(写真)事件の発生した託児所(地元自治体が撮影)
報道によると、ベルギー王国フランダース(Vlaams)地方圏東フランダース(Oost-Vlaanderen)県デンデルモンド郡の人口約4万3000人の都市デンデルモンド(Dendermond、仏語ではTermonde。ブリュッセルから北西へ約30キロ)で1月23日現地時間午前10時(日本時間:同日午後6時)ごろ、顔を白く塗り目の周囲だけを黒く塗った男が包丁を持って市内シント・ヒリス(Sint-Gillis-bij-Dendermonde。仏語ではサン・ジルス・レ・テルモンド(Saint-Gilles-lez-Termonde)。「レ・テルモンド」とは「テルモンドの近く」の意で「lez」は「les」と同じ)地区の「1月5日通り」にあるファベルトイェスランド(Fabeltjesland)公共託児所・ラッケルスティエス(Rakkertjes)公共保育所(保母6人、3歳までの児童18人が所在)に侵入。児童3人以上、保母1人以上を刺殺し、児童と保母併せて12人以上が負傷するという事件が発生したそうです。被害にあった児童らは複数の病院に搬送されたものの、中には人定が困難なほど刺された子供もいたようで、死者数はさらに増加するおそれもあります。
(写真)託児所の外観(報道による)
28歳で背が高く痩せ型の犯人の男は、自転車で託児所に現れ、「0歳から1歳までの幼児部門に関して質問がしたい。」と言って託児所に接近。所内に侵入して調理場にいた児童1人を拉致し、あっという間に他の児童に切り付けた後、犯行現場を後にし、自転車で逃走。約1時間半後の現地時間午前11時30分に、隣接するデンデルモンド郡レベイケ(Lebbeke)で巡邏中の警察車両によって逮捕され(持っていたカバンに包丁が入っていた由)、警察のヘリコプターで護送されたことを内務大臣自ら発表しました。一部報道では、犯人の男性はこのレベイケ在住の人物で、既に地元の精神科医への通院歴があるそうですが、この点について現地警察はまだ正式な発表を行っていません。犯人の動機も不明で、託児所側では今回初めて来所した人物だとしています。
東フランダース県は、ブリュッセル近郊とはいえ農村が広がる田舎ののどかな地方で、今回の事件発生は地元住民にとっても、またベルギー全体にとっても大きな衝撃となったようです。日本でも、かつて小学校の保安体制が問題になったことがありますが、今後、事件の捜査とならんで、なぜこの犯人が簡単に託児所内に侵入できてしまったのか(おそらく、事件現場となった託児所は田舎の普通の公共施設で、そもそもそうした犯罪者が容易に接近することは想定していなかったのでしょう。)についても、議論されるものと思われます。
白塗りに目だけ黒い縁取りのメイクの犯人は、映画the dark knightに登場するJokerを真似したのでは、という記事も読みました。
メイクについては、その後、様々な説があるようですが・・・。しかし、ベルギーでもこんな事件が起きるものか、と驚いた次第です。