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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

やってくる10月

2006-09-22 16:16:59 | 好きな本

 昼間の陽射しはまだまだ強いなあと思っても、夕方になると涼しい風が吹き渡り、空がとても広く感じられるようになりました。雲の形も、様々に変わっていって、それを見ているのも楽しいし‥。これが、秋なんだなあと実感するひとときです。

 いつの年にも増して、10月がやってくるのが、楽しみでなりません。私ってこんなに10月が好きだったっけ?と自問しては、くすくす心の中で笑っています。

 それというのも、この本の中の表題作『十月のみずうみ』を読んだからなのです。
 お見舞いに何を持っていったらいいか、私が悩んでいた時に、 「ただ、絵本を読む」のこうめさんが、コメント欄を通じて、教えてくれた本なのでした。
 

   十月のみずうみ
  『十月のみずうみ』
シンシア・ライラント 文 エレン・ベイァー 絵

 原題は、「THE BLUE HILL MEADOWS」 
 ヴァージニア州のブルーヒルという美しい町に住む、メドー一家の、夏 秋 冬 春の季節それぞれのお話が4話おさめられています。

 「十月のみずうみ」は、お父さんと、次男のウィリーが二人だけで、湖に釣りをしに行くお話です。メドー一家には、お母さんと長男のレイもいますが、二人だけで出かけるのは、一度に一人といくほうが、おたがいのことがよくわかるから という、お父さんの方針なのです。

 まだ夜が開けないうちに、お父さんとウィリーは車に乗って出かけます。

 二人をのせた車が走るあいだに、二人はお母さんがつめてくれたバスケットからビスケットをひっぱりだして、ほおばりました。オレンジジュースは、びんから口のみしました。二人とも、あまりしゃべりませんでしたが、そうしてすわっていることが、ただうれしかったのです。世界じゅうがしいんとしているようで、二人ともしいんとしていたのでした。

 
こんなふうに始まった、お父さんとウィリーの一日は、湖での釣り、世界一おいしいホット・チーズ・サンドイッチを食べさせてくれるレストラン、湖のまんなかの小さな島での昼寝、と続き、最後はお母さんとレイへのおみやげを買って終わりとなります。

 ウィリーが釣った魚をすぐに湖へ返す水音や、水面を撫でる風の匂いがしてきそうで、10月の素晴らしい1日を、あたかも体験したような気持ちにさせてくれるお話でした。


 
 さてさて、私の10月はどんな感じでやってくるのでしょう。湖へのピクニックはないけれど、楽しそうなイベントや展覧会、学校行事が待っています。

東京都現代美術館では、 「大竹伸朗全景」という展覧会が、10月14日から始まります。
 大竹伸朗さんといえば、『ジャリおじさん』 を思い出しますが、全景と銘打っての大回顧展らしいので、とても期待しています。(12月13日まで)

10月15日(日)には、池袋サンシャインシティの展望台で、「谷川俊太郎&和田誠トークショー&サイン会」というのがあるそうです。   
(リンク先は、教育画劇HPです。左側のイベント案内のところに小さく載っています)
 池袋なら近いので、ぜひ行きたいところなのですが、その日は、市のアートギャラリーのワークショップへ申し込んでしまったのです。「はじめての銅版画」というもので、小4~一般対象だったので、家族3人分の参加費を、すでに払ってしまったのでした。

翌週の21日(土)22日(日)は、ギャラリーらふと主催の第4回
「工房からの風」があります。JR総武線、本八幡からシャトルバスが出ている、ニッケコルトンプラザというショッピングセンターの敷地内で開催されます。

同じく21日(土)には、娘の通う小学校での「まつり」があります。昨年はその実行委員だったので、この時期とても忙しく、空を眺めているような余裕はありませんでした。今年はゆっくりできそうと思っていたのですが、そうも言ってられない状況になってきています。読み聞かせの活動をしているグループで、この「まつり」に参加しようということに決まり、その選書の締め切りが来週に迫ってきているのです。
 
 校庭で・マイクなしで・大型絵本は最後の1冊だけにして・持ち時間は1ペア10分

こんな過酷な条件のもとで読む絵本、
何かいいアイデア、ないでしょうか?

全体としては40分くらいで、挨拶、手遊びの後、最初のペア(私もここに入っています)、次のペア、最後のペア(ここは大型絵本の『せんたくかあちゃん』がすでに決っています)という構成です。子どもたちは、校庭に敷いたシートの上に座ってもらって、読み手は椅子に座ります。周りには食べものや、ゲームの屋台が出ています。
 声も通りにくいと思うので、それならせめて、絵がはっきりしていて、見やすい絵本がいいのでは‥と『もったいないばあさん』
 テキストよりも、絵のダイナミックさで、 『ブタヤマさんたら ブタヤマさん』
 文のおもしろさと、見やすい絵ということで、 『これはのみのぴこ』 などを考えましたが、どんなもんでしょうね。 『ぶたのたね』とかも、いいのかなあ。

 やってくる10月に、ワクワクしてばかりもいられないですね~。




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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トークショー&サイン会 (miyaco)
2006-09-22 18:46:04
行きたいけれど、友人の結婚式に参列する予定なので、残念ながら私もパスです。こんなときに限って近いのが悔しい!笑



「冬と夏どっちが好き?」という質問に、必ず「春と秋」と答える私。10月はいろんな意味で特別な月です。いろんなことして楽しまなくっちゃと今から焦り気味。ドウドウ。
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miyacoさんへ (ruca)
2006-09-25 09:58:44
おはようございます。



おともだちの結婚式に参列、いいですね~。シーズンですものね、10月は‥と書いて、15日は両親の、そして17日は自分たちの結婚記念日であることを思い出しました。



私は季節の中でどれが好きと聞かれたら、迷った末、夏と答えていたような‥。最近では梅雨が始まる前の6月の匂いが好きなのですが、それと同じものを、今回やってくる10月に感じています。なんなんだ?この期待は‥みたいな(笑)。
返信する
どきどきします (まつかぜ)
2006-09-25 11:55:11
rucaさんこんにちは。

15日のトークショー&サイン会、ぜひ行きたいです!感謝!! 考えているだけで心拍数が上がってきますよ~



でも、銅版画のワークショップもとても羨ましいです(心から)

銅版画は一度も経験が無く、以前からずっと興味がありました。良かったらそちらの方の様子も、書いていただければ嬉しいです。

あぁ、10月が本当に楽しみですね♪
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まつかぜさんへ (ruca)
2006-09-25 14:00:31
こんにちは。



銅版画のワークショップを知った時、実はすぐにまつかぜさんのことが脳裏をかすめました。

申込みに行った時に「ひとりで家族3人分、申し込めますか?」と尋ねたところ、家族の分だけなら、複数でも受け付けるが、それ以外は参加者の直接申込み、ということだったので、まつかぜさんへの連絡を断念しました(笑)。

うまくいっても、いかなくても、何らかの形でお知らせしますね。



トークショー&サイン会。残念でなりません!!

なぜ同じ日なんでしょうね~。がんばって並んで、ぜひ最前列で見てきてください。あ~、まつかぜさんと一緒にこっちへ行くのもよかったかも。(まるで、先日の荒井良二さんサイン会のときのような状況ですね)
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こんにちは。 (こうめ)
2006-09-26 16:43:19
十月のみずうみ、読んだのですねー

うれしい・・

大好きな本です。

でも、出版社では品切れのようで、

お店に並べられないのがすっごく残念です。



きのうの記事に出てきたおばちゃんは、

おはなしで、十月のみずうみもするのですよ。

本当に本当にすてきだから、いつか聞いてくださいな!



それにしても、rucaさん、

いろいろ楽しそうなところにいくのですね。

いいなー
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こうめさんへ (ruca)
2006-09-27 15:06:11
こんにちは。



『十月のみずうみ』の中のお話はどれもいいおはなしでした。どの季節の話も、ほんとうにその季節特有に匂いがして、「十月の~」を読めば、10月が待ち遠しくなり、うさぎの話を読めば、春の種まきの頃を思い出していました。



おばちゃんのおはなし会。

ほんとうに楽しみです。早く聴きにいきたいなあ。

(ここでふと現実に戻り‥おばちゃんといっても、私とこうめさんよりも、私とそのおばちゃんの方が、年が近いのではないでしょうか???そんな心配がむくむく沸き起こってきました)



「いろいろ楽しそうなところにいく」かに見える私よりも、本物のわくわくどきどきを、胸に抱えてるこうめさんの10月が、なにより一番楽しいですよ、きっと。
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