カエサルの世界

今年(2019年)1月中旬から「休載中」ということになっているのだけど、まあ、ときどき更新しています。

◎カエサルの本棚(3)さむけ

2017年02月27日 | ☆読書とか    

 カエサルの本棚、シリーズの3回目ということになります。
 この時期、記事のネタがなくて困るわけですけど、とりあえず家の中で写真を撮っておいて、それをもとにして記事をでっちあげるという手法を開拓しつつあります。この場合、本棚っていうのは、なかなかの素材です。




 前回の話の続きということになりますけど、まずは、坂口安吾です。「余は偉大なる落伍者となって、何時の日にか歴史の中によみがえるであろう」という一文ですね。16歳だった安吾が旧制中学を放校になるときの言葉ですけど、学校の机の蓋の裏側に彫りつけただけではなく、当時17歳のカエサルの胸にも刻まれてしまったということになります。
 この本(白痴・二流の人/改訂13版)は、昭和51年11月の発行です。その頃に買って読んだんだと思います。高校3年の11月ということになります。
 「偉大なる落伍者」という言葉に感化されたのはこの年の7月か8月だったはずので、この本ではなかったということになります。探せば見つかるかもしれませんけど、そこまでしようというつもりはありません。




 筒井康隆『家族八景』を引っ張り出してみました。価格のところ、ちょっと見えづらいですけど、180円です。今の値段を調べてみたら、562円ということでした。3倍くらいになっていますね。
 この本(第4刷)は、昭和51年2月の発行です。増刷のペースが3ヶ月ごとみたいなので、2~4月頃に買ったんだと思います。高校を卒業する前後ということになります。高校生として大学受験の真っ最中に買ったのか、予備校生として東京で一人暮らしをするようになってから買ったのかはわかりません。




 平井和正『狼男だよ』です。これは、昭和51年7月の発行ということなので、予備校生のときに買ったということになります。
 狼男シリーズには2系統があって、両方とも主人公は犬神明という名前でややこしいんだけど、これはアダルト・ウルフガイ。アダルトの犬神昭は、当時、カエサルのヒーローでした。

 さきほどの『家族八景』には『七瀬ふたたび』という続編があります。その中で、主人公の火田七瀬がピンチになったとき、犬神明に助けに来て欲しいと思ったことを覚えています。『七瀬ふたたび』を読んだのは、『狼男だよ』を読んだ後だったということですね。


 今回のサブタイトルにして、冒頭の画像にも使いましたけど、ロス・マクドナルド『さむけ』です。
 これは、昭和51年9月の発行ですけど、初版だし、頻繁に増刷されたとも思えないので、いつ頃買ったのかはわかりません。大学生になってからじゃないかという気がします。

 推理小説です。主人公は、リュウ・アーチャー。私立探偵です。
 お話の発端は、ある青年からの依頼です。新婚旅行中に新婦が失踪してしまったのだそうです。捜査を始めてみると、新婦を訪ねてきた男がいたということがわかります。その男を探し出し、会ってみると、行方不明だった娘だと思って会いに行ったのだが人違いだったとのことです。しかし、その男は・・・
 ・・・・というようなお話だったということを、ネットで調べてみて思い出しました。いろんな人が次々と登場してくるし、みんなカタカナの名前でややこしいんですよ。でも、お話はポンポンと進んで行きます。いろんな謎が出てくるのだけど、ポンポンと解決していくという感じで、小気味いいのです。
 その一方で、大きな謎が深まっていきます。そして、最後には、大どんでん返しみたいな結末が待っています。びっくりしましたね。

 実は、この本は、3回読みました。2回目に読んだのは、就職してからです。一度読んでいる本なんだけど、たまたま手にすることになって、何となく読み始めてしまったという感じです。
 かなり複雑な話なので、細かいところは忘れています。2回目でも、ポンポンポンという展開を楽しむことができました。最後のどんでん返しについては、2回目に読んだときもビックリしました。それから数年後、3回目に読んだときもビックリしました。
 細かい展開を忘れているのはしかたないとしても、結末を忘れているというのはどういうことなんだ????と思ったりしました。不思議な本ですね。

 これまでに読んだ本の中から100冊を選べと言われたら、この『さむけ』は間違いなく入ると思います。


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