天理市トレイルセンターから、山の辺の道を南下した。
大神神社まで行く予定だが、その時まで空が泣き出さなきゃいいけれど。
まっ、カサもあることだしのんびりといきましょか~。
危うい天候のせいなのか、行けども行けども、悠々たる景色の中に他の人影はない。
ただただ自然のみが息づき、心が伸びやかになる。
柿園に差し掛かると、ピンポン球ほどの果実が初々しさを競っていた。
やがて立派に成長して、中には熟柿になるものもあるようで。。。
そぉ、とっても美味しい昨秋のワンシーンが沸々と蘇った。
風景は刻々と変わり、開けたその先には耳成山と畝傍山がむっくりと地面から盛り上がっている。
友と久しぶりに会った時のような、親しみを抱く。
こんな看板が堂々と立っていた。
まだ未完成の楽園のようだが、芍薬は花をつけている。
いずれは山の辺の道の華やかなスポットになるのかな。
畑の脇の花々を楽しみながら足取りは軽い。
その先で見つけたのは、紙袋のいっぱい下がった木が群れる果樹園。
袋の下からのぞくと、こちらもまだ青い果実が隠れていた。
葉の形状と、この一つ一つ丁寧な袋掛けは、きっと桃にちがいない。
夏ともなれば、甘い香りがあたり一面に漂うはずだ。
無人販売所がいたるとこにあるのだが、ほとんどが空っぽ。
すでに売り切れたとは考えにくい。
だって、歩いている人がいないんだもの。
ところが、ある所で頬っぺたが緩~り・・・その正体は・・・なんと、よもぎ大福!
お疲れなおしに、もちろんいただいた。
山道を大福食べ歩きなど、そうそうできることではない。
自然をいっしょに噛みしめる・・・あぁ至福。
かなりゴールに近づいた。
桧原神社の鳥居をくぐる、いやくぐらず道なりに横手から入ってしまったようだ。
格子状の三ツ鳥居が三輪山を背に建つ。
二上山に沈む夕日はビューポイントとして、大和さくらい100選に選ばれている。
しかし、今回はというよりいつだって時間が許さないから、説明板の夕日で我慢するより仕方あるまい。
かたわらに「桧原御休処」があり、こんにゃくの味噌田楽を食す。
最初はきれいな形だったのよ~変な噛み跡をつけちゃったもので。
いい味にホッとする私たちを、一輪のバラが見つめていた。
なおもパワースポットである三輪山に沿う細道をゆく。
そのパワーは山裾にまで至るのか、きんと張りつめた空気が密めく。
大神神社を経由して、復路は今回もJRを利用すべく三輪駅に向かった。
天気予報は、あくまでも参考程度に思っておかなきゃ酷い目に合う。
外れ方が逆の場合もままあるが。
前者だと予報士を恨み、後者だと自分の日頃の行いがいいからなどと都合よく解釈する。
近畿地方、梅雨入りの日。
よく持ちこたえてくれた空のおかげで、曇り空に風渡り、ウォーキングには最適日だった。
歩いているのを見ました。
いろんな街道、足腰丈夫なうちに踏破したいです。
是非とも、いにしえの風を感じに行ってください。