魯露西亜夢酔談

何でも話そう、ロシア状況のあれこれ
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ザックス

2006-03-13 20:02:49 | ロシア

ロシアもしくはロシア人となんらかの関係がある方は、ザックスЗАГСオヴィールОВИРと言ったお役所の名前を、耳にしたことがおありでしょう。

最近このザックスЗАГС ( Записей Актов Гражданского Состояния ) について必要があり、あれこれ調べた。この役所、英語圏では Registration Office と翻訳表記してるみたいで、なにやら自動車の登録事務所みたいな気もするし、これをまた日本語訳にすると登記所で、これだと不動産の登記事務所みたい。直訳すると「公民資格の証明・登記所」になるかな。

実際何をする役所かというと、ロシア市民の「誕生、結婚、離婚、死亡」を記録、管理、証明する役所です。そう言えば「谷間に三つの鐘が鳴る」という古い歌がありましたね、あれはアメリカの歌でしたっけ?とにかく、ロシアの各市町村に必ずこの事務所がある。州 Област、地方 Край 、都市 Город、区 Район、とそれぞれの管轄を担っている。

何が問題かというと、この役所いったい何処の省に所属するのと言う疑問だった。ロシア市民に関してはロシア連邦法で規定されているのだが、連邦法を読み返してもその管掌事項を見つけることが出来ない。常識的に考えて、内務省か司法省であろうと推測できるのだが。ロシアのサイトを、公官庁を含めて総ざらいしたがこれが一筋縄でいきません、見つけることが出来ませんでした。在日ロシア大使館に電話して、二十分ぐらい話し合ってみた(館内、館外と色々電話して調べてくれた)が、結局彼らも確認出来ませんでした。ロシア本国に電話する時間帯ではなかったので、次善の策として在京のタス通信に電話して教えを請いました。記者が「ザックスは内務省に所属していることは間違いない、内務省内にその所属部署が無いと思う、大臣直接の管掌であろう」と言う。その典拠を尋ねたのだが、親切にも調べてくれるとのことで、現時点でははっきりしません。

その点、日本では法律で明快に規定されていますね。日本で言えば法務省法務局であろうか。昭和22年に施行された戸籍法の総則で「戸籍に関する事務は、市町村長がこれを管掌する」それは「法定受託事務」であり、「法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる」と規定している。この総則で興味があるのは戸籍に関して地方自治体に事務をゆだねるが、指揮権限は所轄法務局にありますよと規定しているところ。法務局と言えば、法人や不動産の登記をするところと普段考えていたけど、至極当然と言えば当然、人権を守るところでもありますね。

ちなみに「ザックスそれザックス」と言うのが、ママの答え。飛躍した返答なので翻訳すると、ある省内にしかるべく部局ががあるのではなくザックス自体を誰かが指揮しているのだ、つまり大臣かもしれないし大統領かもしれないと言うことらしい、タスの記者と同意見だ。日本人には奇異に思えるかもしれないが、案外それが正解かもしれない。だがしかし、連邦には89の連邦構成主体があるのだから、それを統括部署もなく指揮するの?と再疑問。これもまた日本人的思考でありましょうか??



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2 コメント

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Unknown (ヒロ)
2006-03-14 11:48:49
>その点、日本では法律で明快に規定されていますね。日本で言えば法務省法務局であろうか。・・・・・至極当然と言えば当然、人権を守るところでもありますね。

うーん、どうでしょう。人権を守るのでなく、国民を掌握するためが元々の理由だと思います。

たとえば韓国ですが、第二次世界大戦で占領しましたね。その時に戸籍制度を導入したため、いまでも使われているようです。
Unknown (lisenka)
2006-03-14 13:38:18
ヒロさん、こんにちは。



ヒロさんのおっしゃるように、勿論戸籍制度の一端は国民の掌握に他なりませんね。課税の基礎になるだろうし、幸い徴兵制度がありませんけど、もしあるならその基礎ですよね。ただ異なる視点からすると、制度の内の、身分や権利、財産等が擁護されないとするならば、制度そのものが崩壊する可能性がありますよね。ですから何処の国家でもその制度に基づく諸々を保全、擁護する仕組みもまた設けるわけですよね。



ただわたしの言いたかったことは、地方法務局の中にそう言えば人権擁護課がありましたね、と言うことだけだったのですが。



話が変わりますが、BBSを設けましたので是非来てください、戸籍の話の続きはそこでいかがでしょう。