殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

Water Me / BONNIE PINK

2015年01月24日 14時09分28秒 | 気まぐれ日記





何年も前に見ていたドラマの主題歌。

ドラマの内容はよく思い出せない
ただこの歌だけは印象的で、すぐにMDに落とした記憶がある




ものすごく深い意味がある曲、ではないと思う。

ただただ、歌詞のまま、
その言葉通り受け止めていいようなまっすぐな歌

けれど、どこまでも深く静かに沈んでいけそうな





たぶん私がまだ高校生だった頃だ
ドラマの舞台も学園ものだったと思う
重たい感じの。





思い出す、制服姿の少女たち


同じ服
同じ背格好
同じように張り付いた笑顔


自分、というのが
何なのかわからなかった。




教室の隅で、虚しい毎日に耐えていた
自分と重なって





”誰しも自由に飢えていた
模範などない教室の隅

あきらめ顔で泣いていた友よ 微笑んで

この水をあげよう
このペンをあげよう
一つの本当をあげよう”





彼女はこんな歌も歌うのか、と驚いた。


"water me"
私を潤して


非力なわけじゃなく、むしろ
貪欲に生きようとする姿の、
砂漠に咲く花のような

誰もが願う強さではないけれど
一度枯れ果てるところまで落ちたものだけが手にする、輝きなのだろう


だけど
それに気付くのはとても難しくて







夕暮れのオレンジに染まる教室で
等間隔に並んだ机にそっと触れながら
諦め顔で立ちすくむ友(自分)の顔は



未だ晴れない







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自死を選んだ数

2015年01月24日 00時05分14秒 | 気まぐれ日記
この涙は
なんの意味を持って出てきたんだろう

悲しい?
かわいそう?
寂しい?

ちがう。



「この薬なら死ねますか」
「どうすれば楽になれますか」

あちこちで溢れた質問に応えるのは
同じ、もう消えてしまいたい人たち


かつて私も
同じことを聞き、同じ答えを調べ
同じ方法を散々試みた。



逃げてもいいよ、という
美しい励ましの歌に唾を吐いて

だったら死んでも許してくれよ、と
泣きながら虚しく笑った日もあった

この世界から逃げることが
唯一の救いだと思っていた。




夏の始まりに、冷房の効きすぎた広い教室で講義を受けた。
都の自殺予防対策委員?
ゲートキーパーという人たちらしい。

パワーポイントと配布資料で進められるその講義は、1分に2回以上は「自殺」という言葉を使っていたと思う。当たり前だが。



それが、とても、息苦しくて
表情が、強張って



10代の自殺者のグラフ
自殺者数の統計

ここに、自分のいのち一つ
加わっていたかもしれない

そう思うと涙が浮かんだ。


あれは
果たしてなんの涙だろう



たぶん、恐怖、なのだとおもう。




数にしてしまえば、
グラフに形を変えれば、
割合で簡単にしてしまえば、

そこに命があったことなんて
そんなことはもう


隣の学生はうとうと
たぶん聞いてなどいない。



もしもあの日、目を覚まさなかったら
私はこの数字の中の一つに過ぎなかった。

数が多ければ多いほど、対策委員は動く。国が動かす。
それ以上、数字が増えないように。






まるで、消えていった命の
その中の一つになった気がして
家に帰ってわんわん泣いた


あの涙は何の意味を持ってたんだろう






ただ、つらかった。

私もそうなりかねなかったくせに
数をただただ聞き流して、グラフをぼーっと見ている自分が残酷に思えた。


「自殺のー」
「自殺はー」
「自殺についてー」


その言葉を聞く度に




あの夢とどこかで出会えていたら
私、私でいていいの?
誰かこたえて
存在に気付くだけでいい


涙色フラストレーション/monobright




救えなかった命の
本当は生きていたかった命の
その数が羅列された薄い紙切れに



涙が零れた。





ごめんね
ごめんね









ごめんね







此心

2015年01月17日 12時44分47秒 | Image

振り返った地面に
直視できないものが散らばっていて
諦めた方がいい、と呼んでる

ずっと昔にほしかったものは
たぶんずっと昔に与えられてた

気づかないまま何年も過ぎ
失くした




弱いなりに強くあろうとする度
分厚い鎧が体を締め上げる

そのせいでまた弱っていく心が
もう許して、と懇願する





ただひたすらに首を絞める
その恐ろしい両腕に続く顔が
私には見えないから

だれかに怯え
だれかを責め
だれかを恨み

ここには
私しかいないのに








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