアーズ SLⅢ-120FBL・姫鱒・夜光貝

                  
                
   ●モンスターブラウン釣行記は、2009年7月21日(発売)9月号のトラウト専門誌「ギジー」でも詳しく紹介されていますので、書店にてご購読ください。●




        

              ●ポロピナイ観光センターで収穫されている、通称チップ(ヒメマス)・・・美しいですね~
銀ピカの体表と艶かしい色合いは、只今絶好調を継続中のカラー、ホンマス&ヒメマスのマジョーラ・ルミナスベリーが何故釣れるのか解る様な気がします。
比較画像下参照:SLⅢー90FF・BL(ホンマスマジョーラ・ルミナスベリー・姫鱒生鱗皮)¥15750(税込)