一度きり初詣でした伏見稲荷大社。
最寄り駅から本殿までの道が人で埋めつくされ、とにかく前進あるのみ。
凍えそうな身体を甚振るかのように、雪まで降り出した。
鮮明に覚えているのは、そんなことくらい。
あとは、消しゴムでざっと消したみたいにおぼろげだ。
人の背中ばかり見てた気がする。
初詣では、もういいやって思ったけど。。。
写真などでよく目にする千本鳥居、と言えば稲荷山。
結構きつい石段が続くとも聞き及ぶ。
娘と私の、登ってみたさが合致した。
じゃぁ、今から。
急なんだよ、いつも。
二十分後に出るからね、みたいな。
晴天のもと、JR稲荷駅に降り立つ。
改札を出ると、まん前に堂々たる大鳥居が。
表参道から境内へ進み、本堂の裏手に回った。
祝日だからか、想像以上の人出。
御多分に洩れず、外国人観光客もわんさかいる。
中でも目を惹いたのは、粋な着流しの男性数人と、花柄を着こなしたチャーミングな紅一点。
真似たい一面だけど・・・って日本人の私が言ってどうするの。
思えば、留袖以外は長らく袖をとおしていないよなぁ。
それはさて置き。
のっけから、ぞろぞろと列を成している。
それに加わり、鳥居がぎっしりと並ぶ緩やかな坂道を歩き出した。
自分のペースじゃないから、調子がのってこない。
奉納された鳥居は、一万基あるいはそれ以上あるらしい。
名所の千本鳥居は、狭い間隔で綺麗に並び、四角いトンネルのよう。
日差しが降ると、鮮やかな朱色の明暗はアートと化す。
写真を撮りつつ、ゆっくり行きましょか。
それも悪くない。
私なんか、梨田昌孝さんの名を見つけ上機嫌。
喜色満面、はいポーズ♪
近鉄バファローズ名キャッチャー時代からの大ファンだもんね。
一万分の一を見つけられただけで、これはもう奇跡的なラッキーだよ。
千本鳥居を抜けると、稲荷山を巡拝する参道の登り口に出る。
グルッと一周するコースだが、断続的な石段はここからだ。
山登りモードに入る。
石段は、続くよつづくよどこまでも。
木立でほとんど陽は遮られているが、じわじわと汗ばんでくる。
でも、この汗が気持ちいい。
ほどよい間隔で茶店がある。
多くの人たちが、そこへのみ込まれていく。
いい匂いが鼻先に食いついて、誘惑する。
一時も過ぎ、駄々をこねる胃袋をペットボトルのお茶でなだめ、その場をしのぐ。
お昼は、歩き終えてからの楽しみにとっておこう。
全体地図に「4km2時間」との表示があった。
しかし、4kmも歩いた感はなく、気分は爽快。
電車の便もよく、手軽ゆえ「また来ようね」などと話す二人。
コンビニで食料を調達したまでは良かったが、食す場所が見当らない。
思いついたのが、駅のホームのベンチ。
奈良方面は人も疎ら。
難なく確保したベンチで食事を開始した。
しかし、反対ホームに群れる人の視線が気になり、どうも落ち着かない。
喉を通らないとはこのことだ。
残飯を持ち帰る羽目になってしまった。
出だし良好、歩きは快調、喋り滑らかだったのに。。。
様にならない結末と相成った。
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