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「首折り男のための協奏曲」感想 伊坂幸太郎

2014-06-23 | 小説・漫画他

以前読んだ事があった「首折り男」の続編か、それに関わる長編だと思い込んでいたのですが、最終章まで読んで、あれ?それぞれが独立した7つの短編だったのね・・・と気がつきました。
確かに、首折り男がその他のお話にも登場したり、色々と人物がつながっていたりはしたのですが...
それぞれ面白かったのですが、なんといっても「人間らしく」が好きです。4つ★

「首折り男のための周辺」   
老夫婦の隣に住んでいる男が、世で騒がれている首折り男事件の犯人じゃないだろうか?と奥さんは疑っている。
小笠原稔と大藪(首折り男)は外見がそっくりで、間違われる。
かたや、イジメにあっている少年がいる。見ず知らずのその子に首折り男は、彼が苛められるだろう1週間後のその場に、見守ってあげようと言い出すのだ。そして自分は幼い頃楽しみにしていたキャッチボールの約束をすっぽかされたのはショックだったと言う。
大藪は殺し屋稼業をしているせいか、誰かのために役に立ちたい小さな親切をして、バランスを取ろうとしているらしい。銀行等で、もたついている人がいたら、わざと怒鳴って、ゆっくり焦らずに機械操作を出来る様にしてあげるとか(笑)
小笠原は自分が大藪と勘違いされて、色々おかしなことが起こった事に気がつく、また大藪も気がついたようだ。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
小笠原が訪ねて行った事務所には、6体の首を折られた死体と、大藪の死体があった。
気弱な小笠原は、大藪の精神に影響を受け、これからは強く生きていけそうな感じだ。
イジメにあっていた少年は、イジメのきっかけになった「幽霊はいるか、いないか」について、今回の事件で「ごめん、幽霊はいるのかも」と訂正するのだった」
とても面白いお話だったので、短編だけで終わるのが残念でした。なお、首折り男が死んでいた(殺されたのだろう・・)事にがっかり。
以上

「濡れ衣の話」
時空のねじれのお話。
最愛の息子を、自動車事故で亡くした男。ある時加害者の心無い女に再会し、つい殺してしまう。
そんなとき、警察手帳を見せた男と遭遇してしまい、観念して今さっきやってしまったことを打ち明けると、なんとその警官だと思った男は、自分がその処理をしてやるからと身代わり?になってくれるという。なぜなら、男がキャッチボールの約束をしている4年生の男の子は、もしかしたら過去の自分かもしれないと言うのだった。もしかしたら、今が運命の分岐点なのかもしれない。

「僕の舟」        
1話で登場したご夫婦のその後らしい。夫が寝たきりで妻が介護をしている。
妻が探偵の黒澤に仕事を依頼する。かつて自分が恋をした相手の現在は?
★以下ネタバレ★
なんと、幼い時のデパートの屋上の少年も、はたまた、東大の医学生と偽っていた男も、今の旦那だったのだ@@
ありえん、話ではあるが、でも50年前に社長の息子が密かに彼女の事が好きで、彼女は彼の事をあまり覚えておらず、そういう事ってあるよなーと思いました。でも、その社長の息子が、彼女の後を尾行していたからこそ、東大医学生と偽った男が住んでいた部屋等が解ったわけですね(^^ゞ
 以上

「人間らしく」
クワガタの世界を見ている作家が思った、神の手^^
最高に面白かったです!!
「神様はいつも見ているわけじゃなくて、たまたま見ている時には、ちゃんと悪いやつには罰を与えたり、助けてくれたりする」というの、すごい!!!
クワガタだけじゃなくて、水槽の魚たちも見ていると、イジメられサカナがいたり、意地悪しかけるヤツがいたりするんですよねー。

「月曜日から逃げろ」  
悪どいテレビ制作プロダクションの男は、黒澤の弱みを握って、色々仕事を頼んで来る。
でも、さすが黒澤は、してやったり!な仕返しをしてくれる^^
時系列に翻弄させられますね。

「相談役の話」       
仙台の山家清兵衛のたたり?話と現代のとある事件
クワガタ作家と、その学生時代のいけ好かないモテモテ友人のお話

「合コンの話」
おしぼりの向き! 今後はこの技は使い難くなっちゃうかも

首折り男のための協奏曲 伊坂 幸太郎 (2014/1/31)

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3652
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Unknown (苗坊)
2014-06-23 19:52:22
こんばんは^^
3作が既読だったのですが、老夫婦のお話が繋がっていたことなど気づいていなかったところもたくさんあったので読めて良かったです。
こういう人のつながりを書くのはさすが伊坂さん上手いですよね。
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苗坊さん☆ (latifa)
2014-06-27 14:28:45
こんにちは、苗坊さん
この本を作るにあたって、少し手を加えて、変えた処があったらしいですね。
老夫婦のお名前も、変えた?とか、なんとか・・・(さだかじゃなくて、ごめんなさい)

伊坂さん、こういうの、お上手ですよね
返信する
Unknown (べる)
2014-07-07 21:50:08
こんばんは。TBありがとうございました。
この間、こちらへのTBを違う方の記事と
間違えてしまいました。関係ない記事のTBを
貼り付けてしまい、大変失礼いたしました(><)。お手数ですが、そちらで削除をお願い
致します。
改めて首折り男~の記事の方をTBさせて
頂きますね。本当にすみませんでした^^;
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べるさん☆ (latifa)
2014-07-09 11:05:01
こんにちは、べるさん
コメント、TBありがとうございましたー!
いえいえ、全然大丈夫ですよ♪
私の方からは、べるさんちにコメントつけることができず、TBだけですいません。
これからも、よろしくです。
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Unknown (はまかぜ)
2014-07-19 12:05:39
この作品はまだ読んだことがないです。
伊坂さんらしさが感じられそうで面白そうですね^^「死神の浮力」も読んでみたいと思っています
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はまかぜさん☆ (latifa)
2014-07-24 16:35:10
こんにちは、はまかぜさん
暑いですねぇー!!
熱中症などにはお互い気をつけつつ、がんばって真夏を乗り越えましょう。

死神の浮力もコレも面白かったですよ。
伊坂さんらしさのある小説でした。
はまかぜさんの感想も楽しみにしています。
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Unknown (寝湖世Noinu)
2014-10-05 19:32:02
latifa-さん、こんばんは。

latifa-さんに、今作が、アンソロジーの
「首折り…」の長編らしい…と云う
ガセネタを提供してしまったのは、
わたしだったような・・・記憶が・・・m(__)m。

だらだらと読んでしまったために、
なんだか、忘れつつ、読み進めていたような
感じでした。
でも、とっても好きな作品でした。


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寝湖世さん☆ (latifa)
2014-10-08 17:18:06
寝湖世さん、こんにちは
あら!そうだったかしら・・・?
でも全然大丈夫ですよ。

伊坂作品は基本面白いし好きなのだけれど、最近の作品は、タイトルと内容が、ぴったりすぐに思い出せず、あれやこれやの作品が、混在して頭でごっちゃになってしまってます。

そういう時、過去に自分が書いた感想が残っていると、思い出す手掛かりになって、助かります。
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Unknown (はまかぜ)
2014-10-11 10:25:02
こんにちは!
この作品、ついに読んでみました
タイトルから首折り男の物語かと思いきや、途中から泥棒の黒澤の物語になっていましたね(笑)
黒澤のリズミカルでちょっとひねくれた会話が面白かったです。
そしてホラー要素が出てきたり、最後の短編では文体を変えていたりで、新たな作風への挑戦も感じました。
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はまかぜさん☆ (latifa)
2014-10-13 10:04:48
こんにちは、はまかぜさん
そうなんですよね、タイトルから、首折り男のお話か?と思っていたら、短編で、最初のお話だけで、それ以後は出てきても、ちょこっとでした。

でも、泥棒の黒澤さんは、伊坂作品で、人気のキャラだし、面白かったです。

最近伊坂さん、どんどん意欲的に新作を出されていらっしゃいますね。
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