事務側から国立大学というものを眺めると、まず第一に行政組織であるというところが目につくような気がします。もちろん国立大学、それも旧帝大レベルや総合大学レベルになると、教授を筆頭とした教員群、医者や技師や看護師といった医療従事者群、博士研究員や客員研究員や特任研究員のような研究者群、事務補助員や技術補助員のような非常勤職員群のように、「その職業の肩書きが国立大学職員という肩書きより前にくる」職員さんもたくさんいます。これらの職員をひっくるめて考えると国立大学というものは随分とバラエティに富んだ人間の集まりなのですが、まだまだかつてのお役所根性が抜けていない事務室から国立大学事務職員が普段目にする国立大学とは、相も変わらず事務は事務の縦割り社会を持つ行政組織という印象が強い気がするのです。
そんな環境で勤続年数が増えてくると、たまに思うことがあります。それは「自分は事務職員として、国立大学という閉鎖的な社会の中で一体どこまで出世できるのだろうか?」ということです。これは「自分には出世できるほどの器量があるのか?」という疑問であると同時に、「大学は勤続年数を重ねた職員にどれほどのポストを用意してやれているのか?」という構造論的な疑問でもあります。職員がどんなに優秀であっても、事務局の部長のポストの数には限りがあり、全員を部長クラスまで出世させることは「組織の構造上」することができません。同様に次長・室長・課長・部局事務部長・課長補佐・専門員・係長・専門職員と、どんな役職にも定員があり、事務職員は業務に対する「絶対的」な能力を参考にされつつも、やはり同役職・同年齢の職員群の中で「相対的」に優秀な人間から上位の役職を任命されることになります。ちなみにこれらの役職は本省職員あるいは本省勤務経験を持つ職員が優先的に配置されるために、自分のような根っからの国立大学事務職員が就ける役職はさらに狭まることになります。
大学側がこれから自分に提供してくれるポストは現時点ではもちろん知る由もありませんが「大学側がこれまでに職員に対してどれほどの役職を提供していたか」を知る、ある一つの方法があります。定年退職者の退職時の役職の調査がそれです。国立大学に限らず、国家公務員系統の組織においては役職を下げる「降格」はかなり厳しい処分であるためになかなか行われないというのが現状です。このことを背景にして、定年退職者の退職時の役職を調査すると大学側が事務職員に対してどれほどのポスト(出世枠)を与えてきたのかが分かるはずなのです。
幸いにも、定年退職者の定年時の役職というものは大学内部向けの広報誌の年度末号に掲載されているものです。今回は過去数年分、100名を超える定年退職者のデータを元に、彼ら彼女らが一体どこまで出世したのかを調べて見ました。前置きが長くなりましたがまずは下のグラフをご覧ください。

主任・係員クラスの職員さんもいますが、このあたりにはいわゆる「教室系技術職員」と呼ばれる職員さんが多くいるらしいので、純粋に事務職員のみ考える場合にはそこまで重要になってきません。
その上で改めてグラフを見ると、個人的には係長クラスの多さにまず驚きました。およそ3人に1人が係長として定年を迎えるわけで、これはひどい言い方をすると3人に1人が俗に言うところの「万年係長」な訳です。グラフでは分かりやすいように「係長級」と書いていますが、ここでいう「係長級」には係長と専門職員を含みます。
係長級についで多いのが課長補佐級です。課長補佐級・課長級・部長級あわせて50%を超えることから、退職時に課長補佐級になれると「大体人並みの出世をした」と表現してもよいのかもしれません。割合的には大体5人に3人は課長補佐級以上まで出世します。
法人化した国立大学では課長級以上になると労働法上の「使用者」となり、裁量労働制をとって異動に関しても全国人事となります。なれる割合は4人に1人です。漫画界におけるスーパービジネスマンとして有名な島耕作は連載当初からいきなり「課長」でしたが、国立大学事務職員では定年まで勤めて4人に1人がやっと彼と肩を並べられる訳です。ちなみに彼が最初に課長に昇進したのは36歳の時、国立大学事務職員では主任になって3~4年目くらいであり、本省キャリア組の国立大学出向者では課長になって4~5年目あたりでしょうか。
部長まで出世できるのはわずかに6%。20人に1人あたりです。旧帝大や総合大学になってくるとこのあたりに本省職員や本省勤務経験者が降りてくると思うので、国立大学にずっといた人間がここまで行くのはかなり至難の業でしょう。自分の大学の場合、事務局長に自分の大学の職員がなることはまずありません。大体は本省キャリアがなり、極稀に準キャリアがなるくらいだそうです。事務局長は国立大学のポストでありながら、国立大学事務職員にはあまり関係のないポストなのかもしれませんね。
さて定年退職者から見た国立大学事務職員の出世推論はいかがでしたでしょうか。自分はこの文章を書くのに前もってグラフを作成していたので、グラフが出来上がった時点で「課長級になれるのがわずかに4人に1人…。それどころか3人に1人は係長で終わるなんて…」とちょっとショックを受けました。今回のエントリーが全体的にネガティブなのはその影響です。ただ一つ注意しなければならないのが、このグラフの元になったデータが平成21年3月31日付けの辞令を先頭にした数年分であるということ、これは要するに、このグラフは「団塊の世代」の定年の影響をもろに喰らっているという訳です。国立大学事務職員の年齢別構成人数を調べれば「団塊の世代」がかなりの割合を占めていますから、その「団塊の世代」が定年退職をすると彼ら彼女らが占めていたポストが次の世代に、それも「団塊の世代」のように年齢が近寄った層にではなく「団塊の世代」と「段階の世代ジュニア」に挟まれた大学内で構成人数あまり多くない世代に受け継がれることになりますから、数年後に同じような方法でグラフを作成すれば国立大学事務職員は定年時までにもう少し出世しているのではないかなと思います。
出世競争に躍起になるというのも考え物だとは思いますが、キャリアを積んだ職員に次のステップを準備することも上層部の義務の一種だと個人的には思っています。自分みたいな人間には広報誌の情報を集めてグラフを作るくらいしかできませんが、大学の事務局本部か、あるいは本省自らが調査をすればこのあたりの構造的な問題点がもう少し判明するのではないでしょうか。既刊のレポートがあるならぜひ読んで見たいと思った今日この頃です。
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国立大学の給与の表では
普通、1級は係員
主任は2級なんですよね。
しかし主任でも3級の人
専門職員の人でも4級の人
も結構いる感じがします。
3割の専門職員定年の人の中でも
4級の人は結構いたりするのでは?
当ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
「教室系技術職員」さんのことなんですが、書いといて申し訳ないのですが詳しいことをあまり知りません。ただ数年前に、20年以上異動がなく、かなり高齢なのに係員か主任クラスの人をデータ上で見たことがあります。そのことを先輩に聞くとそういう人は大抵「教室系技術職員」って呼ばれてる人だよと教えてもらった程度の伝聞推量がエントリーのソースです。
技術職員は事務職員の「係員→主任→係長(専門職員)→課長補佐(専門員)→課長」というのとは違った昇進やら職名があると聞いていますが、教室系技術職員だからといって昇進が全くないというのは考えにくいと思います。係員で定年を迎えた人も、多分現場に居続けることを自ら希望したとかの事情があるのではないでしょうか。
自分もこのあたりはかなり疎い領域なので、何か判明して教えていただければ幸いです。
>>リョーさん
当ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
おっしゃる通り、級と職務には一定の相関関係があります。係長・専門職員は3~4級に位置づけられますので、ご指摘の通り定年する職員であれば係長クラスでも4級、それもかなり高い号数の給与をもらっていると予想できるかと思います。
ちなみに今回は定年時の職務についてグラフにしましたが、給与月額や退職金に関して言えば課長と係長でも実はそこまで差がある訳ではないという背景もあります。このあたりは詳しいデータが(個人情報なので)手に入りにくいですが、実際のところは年功序列的に昇進してきた年代ですのでポストの影響でやめる時の職階には差がありますが、給与面では大して差がないということも無きにしも非ずですのでご注意下さい。
ところで、管理人さんは出世したいですか、したくないですか。したいのであれば、それは人の上に立ちたいため、または、高い給料をもらいためですか。
他省庁(国家公務員)に較べ、大学職員は出世できる割合は高いのですが、給料が低いのが特長です。それは、「専門官」という制度にあります。部下はいないものの、課長級以上の給料がもらえます。
公務員は、辞め6(退職時6級)は当たり前です。
いまさらどうしようもありませんが、公務員が羨ましいです。
うちは、非正規の妻と合せて何とか公務員並みの給料になってます。
当ブログをご閲覧いただきどうもありがとうございます。拙い内容ではありますが年長の方にも見ていただけていることは若輩の自分にとっては大変に名誉なことです。
さて出世に関する回答を。個人的には大学事務局本部の課長クラスまでは出世したいと思っています。ちなみに自分はあまり人の上に立つのは得意ではありません(どちらかというとサポート役にまわる方が好きです)し、給料に関しても、現時点では扶養家族も持っていませんしローンも組んでいないので、高給取りになりたいとは思っていません(しかし、責任ある立場にある人間はそれ相応の給料をもらうべきであるとは思っています)。大学事務局本部の課長クラスになりたいと書いた理由は、そのクラスになれば様々な大学内部の事情を知ることができるだろうと思ったからです。「出世がしたい」というより、「内部事情を見聞する権限がほしい」と書いたほうが正確かもしれませんね。
「専門官」という職名は自分には聞きなれない名称です。内容から察するに、「専門員」の国家公務員時代の名称でしょうか。技術職員の職階の一つにも「専門官」はあるようですが…。自分の大学では「専門職員」は割りと見かけますが、「専門員」は滅多に見かけません。しかし、実質的には事務局本部の課長補佐や部局の課長などがこのクラスにあたるのだと思います。そう考えるとこの「専門官」はかなりたくさんいることになります。
「辞め6」という言葉も初めて拝見いたしました。「退職時に6級だなんて、なんて高給取りなんだ!」と最初は思いましたが、ここで言う6級とは平成17年度の人事院勧告における俸給表の切り替え以前の6級を指していると捉えます。旧級での6級は新級での4級ですので、言われて見れば今回のエントリーで示した職階で定年された人達の多くが4級のまま定年されたでしょうね。なかなか言いえて妙な表現だと思います。
このブログを始めて、国立大学の給料の低さはラスパイレス係数やらで何度か指摘を受けました。個人的には男一人が暮らして行く分には充分なのですが、家族持ちや自宅を持っている方には少しきついのかもしれませんね。先日出た人事院勧告では夏の期末・勤勉手当を0.2ヶ月分下げるよう指示がありましたし、運営費交付金は着々と減っていきますし、落ち目な職業なのかもしれませんね、国立大学事務職員というものは。
大学の専門員も、他省庁の専門官を真似て制度化したものですが、数が圧倒的に少ないのと、他省庁は課長級ですが大学は課長補佐級なので、昇給に大きな差が出てきてしまいます。
でも、情けない話ですが、名利が天性薄い自分は全く出世しようとも思えないし、給料もサラリーマン平均の400万以上貰えるなら、御の字くらいの気持ちで居ます。
ただ、叔父が本省に勤めてますが、その叔父の話によれば国大職員のラスパイレス指数の低さは本省でも問題になっており、また運営費交付金減額についても危機感を持っている方が多いようです。
実際予算を作成するのは政治家ですが、「国の基は教育なり」の観念から、何とか割り当てを増やして貰おうと頑張っているそうです(省益の為もありますが・・・)。
管理人さんは「落ち目な職業かもしれない」と仰っていますが、自分としては「これから次第の職業」と思っています。実際、10年、20年後にはどうなっているか分からないですし・・・。学費を上げるかもしれませんし、教育予算を削る愚に気付く政治家が増えているかもしれません。NPO団体等も、今でも教育予算を増やすよう政治家に圧力を掛けているわけですし。
また、結局のところ大学自身がコンスタントに成果を出すことが出来るようになれば、自ずと評価され、事態が好転するのではないかと楽観的に考えています^^。
それに、「仕事観」によっても落ち目かどうかは変わる部分が多いと思います。
自分はどうも天性勉強好きで、教員の方々としょっちゅう飲みに行っては、学問の話に花を咲かせたり、貴重な学説を聞かせていただいたりしています。
自分は仕事観を「楽しめることが出来るもの」と規定しているので、この職業は天職だと思っています。
管理人さんのようにブルーな気持ちになるのも良く分かりますが、準公務員であれ、公務員であれ、民間であれ、良い所も悪いところもあると思います。
今度のエントリーでは良い所を挙げて、モチベーションを高めては如何でしょうか^^。
ちなみに、叔父に以前「本省はやっぱ給料高くて、待遇良いですよね」と言ったら、
「毎日深夜まで残業すれば、手当てがわんさか付く。でも、自分の時間は持てない。俸給も高いが、その代わりマスコミが狂ったようにバッシングしてくる。身体・精神的疲労を考えれば当然だろう」
ため息混じりに言われました。自分には、やっぱり国大職員が向いていると思いました。
当ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
どんな職業であれ一長一短はあるとの趣旨、arutoさんのおっしゃるとおりですね。出世の見通しにクサクサしていないで、さっさと一人前に仕事をこなせるように、前向きに努力して行きたいと思います。
arutoさんは「勉強好き」とのこと。自分はどちらかというと「事務仕事好き」ですね。課された事務処理を不安も退屈も覚えずに淡々とこなせる時間こそが至福です。よく考えると出世しない方が幸せな人生を遅れてしまうやも知れない、そんな性格をしています。
本省にお勤めになっている親類がいるとのお話、身近にそのような方がいるのは羨ましい限りです。ライスパイレス係数の問題視とか割り増しを増やしてもらおうとしている動きがあることに関して、貴重な情報をどうもありがとうございます。個人的にも、現状を見るに「政府は高等教育含め、教育にもっと予算を割いても損はしないだろう」と常々思っていますが、この考えがもしかしたらエゴ(自己および自分のいる国立大学および文部科学省の利益追求的な)なのではないかなと葛藤を感じない訳ではありません。なんだかんだ言ってもやはり行政組織なのですから、やはり立法府の人間主導で、教育重視の政策を打ち出していければ、それがベストだと思います。
本省の勤務体制の件、研修で本省に1年だけいた先輩達の話を聞いても異口同音にarutoさんの叔父さんと同じようなことをおっしゃっていました。自分も経験を積むという意味では本省に勤めてみたいなとも思うのですが、一日三時間(月約60時間)足らずの残業ペースが体力(および精神力)の限界ようで、自分もやはり国立大学事務職員が向いているのだと、体調を崩して家で寝込む日なんかは特に痛感いたします。
管理人さんは事務仕事好きですか^^
言われてみると、自分も案外そうかもしれません。
こつこつと机に向かって事務処理していく。特に不満もなく、つまらないと思ったこともない・・・。
民間の営業の人から見たらさぞかしつまらない作業の繰り返しなのでしょうが、自分も性に合っているのか、疑問すら感じたことがありません(笑)。
>よく考えると出世しない方が幸せな人生を遅れてしまうやも知れない、そんな性格をしています
自分もそんな性格です。というか、むしろ縁の下の力持ちとしてサポート役に徹した人生を送りたいです。脇役バンザイです。
また、教育費に予算を割くことは、決してエゴだとは思いません。実際、うちの大学では研究費の捻出に苦労することがあり、そういう時職員満場一致で
「ノーベル賞だけが成果じゃないだろう!そもそも一朝一夕で成果が出るなら、今頃大学卒業者は全員ノーベル賞貰っててもおかしくない!」
と叫びます。別に、自分たちの給料は薄給でも全然構わないのですが、将来の日本を支える力、それを創り出すのが教育である以上、教育にもっと投資をするのは結果的に国益を上げる最も安心確実な方法だと思います。
それは、多分政治家連中よりも、ゆとり教育で学んだ人々、またそのご家族の方々の方がより深く考えてることじゃないかと思います。
というわけで、教育予算を増やせ!は、別に「給料増やせ!」に直結してない限り、決してエゴ的考えてはないと思います。まあ、本省の人間は予算の分捕り合戦がそのまま省庁間のヒエラルキーに直結するようなので、その限りではありませんが・・・。
ちなみに、自分も一度は本省に行ってみたいと思いますが、以前他大学に出向したことがあるので、多分その機会は大分先に回ってそうです。
それに、行ってみたいけれども自分も管理人さんと同じように月5~60時間の残業が限界かも・・・。叔父は月200時間超・・・勿論、家に帰るのは月に3~4回で、いつも泊り込んでます・・・orz
話が変わりますが、依然叔父に自分の職業を羨ましがられたとき、福利厚生面で羨ましがられました。
その辺りは本省と大差ないと思っていたのですが、叔父は
「大学の施設が使えるだろう」
と言っていました。確かにうちの大学のプールや体育館、トレーニングルームは職員も普通に使えるので、自分も週に2~3回使っています。
民間でそういった施設を使うとなると、月に2~3万の出費になりますし(特に夜間だと更に値段が上がる・・・)、また大学職員は栄養バランスが取れていて、かつ学生向けに量が多く安い学食を使えますし、生協に加入していれば、本を2~3割引で、お菓子や日用品雑貨も安く買えますし、何より自分みたいなパソコン好きは、そういった周辺機器やパソコン本体を安く買えます(大手量販店よりも)。
管理人さんの大学の諸施設がどのくらい充実しているか分からず、また生協があるかどうか分かりませんが(国立大は基本的にあると思うのですが・・・)、年収ベースで考えるとあまり恵まれていない大学職員ですが、その辺りを上手く活用すれば、普通の公務員並に身の回りの充実を図れると思っています。
ところで、先日合同採用の試験がありましたね。
自分も試験官として借り出されたのですが、どういうわけか自分の担当した教室のスーツ率が90%以上・・・見た目をチェックしては居ないんだけど、このご時世だから自分に気合入れてるのかなぁ・・・なんて思わされました。
長文で申し訳ありません。
法人化前の東京大学の話ですが、良かったら参考にしてください。
で、苦言を少々。
「こつこつと机に向かって事務処理していく。特に不満もなく、つまらないと思ったこともない・・・。」
年齢を経てもこういう感じならば、管理職云々を口に出さないほうが良いです。
管理職とは、チームをまめあげた際に上乗せした付加価値の一部を給料としてもらう職種だと思っております。
たとえば、課長の除いて10名の課があったとします。
全員の能力が10なら、単純にいけば課の能力は10×10=100です。
これを段取りを付け、適材適所に業務分担をし、適切なタイミングで叱咤激励して、課の能力を200とか300にした際にこの上乗せ分の100とか200とかの一部である30とか50を給与としてもらう職種ではないでしょうか。
あなたがおっしゃっている業務内容は一般企業なら一般職ですし、国家公務員改革案での職種3分割案でもおそらく一般職でしょう。
一般職の場合は、昇進の上限を主任か係長に留めようという意見もあります。
某書籍では、大学職員についても国家公務員同様に一般職程度の業務内容なら係長で昇進留めを主張する記述があります。(出版されたのは少々昔ですが...)
個人的には賛成です。
属する組織のミッションに即して持てる潜在能力を引き出すような付加価値の高い業務ができてはじめて係長級を越せるのだと。
法人化前の大学職員の業務内容なんて所詮は一般企業の一般職程度のレベルだったってことです。
だから、薄給でも仕方がない。
でも、これからは違うはずですから...
大手企業に男性が一般企業志望して困惑しているとの報道も流れましたが、それも一つに生き方ですから、否定はしません。
ただし、繰り返しますが、単純な事務職をやっているだけで年功序列で管理職になって高給取りなんて時代は既に過去のことです。
認識をしっかり持ってください。
恐らく、自分に対してのご忠言と思いますので、真摯に受け止めたいと思います。
ただ、誤解なさらないので欲しいのですが、自分は年功序列で楽したい~とは思っていませんし、管理職云々もさほど興味ありません。
また、職員の仕事が一般職レベル~とのご指摘ですが、確かにそういった仕事もあるにはありますが、経営に参画するスタッフ職は、それ相応のスキルを要求されることが多々あります。総務、人事、法務、経理などはその最たるものです。それらの仕事が「一般職レベル」と言われてしまえば、何ともならないのですが・・・。
ただ、実際まだまだ「もっと改善できる部分があるだろう」という仕事は多くありますし、スキルが上がれば残業をなくし、税金に負担を掛けることなく仕事をこなせる場面を増やすことも可能だと思っていますので、通りすがり様の仰るとおり、認識をしっかり持って、これからも仕事に臨みたいと思います。
ご忠言、感謝いたします^^
管理人さんへ
自分の軽率さの為に、管理人さんのブログを見に来ていただいている方に不快の念を生じさせてしまったことをお詫びいたします。
勉強不足なので教えてください。
現在、30歳で採用され、俸給は1級43号
係員です。6年民間企業で勤務していました。
2級に昇格するには、これからどの程度の年数
が必要なのでしょうか?何か条件があるのでし
ょうか?
また、主任にあがるには、何か条件でもあるの
でしょうか?22歳で新卒で採用された人と、
私みたいに29歳で採用され現在30歳の人と
違いあるのでしょうか?
当ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
昇級に関しては正直自分も分からない点が多いですが、主任になるまでには2級に昇格していると思います。早い人で大体28歳くらい、普通の人では30代に入ってから2級に昇格するのが一般的と聞いたことがありますが、実態は各大学の人事データベースを除いてみないことには分かりません。
1級から2級に昇格するのに、特に「条件」というものはありませんが、確か人事院規則か何かで各級の人間がこなすべき業務がある程度指定されているので、建前上としては「そのような業務をおこなう能力が備わった」ので昇格させたということになっているはずです。
主任への昇格に関してですが、自分の大学では係員から主任への昇格はどうもある一定の年齢に達したら自動的に昇格するようになっているようです。この際に経験年数などが考慮されるかどうかは不透明ですが、個人的にはされないのではないかと思います。されたとしても、主任への昇格が1年か2年遅れる程度ではないでしょうか。
号数の増加と違い、昇給や昇格に関しては上司の裁量や様々な情報から判断されることが多いようで、あまり明確な答えを出すことができません。また、各大学によって傾向が違う可能性も大きいと思いますが、民間企業の経験年数があるからといって、それが昇給・昇格に不利に働くことは無いのではないかと思います(所属していた企業・職種が現在の業務にどう影響しているか勘案される可能性は捨て切れませんが)。
中国地方さんの現在の級と号数から予想して、多分3~4年後までには2級に昇格して、主任にも昇格していると思います。あるいは人事関係部局に勤務経験のある年配の職員さんに聞いてみるのも良いかと思います。
迅速なお返事ありがとうございます。
現在30歳新人ですが、3~4年後で、主任に昇格なんですか!びっくりしました!
新人3~4年後って、まだペーペー扱いと思いましたが(笑)
新卒22歳新人さんでしたら、主任に昇格は10年近くかかるってことでしょうか??
技術職員から、事務職員に転職は可能なのでしょうか?
技術職員は、事務と違って人事権が違うのでしょうか?
技術職員も事務職員も同じ大学の「一般職員」に分類されるので、「転職」する必要はないかと思いますが、それでも技術系で採用された職員が事務方で働くのはかなり稀な話だと思います。
考えられる可能性として、過去にあった用に、行政職(二)で採用された大学病院の調理師さんとかが、食堂の外部委託化により事務方にまわされた場合とかがあると思います。
あるいは労災により技術職員を続けられなくなったために事務方に移る、というのもありえそうな話です。
個人的な考えとしては、技術職員が事務職員になるにはこのような外部要因に起因する出来事が必要な気がします。事務職員である自分が何の知識も持っていないがために明日から技術職員にはなれないように、技術職員である人間もその人がもつ特定技術に関する知識や経験を反故にしたとしても事務方にまわした方が良いと上層部が判断しない限り、事務職員にはなれないのではないでしょうか?
もっとも、小規模な組織体であれば案外課長にお願いしたらどうにかなってしまった、なんてこともあるかもしれません。次回の身上調書にその旨書いてみるのがよろしいかと思います。
実は、大学の施設の課内で、係長以下に、こそこそ悪口や、軽いいじめみたいなからかいを受けているんですが、それが非常に苦痛になってます。
そんなこと直接、課長に相談した方が良いのでしょうか。どこか、とばされたりするんでしょうか?
部下に理解のある上司さんであれば相談することでなんらかの手を打ってくれるかもしれません。自分はいじめは受けていませんでしたが一時期業務量が係の中で飛びぬけて多かったときに、課長補佐に相談したら係長をとおして係内で業務分担の見直しをしてくれたことがありました。
相談しても改善が見込めそうも無い場合は近くの労働基準監督署に相談するのが良いかと思います。「どこか、とばされたりするんでしょうか?」とありますが、個人的には一旦今いる組織を離れてどこか別の組織に出向して見るというのも現状を改善する手だと思います。このあたりのことは別のエントリーに書いているのでそれを参照してください。
現状が苦痛で、例えば食欲の低下や安眠できないなどの症状が出ている場合、精神内科の受診をお勧めします。お医者さんに訳と症状を話せばそこまで強めではない薬を処方してくれると思います。人によっては薬に頼ることに抵抗感を覚えるかもしれませんが、長期戦覚悟なら日々の精神面のメンテナンスだと思って服用するのが良いかと思います。「メイラックス」や「デパス」程度の薬なら肩こり解消の目的でも処方されるようなものですので、そこまで抵抗感もないかと思います。酒やギャンブルで憂さを晴らすよりかは健康的だと思うので、一手段としてご一考してみてください。
例えば、新卒から4年目の方と同じ俸給になるのでしょうか?なかなか人事に聞きだせずにいます。
何卒ご回答お願い致します。
関連分野の職歴であればその年数に1.0を掛けて初任給に反映されます。要するに3年の職歴が3年間その大学で働いていたのと同じと見なされるので、新卒で入って今年で4年目の職員さんと同じ基本給になる、という訳です。
ご丁寧にありがとうございました!
非常に参考になりました!
今回の内容とは全く関係のない質問で恐縮なのですが、国立大学職員同士で結婚する方って多いのでしょうか?以前の記事で、お付き合い紹介の機関があるというようなことを見たのですが、どうなのでしょう?同じ職場にいるんだし、結婚されるかとも多いのと思うのですが。
何か教えていただければ幸いです。
国立大学職員だから多いという訳ではないと思いますが、事務職員同士で結婚された上司や職員さんはそんなに珍しくないですよ。他職種間で結婚された例もなきしもあらずです。大学病院の看護師さんと結婚された係長が以前の部署にいました。教員と事務職員は今のところ聞いたことがないですが、学生時代に30代の先生方が事務の女性職員と合コンしたって言っていたので、可能性としてあるのではないでしょうか(笑)。
ちなみに「お付き合い紹介の機関」とは国家公務員共済組合連合(KKR)のことかと思います。事業の一環としてそういうブライダルネットをやっていましたので。
4月から大学職員になる予定のぷこと申します。
検索していてたどりつきました。
どれも興味深いお話ばかりで楽しく読ませていただいています。
ところで、大学の給与規定を読んでもいまいち理解できないのですが、修士の場合、初任給は変わってくるものでしょうか?
結論から言って初任給は変わります。
国家公務員Ⅱ種試験の流れを汲む国立大学事務職員においては初任給は国家公務員の行政職(一)の俸給表における1級25号俸となります。これは4年制大学卒業者を念頭にしており、修士修了者には修士課程として大学に在籍していた2年間が経験年数として加算されます。いろいろとルールはあるのですが、経験年数は「1年=4号俸」というのがほとんどですので、修士修了者は「1級25号俸+(4号俸×2)」で「1級33号俸」が初任給となるかと思います。
ちなみに1級25号俸が17万2200円、1級33号は18万5800円です。
大学の給与規定をお読みになったということですが、各大学の就業規則は基本的に「詳しいことは人事院規定を準用する」という立場なので、このあたりのことを調べる場合は人事院規則の条項参照が必須となってきます。初任給に関しては人事院規則九-八がこれを定めますので、興味があったら見てみるの一考かと(大学の人事の基本給担当に配属されない限り、業務上出会うことは無いような規定ですけどね)。
今は昇給抑制期間になりますので、修士修了者は「1級25号俸+(3号俸×2)」で「1級31号俸」が初任給となるかと思います。
そういえば以前にも指摘されてたような…。
最近仕事で使わない知識がすごい勢いで抜けていってます…。
新卒で、1級25号で指定された場合、
2級にあがるには、普通にいけば1級?号に行った
時点でなれるのでしょうか?
一概には言えないと思いますが、各大学が公表しているデータから推測するに1級から2級への昇格は早くて27歳くらい。どんなに遅くても33歳くらいだと思うので、年齢的には29歳~31歳ぐらいの間、新卒で入った人間が昇給抑制無しで昇格して行った場合を考えると大体1級50数号俸くらいのころに2級に昇格するのではないでしょうか?でも感覚的には1級44号俸くらいになったら2級に昇格しそうな気がします。このあたりはちょっとデータを調べて見る必要がありそうですね。
同じ30歳で、Aさんは平成15年採用、民間暦なし、2級。
Bさんは平成20年採用、民間暦6年、1級。
Aさんの方が当然、出世は早いのでしょうか。
データを出してみないことには何とも言えませんが、個人的には民間経験の有無とか中途採用がそこまで出世に関係するとは思いません。優秀な職員か、あるいは昇格に意欲的な職員であれば中途採用であろうとなかろうと上に行ける気がします。
あと、最近思うのは「激務部署での勤務経験があるかどうか」は出世の一つの基準になりえるのではないかな、ということです。いつかデータを調べて見たいと思っています。
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