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報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

東ティモールはなぜ安定しないのか

2006年05月25日 23時45分38秒 | ■東ティモール暴動
今日、東ティモール政府の要請を受けて、オーストラリア軍の部隊が東ティモールに到着した。目的は、東ティモールの治安回復。

東ティモールでは、先月末から不穏な状況が続いていた。待遇改善を求めたために免職された兵士約591人が激しい抗議行動をおこしていた。デモ隊と警官隊が衝突して死者もでている。反乱兵士は山にこもり、政府軍と散発的に戦闘を繰り返してきた。他の反政府組織もこの機会に乗じて活動を活発化させ、首都ディリや地方都市で騒乱を起こしているようだ。

暴動は過去にも何度かあり、それほど気にしていなかったのだが、外国部隊の派兵が必要なほど悪化しているとは思わなかった。

東ティモールは、21世紀になって最初に誕生した国家で、人口は約80万人、国土は四国の半分ほどの大きさだ。24年におよぶインドネシアの占領に終止符を打ち、2002年5月に、主権を回復(独立)した。2005年5月には、国連のPKF部隊も撤退し、国際社会の庇護からも自立しはじめたところだった。

しかし、国連・PKFが去れば、反乱が起こるだろうというのは、東ティモールでビジネスをしている外国企業にとっては、ほぼ常識だった。外国企業は、反乱や反政府活動の兆候に常に神経を尖らせていた。

今回の、兵士による「反乱」、そして外国部隊(オーストラリア)の派兵は、東ティモールの政治を根底から変えてしまうかもしれない。他国の軍隊がいなければ治安も維持できない国は、自立した独立国家とは言えない。そして、それはオーストラリア政府にとっては実に都合のよい状態だ。

いままで難航し続けていたティモール海の石油交渉において、オーストラリアに有利になることは間違いない。
できすぎてはいないだろうか。
今後の成り行きに注目する必要がある。


東ティモール騒乱 外国部隊が相次ぎ到着
http://www.sankei.co.jp/news/060525/kok110.htm
東ティモール騒乱激化、豪など4カ国に軍派遣要請
http://www.asahi.com/international/update/0525/001.html


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