甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

鳴かぬホタルが身を焦がす 山家鳥虫歌 その2

2024年02月21日 20時55分06秒 | 一詩一日 できれば毎日?

 同じ本をネタにして書くことにします。いくつかノートに書き写しましたからね。とはいえ、ありふれているというのか、ポピュラーな感じです。

 前にも書いたかもしれないけど、古い話を思い出しました。二十代のころ、先輩たちに連れられてキャバレーみたいなところに行きました。お金を払ったかどうか、払ったのかな。会費制だったかな? とにかく行きました。ものすごいおネエさんたちがいました。「あんたのお母さんくらいよ」とか言われたけれど、もっと行ってたと思うけど、どうだったかな。

 先輩は、変てこな都都逸が好きでした。いろいろ教わった気がしますが、唯一憶えているのは、

 あなたと私はオモチャの刀 切るに切られぬ仲なのよ

 だなんてねえ。先輩はしつこく歌ってたけど、自分のオリジナル作品ではなかったでしょう。そういうところをはしごして、そういう道を勉強されたんでしょう。

 人生って、いろいろ勉強しなきゃいけないことがありますが、私はそっちもダメでしたね。あれもこれもダメだったなあ。いけるのは何だったろうかなあ? わからないですね。

 恋に焦がれて鳴くセミよりも 鳴かぬホタルが身を焦がす

 ポイントは後半です。「君が好きだよ~」と大っぴらに歌う人よりも、じっと忍んでいる恋というのもある。そちらの方が、熱量がすごくて、強い気持ちを持ち続けられる。大人の恋なら、あまり物を言わないがじっと思い続けてもらう、それがホントの恋というものだ。

 そういうこともあるんですね。勉強になるでしょ? いや、有名すぎて、みんながホタルの恋をしている気になっていますよ。それよりは、君に会いたかったとか、ホントにありがとうとか、素直に言える方が、もっともっとオトナだと思うな。


 高い山にはカスミがかかる わしはこなたに眼がかかる

 どこかで聞いた歌だなと思ったら、「鹿児島オハラ節」の

〽桜島にはカスミがかかる わたしゃおはんに オハラハア 気がかかる

 あれの元歌なのか、原形なのか。「いかな山にも霧は立つ、御身(おみ)いとしにはきりがない きりがない、のうきりがない」などの形があるそうです。

 「おはら節」が恋の歌だというのは、一瞬そうかもと思いましたけど、アッケラカンとしている歌なので、恋の気分を感じていませんでした。けれども、男の人から女の人へ、告白なのに、そうじゃない風情で、気を引くように声張り上げて歌うというのもアリですね。でも、ちゃんと空気を読んで歌わなきゃダメですね。それらしい告白ではなくて、一生懸命に伝わるように歌わなきゃ!


 吉野川には棲むかよ鮎が わしが胸にはこひがすむ

 キヤーッ、告白しちゃいましたよ。言われた方はドッキリですよ。この吉野川は大峰山とか、奈良の山奥から流れて来る川です。和歌山県に達するとそこからは紀ノ川になります。そして、面白いことに、対岸の徳島には、四国の山奥から和歌山に向かって大きな吉野川が流れてきます。どちらも吉野川で、どちらも大きいし、どちらにも鮎はいるでしょう。

 「鮎」と「愛」、「恋」と「鯉」、わかりやすい掛詞でした。わかりやすいので、上手に歌ったら、相手の人も、「わしの胸にはナマズすむ」とか、「わしの胸にはゴリがすむ」とか、わけのわからん返しをしなきゃいけないですね。OKにしろ、NOにしろ、返事も歌で返さなきゃね!

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