高所(今は山に限定して)からの遠望に魅せられている。
とは言え、普段着のままで登るのだから、傍目には危なっかしい事この上ないかも。
ダメなら、途中で引返せばいいんだし。
登り始めると、そんな思いは消散する。
天辺を踏むために、そこから見晴らしたいがために、ひたすら上へ上へと。
今回のターゲットは音羽山。
山科側から、音羽川源流沿いのルートを選んだ。
まず、清澄な流れと出あう。
それと平行に走る道は、紅葉のトンネルに入った。
黄、橙、茶ときどき赤の色合い。
木の種類にもよるのだろうが、もうこれ以上は望めまい。
おびただしい落葉で覆われた路面は、バージンロードのごとく強烈な赤。
枝にあって生きた葉よりも、生気があふれた赤。
往生際に発色するとしか思えないほどに紅い。
牛尾観音へ向かって、吸い込まれるように伸びる階段。
山に階段はつきものと、認識すべきなのだろう。
じゃんけんで「最初はグー」みたいなもの・・・?
あとは「グー」or「チョキ」or「パー」・・・。
山によって、「急坂」・・「階段」・・「岩場」・・何が出るか分からないし。
・・・ちと違うか~(笑)
牛尾観音から目指すは山頂。
急斜面あり、なだらか道あり、もちろん階段ありと変化に富む。
また、雨水に浸食された溝や、道なき道も随所にあり、冒険心を掻き立てられる。
標高が上がるにつれ、冷たい風が剥きだしの顔を攻撃しはじめた。
しだいに視野が明るさを増す。
ついに頂上!
西方に山科を含む京都市街を、東方に琵琶湖を俯瞰する。
極めた頂上は強冷風で、とてもじゃないが長居はできない。
少し下の、丸太ベンチが設置された広場でランチタイム。
コンビニで買い込んだ、おにぎりと唐揚げ、それにミルクティー。
美味しいんだけど、ゆっくり味わってとはいかなかった。
じっとしてると寒いんだもん。
下山時は爪先や数メートル先に視線を落とし、一心不乱に次の足場を探すのみ。
登り道では、松ぼっくりを拾ったり周囲を観察する余裕もあったのに。
斜面凝視の復路を一気に下る。
頬をつつき出した雨粒が、ゴール寸前で小雨にかわった。
時同じくして、山科の地は驟雨だったらしい。
立ち寄った喫茶店で、小耳にはさんだ。
日差しがもどり出すと。。。
音羽山に向かって、くっきりと大きな虹の橋が架かった。
それも、滅多と見られない二重の橋。
頑張ったご褒美だとしたら、嬉しすぎる♪