国立大学職員日記
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国立大学職員日記:記事一覧




■はじめに
 今回のエントリーは平成24年8月1日に成立した「労働契約法の一部を改正する法律」(平成24年法律第56号)、その中の特に「無期労働契約への転換」が国立大学の非正規雇用にどう影響するのかについて、個人的な考察をまとめたものです。
 もしかすると「そんな法律や制度、初めて知った」という国立大学関係者もいるかも知れません。たしかにこの法律自体は労働契約とか雇用関係全般を対象としていますので、国立大学だけがこの法律の影響を受ける訳ではなく、そういう意味ではいまいち盛り上がりに欠けるのかも知れません。しかし一般企業に劣らず、国立大学においても法人化後は非正規雇用の問題が重要視されてきています。特に国立大学においては非正規雇用の労働者を「有期雇用」で雇うことによってなんとか運営していますが、今回の改正はそんな「有期雇用」が場合によっては自動的に「無期雇用」に変更されるという、今後の国立大学の運営に大きく変えるかも知れない影響力を持つものなのです。
 そこで、本エントリーではこの「無期労働契約への転換」の内容と、この制度が国立大学に与える影響について考えてみようと思います。正直言って各国立大学も今まさにこの改正にあわせるために制度改革をしている最中であり、過渡期的な情報による部分も大きいですが、現在国立大学で非正規職員をしている方々、これから非正規職員を雇おうとしている研究者の方々の今後の参考となれば幸いです。


■「非常勤職員」と「教育・研究系非常勤職員」の区別について
 話を進める前にちょっとした注意事項です。本エントリー、あるいは今後のこの手のエントリーにおいて、「非常勤職員」と「教育・研究系非常勤職員」は区別して話を進めます。
 以後に示す「非常勤職員」とは、いわゆる「事務のパートさん」や「技術補助員」のような、ハローワークや大学公募で雇った方々のことです。一方「教育・研究系非常勤職員」とは、例えば「特任教員」「ポスドク研究員」「非常勤講師」「TA(ティーチングアシスタント)」のように、正規雇用ではないものの教育・研究業務に関与する方々のことです。この区別は特に法律上の線引き等に基づくものではなく、実際、本エントリーで話題となる労働契約法でも両者を特に区別していません。しかし、国立大学においてはその社会的使命とも言える「高等教育・学術研究」の分野で「教育・研究系非常勤職員」は無くてはならない存在であり、採用や雇用上の処遇も通常の「非常勤職員」とは異なる扱いをなされるのが通常です。また後述するように、大学教員の任期に関する法律の影響によって両者で異なる労働契約法改正への対処が問題ともなるため、本エントリーでもやはりこの二つは区別して説明を進めたいと思います。
 なお両者を併せて説明する際は「非正規職員」と表現します。また題名にもあるとおり、今回は「非常勤職員」に関するエントリーです。「教育・研究系非常勤職員」編も後日やる「はず」です(書く内容が膨大過ぎてまとめ切れる自信がない…)。




■平成25年4月1日から何が変わるのか?
 まずは制度に関する説明です。下記の図をご覧ください。



 ちょっと乱暴ですが、ここでは「無期労働契約への転換」を二つのルールに絞って説明しています。
 まず一つ目が「有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる。」というルールです。「5年を超えて」とあるので、勤続年数が5年と1日目になった日(6年目に突入した日)から非常勤職員が「無期雇用に転換してほしい」と申し出れば、大学はそれを検討するまでも無く、自動的に次回からその非常勤職員を無期雇用としなくてはなりません。また「反復更新」とあるので、必ず一度は更新されていなくてはなりませんが、国立大学では通常非常勤職員は1年毎の更新を繰り返すことが大半なので、これはあまり問題となりません。加えて、労働基準法では雇用期間は原則「3年」が上限となっていますので、例外を除けば、5年間務めている時点でほとんどの非常勤職員は必ず一度は契約が更新されていると考えられます(※なお「研究・教育系非常勤職員」はまさにこの「例外」が関係する存在であり、特別な注意が必要です。この点は次回以降のエントリーで書けたら書きます)。
 期間の通算についてですが、これは「同一の使用者」ごとに計算されます。早い話が、国立大学法人であればどの部局のどの職種のどの身分に基づく採用だろうが、大学全体で雇用期間が通算されます。ですので「文学部で3年間雇ったが、実はそれ以前にも工学部で3年間雇っていた」「新卒の学生を1年間の事務の非常勤として雇ったが実は学生時代にティーチングアシスタントを既に5年していた」「5年間勤めた後、全く前職とは関係の無いプロジェクトに公募採用された」「4年間通常財源で雇った後で2年間限定で外部資金財源プロジェクトで雇った」のいずれの場合でも勤続年数が6年目に突入した瞬間から無期転換の申込が可能となります(※1)。このため、雇用を行う部局事務担当者は採用の際に必ず候補者の学内の過去の雇用歴を調べなくてはなりません。ちなみに図にもあるとおり、この「5年間のカウント」は平成25年4月1日からされます。そのため、実際にこの制度に基づく「無期雇用転換の申出」がなされるのは平成30年4月1日以降となります。ちょっと先の話ではありますが、通算自体は平成25年4月1日から開始するので、少なくとも国立大学関係者は平成25年4月1日からの非常勤職員の雇用状態をかなり正確に記録する必要がある訳です。
 そして二つ目のルールが「原則として、6か月以上の空白期間(クーリング期間)があるときは、前の契約期間を通算しない。」というものです。簡単に言うと「一度辞めてから6カ月経過すれば5年間のカウントをリセットする」ということです。「原則として」とあるのは「1年以上勤めた場合はクーリング期間は6カ月」の意味であり、例えば「10か月しか勤めていなければクーリング期間は5か月で済む」など、場合によってクーリング期間が短く済む場合があることを示しています。1年未満の雇用の場合、各クーリング期間は大体雇用年数の半分ですが、詳しくは「労働契約法改正のあらまし」等で確認してください。

※1 「改正労働契約法に関する国立大学法人等からの質問(第一稿) 」に基づく。


■非常勤職員は一度退職しても6カ月たてばまた雇用できる?
 上記のルール二つ目、「6か月以上の空白期間(クーリング期間)があるときは、前の契約期間を通算しない。」というのは、読み方によっては「5年間雇った後に6カ月のクーリング期間があればまた5年間雇用できる」とも捉えることができます。しかし、これが果たして可能なのかについては慎重な検討が必要です。そもそも「それをやっていいのか?」という疑問もありますが、国立大学においてはそれよりもまず「大学内部ルール上のクーリング期間があるかどうか」を確認しなくてはなりません。
 「大学内部ルール上のクーリング期間」とは何か。自分が便宜上作った言葉なのでネットで探しても見つからないと思います。要するに、例え労働契約法が「クーリング期間があれば雇用年数の算定を一度リセットしますよ」と言ったところで、大学が「うちは労働契約法に規定があろうが無かろうが、通算で5年間雇用すればそれ以後は二度と雇用しないルールを使用しています」と言ってしまえばそれでおしまいだということです。




■大学はクーリング期間を内部ルール上でも設定すべき?
 大学はクーリング期間の設定を内部ルールに持っていなくても問題は無いのか。結論から言えば、少なくとも制度上は問題ありません。というか、平成24年度時点、つまりこれまでの制度では持っていない方が当たり前だと思います。では平成25年度以降も持っていなくて問題は無いのか。これも少なくとも制度上は問題ありません。今回の改正労働契約法はあくまで条件に該当する場合に無期雇用への転換を強制しているだけで、各機関が従前の有期雇用ルールにクーリング期間の設定をすることまで強制している訳ではないからです(※2)。
 一方、たとえば「有期雇用契約ではあるけど、雇用の機会を広げるのだからクーリング期間を終えた労働者のために内部ルールを設定すべき」とか「無期雇用の転換を行わなくても雇用できるように労働契約法上で改正がなされたのに、慎重論だけで大学の内部ルールを変えないのは教育・研究活動に支障が出る」とか、そういう意見自体は大変有意義ですし、そのような意見を考慮して大学がクーリング期間を内部ルールに盛り込むということも大いにあり得ることです。しかし、そうした意見も考慮した上で大学が「ルール変更は行わない」という結論に至ったのであれば、それを他者が強制的に変えることはできません。大学を含め、各機関は法律で規制されない限り、現時点では割と自由に有期労働契約の内部ルールを設定を行うことができるからです(ちなみにドイツなんかだと有期雇用契約を設定するのに厳格なルールがあります。こういう「有期雇用契約を始める際の規制」を「入口規制」と言い、日本やアメリカではあまり採用されていません。今回の改正もどちらかというと「出口規制(有期雇用契約を終わらせる際の規制)」と言われるものです)。
 また大学側としても、安易にクーリング期間を設定しないことには理由があります。例え労働契約法上にクーリング期間の設定が設けられたとしても、これとは別に「雇止め法理」の問題が依然としてあるため、大学は内部ルールの変更に慎重になる、といったものです。「雇止め法理」とは有期雇用契約終了の際に既に有期雇用契約が無期雇用と同視しうるものだったり、今後も契約が更新されることに合理的な期待がある場合、裁判所が有期雇用契約の打ち切りを認めず、今後も雇用することを強制するものです。また雇止め法理に限らず、これまで使用されてきた有期雇用契約に関する種々の規制は依然として残っています。要するに、労働契約法にクーリング期間の設定が置かれたからといって「大学は安心してクーリング期間後も非常勤職員を雇用できる状態になった」「クーリング期間にさえ気を付けていれば有期雇用を安全に扱えるようになった」という訳ではないのです。

※2 ただし、今回の改正に伴う「無期雇用への転換」が起こった場合に備えて、いざという時のために内部ルールを整備しておくことは強制ではないにしてもしておくべき。




■国立大学はどのような指針に基づいてクーリング期間を扱うべきか?
 仮に大学が内部ルールでクーリング期間を扱う場合でも、ただ「クーリング期間が6か月あれば再雇用を認める」とは恐らくしないはずです。上にも書きましたが、クーリング期間の他にも有期雇用の契約更新終了には種々の規制があるため、大学は慎重にこれを運用しなくてはならないからです。ではその場合、法の趣旨を守りつつ、なおかつ国立大学の運営に有利なように有期雇用で非常勤職員を雇うには、どのような点に注意すべきなのでしょうか。


 …を書こうとしたのですがやっぱり1回のエントリーではとても書ききれないので「非常勤職員」編だけでも次回へ続きます。今回のエントリーでこの問題に興味を持った方は下記に参考としたリンクをまとめましたのでご参照ください。また各国立大学ではそろそろ4月1日からの施行に向けて、学内規定等の整備をしているはずです。もし資料を確認できる立場にある方は、学内の部局長や事務部長クラスの会議議事録などを見てみれば、恐らくここに書かれていたことを実施するのかしないのか、といった議題を見つけることができると思われます。


【参考リンク】
労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~(厚生労働省ホームページ)
国立大学協会からの提言等「改正労働契約法の適切な対応に向けた支援について(要望)」(国立大学協会ホームページ)
改正労働契約法に関する国立大学法人等からの質問(第一稿)
 (公立大学法人首都大学東京労働組合機関紙「手から手へ」第2643号に掲載された資料)
科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術会議有識者議員との会合
 議事概要「議題2.労働契約法の改正について」
(内閣府ホームページ)
改正労働契約法は大学にどう影響を与えるか?(ReaD&Researchmapホームページ)
労働契約法

Amazon.co.jp:Jurist (ジュリスト) 2012年12月号「特集 労働契約法改正と新しい労働契約ルール」[雑誌]
ジュリスト12月号は法律の専門雑誌ですがオススメです。内容が非常に詳細であり、法律関係者以外でも読める内容だと思います。

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コメント
 
 
 
やっぱり難しい非常勤雇用 (FLYING_TO-JO-)
2013-02-05 23:30:33
 私はこの法改正を知った時,これからは非常勤の方々に5年間は働いてもらえるようになるのだと,浅はかにも考えていたのですが,事情は複雑なようですね。
 私の勤務校は,従来通り3年で雇止めを徹底する方針のようで,良くも悪くも保守的だと思っています。

 職員定数が減り続けているうえに,中途退職者が増えていて,欠員が常時発生するような状況のため,常勤職員の異動間隔は伸びてきています。長い人だと10年近く同じ課に属するなんてことも珍しくなくなりました。
 ですから非常勤も5年ぐらいに伸ばしてもいいような気がするのですが…。

「質問」
 常用的謝金使用者って大概の国立大学に居ると思うのですが,これらの人たちに関係した法整備や行政機関からの指導ってないのでしょうか?
 本来謝金は,単発または短期にお願いする用務に支払うものですが,毎月15~20日間「○○補助」と言った名目で作業にあたっている方々がいます。
 このような人たちの扱いって本来どうあるべきなんでしょうか?
 
 
 
Re:FLYING_TO-JO-さん (管理人)
2013-02-06 07:33:29
>常用的謝金使用者って大概の国立大学に居ると思うのですが,これらの人たちに関係した法整備や行政機関からの指導ってないのでしょうか?

いわゆる「謝金雇用」の問題かと思います。これは形態として違法なため、法整備というかそもそも行わないように労働基準監督署から指導を受けるものです。謝金雇用者は非常勤職員として雇ったであれば適用される労災保険や社会保険、年金関係の保護が一切与えられず、一種の脱法行為としてみなされる、というのが根拠だったはずです。このような謝金雇用は本来、非常勤職員として雇用するのが正当です。自分の大学では5年くらい前に全学的に謝金雇用を一切禁止し、以後はいかなる場合も必ず労働契約を結んで業務に従事させています。また謝金雇用を疑われないよう、謝金の使用ルールもかなり厳格になりました。

大学としても違法である旨は了解しているはずですので、それを了承の上で謝金雇用をし続けたのであれば、場合によっては今回の改正労働契約法の通算「5年」のカウントに含められてしまう、なんてことにもなるかも知れないですね。いずれにしろ裁判で訴えられると圧倒的に不利ですので、極力謝金雇用は行わない方向で調整するのが良いかと思います。
 
 
 
返答ありがとうございます (FLYING_TO-JO-)
2013-02-06 23:01:31
 疑問に答えて下さりありがとうございます。これってどうなのかなーと思っていたのですが。そうですか…。

 こういった方々も,大学の土台を守ってくださっている貴重な人材だと思っています。
 部局職員の私にできることは,極めて限られているのが現状ですが,折に触れ是正に向えるように,本部にアプローチしていきたいと思います。
 
 
 
Unknown (通りすがり)
2013-02-07 20:16:29
いつも楽しく拝見させていただいております。
今回の記事とは関係ないのですが質問が2つあります。
私は修士卒(留年なし)ですぐに大学職員になりました。その場合2級になるには何年かかるのでしょうか?やはり学部卒で勤務年数の長い方のほうが先に昇格するのでしょうか?
給与に関する次の人事院勧告はどのような増減があるとお考えでしょうか?2年間の給与削減があるのでやはり据え置きになるのでしょうかね。
よろしくお願いします。
 
 
 
Re:通りすがりさん (管理人)
2013-02-07 20:48:08
>2級になるには何年かかるのでしょうか?

大学にもよると思いますが、自分の大学では学部卒でも修士卒でも、ある一定の級号俸に達したら大体2級になります。例えば自分は1級36号から2級になりましたので、仮に修士卒であっても1級36号になったら2級になったと思います。

また初任給計算では修士の2年間は修学年数調整で勤務年数2年と同様に扱われます。早い話が、双子の学生がいて、一人は学部卒から勤め始め、もう一人は修士卒で働き始めたとしても、二人目が修士卒で働き始めた時、二人は同じ級号俸であり、そしてそのまま同じように昇給すれば、2級に上がるタイミングも同じとなる訳です。要は学部卒は修士卒が修士学生をやっていた間の2年間の賃金分、生涯賃金で修士を上回っているだけで、あとの条件は同じ、という感じです。


>給与に関する次の人事院勧告はどのような増減があるとお考えでしょうか?

人事院勧告は原則として民間の給与水準にあわせるものなので、給与削減が何年続こうが、民間の給与水準が下がれば人事院勧告も引下げを勧告しますし、民間の給与水準が上がれば人事院勧告も引上げを勧告します。昇給停止や制度変更など、政策的な人事院勧告はちょっと予測がつきませんが、給与水準については景気の動向からみる限り、そろそろ下げ止まりそうな気がしています。
 
 
 
Unknown (通りすがり)
2013-02-11 12:01:46
回答ありがとうございます。今年1-36になったので次ぐらいには2級になるということですね。
人事院勧告が引き上げられれば今の状態からまだ上がる余地もありそうですね。
まだ入ったばかりで分からないことも多くとても参考になりました。

 
 
 
雇い止め (事務局非常勤)
2013-03-01 19:39:22
地方の国立大学で非常勤事務補佐員として働いています。6年目です。
来年度の契約から5年後に必ず解雇されることが決まっています。無期雇用なんてありえません。
他の大学もそうなんでしょうか?

 
 
 
Re:事務局非常勤さん (管理人)
2013-03-01 23:19:59
自分の大学もそろそろ内部規定が固まってきました。無期雇用転換の法整備に伴い、制度上は非常勤職員が無期雇用となる場合も想定していますが、基本的に雇用上限は5年であり、無期雇用を前提に非常勤職員は雇用しておりません。ですので、事務局非常勤さんと同じく、5年勤めたらそこで更新停止という扱いです。

ただ事務局非常勤さんの大学と違うのは、自分の大学ではこの「上限5年」は改正労働契約法上の勤務年数のカウントが始まるH25.4.1からではなく、その非常勤職員が採用された時から数えられます。早い話、自分の大学では事務局非常勤さんは「既に5年以上いるのだから」という理由で来年度更新すらありません。

そのため自分の大学から見ると、この「無期雇用に転換するための5年のカウント」をH25.4.1からやってくれるだけでも、かなり寛大な処置に思えます。今のところまだデータがそろっていませんが、他の大学でもH25.4.1に限らず、雇用上限を厳しく設定する大学はあると思うので、とりあえず本件については大学ごとに違いがある、ということだけ把握いただければと思います。
 
 
 
ためになる記事に感謝♪ (事務非常勤♀)
2013-03-07 21:54:44
内容の深い、しかも分かりやすい記事を
有難うございます。

ウチの大学は、
・カウント開始は平成25年4月1日
・1年契約で5年間を限度として更新
・5年過ぎたら再び雇用されることはなし
という規則に変わるようですので、
管理人さんのご説明と合致してますね。

今までは
1年契約で3年で雇い止め、
その後も働きたかったら
本人がいたポジションの公募に応募して、
新規非常勤として再び働き始めていました。

大学側も仕事に慣れた非常勤にいて欲しいし、
新しい人間を職場に入れることで発生するリスクを避けたいので、3月31日に雇い止めで退職させる前に
出来レースの公募に応募させ、
4月1日から再び雇用する、ということです。

まあ、国立大学は研究職も出来レースが多いですし、良い悪いはここでは問いません。

ただ、被害者が2種類います。
内情を何も知らずにハローワークを通して
ガチで公募に応募してくる方々と、
無駄な履歴書の山と嘘の面接対応で
多忙になる人事担当の職員です。
今回の改正で、こういう被害者は
いなくなるはずですね。

で、結局、
国立大学に非常勤が占める割合が高いことが
影響を大きくしていますよね。
正直、非常勤職員の立場から見ると、
常勤職員の方は、
語学力や企画力、スピードが求められる
最近の業務にはついていけない人が多く、
(特にベテランの方・・・)
また、運営交付金が減らされ、
時限的な外部資金研究プロジェクトが
増えているので、
語学力や民間での企画経験のある
任期付非常勤のヘルプが必要だというのが
ウチの大学の実情だと思います。
管理能力の高い常勤職員さんは多いので、
常勤と非常勤で
お互いに補完しあっている感じです。

管理人さんの職場はいかがですか?

 
 
 
Re:事務非常勤♀ (管理人)
2013-03-08 22:00:05
>今までは
>1年契約で3年で雇い止め、
>その後も働きたかったら
>本人がいたポジションの公募に応募して、
>新規非常勤として再び働き始めていました。

事務非常勤さんの大学での、このやり方は非常に興味深いですね。実質的に長期雇用を実現しつつも、あくまで「公募採用」なので、いざという場合は落選したことを理由に、雇止めを行うという意向なのか、それとも、長期雇用したいがために、大学本部が示したルールを何とか回避しているために部局が行っている策なのか、そこのあたりをぜひ確認してみたいと思います。しかしいずれにしろ、そこまで露骨に実践しているところがあるとは思いませんでした(笑)。実際にトラブルが発生していないのかどうか、ぜひ内情を見聞したいところです。


>で、結局、
>国立大学に非常勤が占める割合が高いことが
>影響を大きくしていますよね。

この以下のくだりはおおむね同意いたします。国立大学における非常勤の増加は、単なる過渡期的な現象ではなく、現在の社会で大学に求められる様々なニーズにこたえるために常態化すると予想されます。ただ、これはあくまで「人材の流動化」が必要であるためにおこる現象であり、必ずしも「非常勤職員」だけでもって対応するのが正しい訳ではないと個人的には思っています。要するに、辞めていく人材は正規職員であっても良いわけです。

事務非常勤さんもおっしゃるとおり、変化に対応できない正規職員はいます。特に、いまの中高年齢層には、今でこそ事務として働いているが、そもそもは現業職系の職員や研究室における職員だったりと、完全にプロパーの事務だった訳ではなかった正規職員がいます。また非常勤職員として長期雇用したため、法人化の前後に雇止めができなくなって、正規職員となった方もいます。このような職員が全員変化についていけていないとはいいませんが、「単に解雇できないから雇っている」という側面があることは否定できません。少なくとも対費用効果を考えるなら、それらの方がへまわす給与を若い人に与えた方が教育・研究はうまく行くと思います。またこのようにいかなる職員も最後まで面倒見て雇用する、というのが一応現在の日本の労働法の正義で、それはそれで立派なのですが、この結構なしわ寄せが非常勤職員の使い捨てにつながっているのでは無いかとも思います。

幸い今はまだ定年制があるので、このような問題もあと十数年耐えれば無くなる可能性もありますが、その間に使い捨てられる非常勤職員に投資されたものを思うとあまりにもったいない気がします。という訳で、もう有期雇用労働者の底上げはいいので、そろそろ正規雇用職員の首を切りやすくするよう、労働法を改正してほしいなと思います。そうやって外部市場が発達するなら、自分としても転職してみる可能性を考えてみたい気もしないではないです。
 
 
 
改正労働法について (うさこ)
2013-03-13 20:49:14
現在、国立大学でテクニカルスタッフという身分で働いている非常勤職員です。
4月からの雇用が不安でネットで情報を集めていたところ、このサイトに辿り着きました。詳しく丁寧に説明して下さっていたので分かりやすかったです。ありがとうございます。
私の大学も、カウントが始まるH25.4.1からではなく、その非常勤職員が採用された時から数えられるそうです。
そこで心配が出てきたのですが、私は元々、技能補佐員で3年務めた後テクニカルスタッフになりましたので合わせて8年になります。私の大学ではパートは期限があるのですが、テクニカルスタッフは今のところ研究室の外部資金等のお金が続く限り勤めて良い事になっておりこの様な立場の方が多くいます。
4月1日からの5年雇用制度にテクニカルスタッフも該当するらしいといわれてるのですが、さかのぼってしまいますと既に5年以上働いているので4月になった時点で急に更新が出来なくなる可能性はありますでしょうか。
大学から正式な発表がまだ出てないので不安な毎日です。
 
 
 
Re:うさこさん (管理人)
2013-03-13 21:43:20
>4月になった時点で急に更新が出来なくなる可能性はありますでしょうか。

コメントを読む限り、「その非常勤職員が採用された時から数えられる」+「仮にテクニカルスタッフだけを見ても既に5年勤めている」のため、4月の更新がなされない可能性を否定することはできません。

一方、雇止めをする場合は、その一か月前までには予告をしなければならない、というルールがあります。これをもし大学が順守しているのであれば、少なくとも現時点から1か月は雇止めが起こらないはずなので、4月1日の雇止めは無いことになります。うさこさんの周りで既に雇止めを予告された方などはいませんか?

事務的な観点から考えるとうさこさんを雇止めにするかどうかの結論は事務レベルでは出ているのではないかと思いますが、上記のとおり、一応ルールにのっとって考えれば、雇止めはあと1カ月は起こりません。ただこのあたりをどのくらい厳密に運用しているかは不明なため、不安なようなら「職探しをしなければならないから」という理由で、上の方に伺ってみるのも良いかも知れないです。
 
 
 
Re:うさこさん (管理人)
2013-03-13 21:46:34
追記:うさこさんの例はちょっと興味があるため、差し支えが無ければかまいませんので、もしどのように決着するか結論が出れば、またコメントいただければ幸いです。
 
 
 
改正労働法について (うさこ)
2013-03-15 02:13:12
管理人さん
お返事ありがとうございます。
今のところ、私も含めて周りで雇止めの予告等された方がいるという話は聞いておりません。
研究室のボスも私も来年度の実験計画も立てられずかなり不安な毎日です。
ボスも私もそれぞれ人事課に問い合わせしたのですが、「特に今年度までと何も変わらないので長く雇いたいなら外部資金を稼ぐように。」という同じ回答しか返ってきません。まだ正式発表前なので公表出来ないので知らないフリをされているのか、本当に何も知らされていないのか、言葉通り受け取って良いのかモヤモヤしているところです。
どちらにしましても結論が出ましたらご報告させて頂きます。
 
 
 
非情な記事 (非常勤講師)
2013-03-27 15:38:04
いくつかの私大を掛け持ちしている非常勤講師です。
ここで薦められている、最初から契約に5年上限を入れるということを、新年度の契約でやられました。
しかも4年上限。
4年か5年後にすべての非常勤講師を失い、同じ数の仕事を探さねばならない。
それをさも当然のように薦めているのを読んで、こういう人たちが大学を運営しているのだとわかりました。
 
 
 
大丈夫でしょうか・・・ (不安人)
2013-04-20 03:30:56
某国立大学医学部の臨床試験部を考えている者ですが、新卒で選抜方法も、他の企業並みに何度も面接もあります。新卒でこうして内定をもらって働いていて、初めの5年間は「非常勤」というのは本当に将来大丈夫なのでしょうか?
 
 
 
Re:不安人さん (管理人)
2013-04-20 07:49:13
「初めの5年間は」という表現から、6年目からは正規職員になることが予想されているということでしょうか?

「非常勤」という文言から、恐らく「初めの5年間」が有期雇用であることが予想されます。労働契約はケースバイケースで非常に様々な状況が予想されますが、それでも「有期雇用」である以上、今回の改正労働契約法の適用を免れることができません。こういう場合で事務として気を付けていただきたいと思うのは、例えば大学や事務組織としては本当に5年間のみの雇用のつもりで非常勤として雇用したのに、教員や研究室サイドでは6年目以降も雇うつもりだったので、教員や研究室サイドから非常勤職員に安易に6年目以降の雇用(そしてこれが今回の改正労働契約法では実質的に無期雇用となりますが)を約束してしまう、という事態です。

確かに助教や准教授の採用でも、最初は任期付きで、そのあと無期雇用になることがかなり確定的である雇用は存在します。しかし、この場合でも、何かあった際に任期満了による退職は当然に想定されています。非常勤の有期雇用であれば、さらにその想定は強いものと思われます。

不必要に不安にさせるのは決して自分の本位ではありませんが、有期雇用では雇う側と雇われる側が双方で「こんなはずではなかった」となるパターンが非常に多いです。対策として、とにかくいろんな方面からの説明を受けることが有効なはずです。「医学部の臨床試験部」とのことで、最初はやはり採用試験をしたり、勤め先となる研究室の教員しかコンタクトを取れないかも知れませんが、なるべく事務と接触する機会があれば、いろいろなことを事務とも確認しておくことをお勧めします。また労働契約の際には「労働条件通知書」のような文言の用紙が必ず配付されますので、これは熟読してください。「詳しいことは就業規則で」と書いている部分もあると思いますので、できれば就業規則まで読んでおくことをお勧めします(読み慣れてない人にはちょっとキツイですが、雇用期間等の上限は必ず就業規則に明記があるはずです)。それらに加え、最低限、自らも情報収集を行ってください。労働契約や労働法全般に関することを確認することも非常に有益です。

有期労働契約については大学組織としても十分な説明を行っていない場合があって非常に申し訳ないのですが、雇用側と被雇用側が相互に気を付けることによって、トラブルは未然に防げるものと、個人的には思っております。
 
 
 
回答ありがとうございました。 (不安人)
2013-04-20 10:46:43
私は、5年間非常勤→6年目から正採用 と受け取っておりましたので、こうして疑問に思い質問させていただいて、本当に良かったと思います。丁寧に教えていただきありがとうございました。まだ学生は、そういうことには無頓着で(初任給くらいは見ますが)後で、こんなはずではなかったと思う前に気がついて、このページを見つけることができてよかったです。

直接その臨床部の面接担当の方にも、以前問い合わせたのですが、やはり曖昧な回答でしたが、国立ですしこんなに普通の企業のような採用方式をとっていたので、5年たったら正採用にしてくれると思い込んでいました。

大学院卒以上の新卒ばかりの募集採用になっていたので、「非常勤」というだけでも驚いていますのに、その後が不確実では、言葉は悪いですが「詐欺」のようにも思えますし、その後解雇されても新卒ではないし、はっきりしていただかないと、その人の人生も狂わせてしまいますよね・・・
ということは、6年目以降雇用を継続していただいても、非常勤の延長では「退職金」はいただけないということですね?!

質問ばかりですいませんがお願いいたします。
本当に、ここに就職したいと思っていましたので・・・
 
 
 
Re:不安人さん (管理人)
2013-04-21 00:13:01
まず下の点に回答します。

>6年目以降雇用を継続していただいても、非常勤の延長では「退職金」はいただけないということですね?!

「退職金」の有無はその国立大学の規程に基づくと思われます。自分の国立大学では、フルタイムの非常勤職員には退職金が支給されますが、パートタイムの非常勤職員には支給されません。また自分の国立大学では非常勤職員の退職金はそれほど高くありません。仮に5年勤めたとしても、たしか1月分の給与を少し上回る程度だったと思います。


>直接その臨床部の面接担当の方にも、以前問い合わせたのですが、やはり曖昧な回答でした

恐らく臨床部でも、5年後の予算措置などがどうなるかまだ見通しがとれなくて正規雇用(あるいは無期雇用)への約束をできないのだと思います。ただここにおける一つの判断基準として、不安人さんの「雇用財源」が何であるかを確認する方法があります。「雇用財源」とはある職員の給与を支払う元となる財源のことです。我々正規職員の雇用財源は「運営費交付金」という政府から毎年度支給される財源で、これは年々減らされてはいるものの、政府が転覆でもしない限り財源が無くなることはまずないため、財源としては最も「安定している」と言えます(そのため、このような雇用形態を「安定的財源による雇用」とよく呼称します)。非常勤職員でも、運営費交付金で雇用される場合は少なくありません。学部の事務室にいる非常勤職員さんなんかは運営費交付金による雇用である場合が多く、これらの非常勤さんは少なくとも「財源的な理由」で雇用上限年数の途中で雇止めになるケースは比較的少ないです(完全に無いわけではないですが)。この「運営費交付金による雇用」に対し、「プロジェクト経費等による雇用」が存在します。「プロジェクト経費等」とは要するに運営費交付金以外の全ての財源を指し、科学研究費補助金、ある財団の研究助成金、○○省の補助金、学内での競争的研究資金など、無数に存在します。無数に存在しますが、これらの経費の特徴は多くが「有期であり、金額に上限がある」ということです。具体的には、どの財源であれ、最初から「平成○○年度から平成○○年度までで、○○万円を支給する」とその上限が定まっています。当然、このような財源による非常勤職員の雇用には、自ずと採用年数に上限があります。場合によっては大学が定める非常勤職員の雇用上限年数より低い年数で更新が停止する場合もありますが、そのような場合の原因は多くはこのように雇用財源そのものが無くなることにあります(ちなみにこのような競争的資金が有期であることを理由にする更新停止は、一般的には合法とされています)。

以上を踏まえ、もし不安人さんの雇用財源が「プロジェクト経費等」によるものである場合、現時点で6年目以降の雇用を保証することはかなり難しいと言えます。このような場合でも、プロジェクト経費が終了してからは他のプロジェクト経費に雇用財源を変えたり、あるいは運営費交付金に雇用財源を変えるなどして正規雇用(あるいは無期雇用)へ変えることは不可能ではありません。ただ、プロジェクト経費は通常、教員・研究室単位でその経費の使用内訳を決定できますが、運営費交付金は国立大学・部局単位でその使用内訳を決定するため、なかなか非常勤職員の際の雇用とは同じには行きません。早い話、プロジェクト経費なら臨床部の許可があれば不安人さんを雇えたとしても、運営費交付金で、しかもそれが「本部付の運営費交付金」なら大学本部の許可が必要ですし、「部局(医学部)付の運営費交付金」なら医学部全体の許可が必要です。「部局(医学部)付運営費交付金」か、あるいは「臨床部付運営費交付金」なら一見するとそこまで反対する人間がいるようには思えないとしても、このように小さな組織単位になると財源そのものの額があまり大きくなく、要するにあまり余裕がありません。そのため、例え医学部部長が不安人さんを評価していて正規雇用にしたいなと思ったとしても、「君の働きぶりは認めるんだけど、なにせ予算がなくてねぇ…」という感じで正規職員化に踏み切れない傾向があるのです。また運営費交付金と言えどもやはり金額には上限があります。これに対し、正規職員化を希望する非常勤職員はとにかく無数に存在します。そのため、採用当時にすべての非常勤職員に対し正規雇用化を約束することは、倍率から言っても非常に難しいのです。

また上の財源の話とは少し話が外れますが、「正規職員化」と「無期雇用化」は区別して考えなければならないことに注意してください。つまり、「無期雇用だけど正規職員ではない」場合が存在するということです。このあたりは何をもって「正規職員」とするのか、という定義の話ではありますが、今回の改正労働契約法により、いわゆる「準正規職員」がかなり現実味を帯びる形となってきました。不安人さんは「6年目から正採用」と書いていますが、これは「6年目から正規職員化」を想定していますか?自分の言う正規職員とは要するに、このコメントを書いている自分と全く同じ身分であり、通常なら国立大学法人等職員採用統一試験等を受験してなる身分のことです(「臨床試験部」と書いているので、恐らく技術職であり、勤務部署も事務とは違って病院・医学部系に限定されたり、試験方法も事務とは若干違うのかも知れませんが)。これに対し、単なる「無期雇用化」はここでいう「正規職員」とは違います。ちょっと言い方が悪いですが、早い話「有期雇用が無期雇用になっただけの非常勤職員」という存在なのかも知れないのです。一般にはこのような雇用形態は「準正規職員」と言われ、給与面では非常勤職員よりちょっといいけど、正規職員には届かない、なんて処遇が一般的だと思います。

「正規職員化」と「無期雇用化」は給与面でも違いがありますが、その「採用方法」でも違いがあるはずです。単純な「無期雇用化」だけなら、雇用財源を医学部が責任を持てば割と簡単にできると思います。ただし「正規職員化」となるとこれは大学全体の話なので、医学部だけでは無くて、大学の行う「非常勤職員の正規職員への登用試験」をパスしなければならない、なんて可能性もあります。そこまでいかなくても、大学本部の人事部と面接をしたりする可能性もあります。


以上のように、非常勤職員の正規雇用化は解決すべき問題が非常に多くてややこしいです。ここに書いていること以上にも、もっとたくさんあるはずです。臨床部も、これらの点を現時点で全て回答することは不可能なため、返答は曖昧にならざるを得ないはずです。

個人的なアドバイスですが、自分は「非常勤職員」として募集がかかっているなら、ハッキリ言って6年目以降は期待しないという覚悟で持って臨んだ方が良いと思います。少しキツイ言い方かも知れませんが、国立大学事務職員として、非常勤職員の正規雇用化は上のとおり簡単にやれるものではありません。安易に6年目を口約束をして、不安人さんの5年間における転職準備のチャンスを失わせるよりかは、今の内に悪い可能性の方をお伝えして、不安人さんに考えるお時間をなるべく早くに、そしてなるべく多く与えた方が良いものと自分は信じます。上に書いたことは少ない情報から自分が推測できる範囲のものであり、不安人さんの実際をどこまで正確に当てられているかは、実は少々心もとないところなのですが、前のコメントにも書いた通り、これも「一つの意見」として参考にしていただければ幸いです。
 
 
 
詳しいご説明ありがとうございます。 (不安人)
2013-04-21 04:20:11
さすがに現在国立大学の事務員さんということで、詳しくご説明をいただき、お忙しいお時間を割いて回答していただきありがとうございました。

面接担当の方は、昨年は10名ほど採ったが、将来の枠を考えて今年は少なく数名だけ採ると話していらっしゃったので、きちんと6年後を考えてくださっているのだと甘い考えでおりましたが、管理人さんのお蔭で財源がどこからかとか、職員分けも、単純に正か非かというものではなく、給与体系や退職金についても変わってくることなど詳しく教えていただき納得しました。
職種に興味があり、電話でお話したり、直接見学させていただいたこともあり、職場の雰囲気も良く残念には思いますが、私も在学中だからできる他の選択を、このページにたどり着いたお蔭で考えることができました。
中で働いていらっしゃる方々は、ドクターを出た方もおり、皆さんそんな不安を抱えてお仕事をされてるようには見えませんでしたので・・・
それに、HPの中にある、お仕事をされてる方々の体験記や、「ここを選んで良かった」みたいなページは、学生にとりましては、職場を選択する大きな情報源なのに、デメリットは書けないのしょうけど・・・
「5年間は非常勤です」だけでは、じゃあ、その後は常勤であり正になれるのだろうと思ってしまいますよね?・・・
そして今は、「新卒」が価値があり、「既卒」になると一般企業の就職は難しくなりますので、新卒ばかりの募集という点でも、もう少し考えていただきたいですよね・・・

ノーベル賞を取られた山中先生がよく訴えていらっしゃてることが、今よく分かってきました。国もよく考えてほしいです!
せっかくこういう研究を支えている優秀な方々が、安定した環境でお仕事ができる環境を整えていただきたいです!

親身に色々教えていただき、本当にありがとうございました。また教えていただくこともあると思いますが、よろしくお願いいたします。 
 
 
 
理解できないのです (今現在5年の人)
2013-07-15 07:49:25
いろいろと詳しく説明していただきありがとうございます。法律関係のことにうとくて、よくわからないのでいろいろと教えていただけたらと思います。

私は平成21年に某大学の有期契約職員として採用されました。3年終えた時に、二度とこの大学では採用されないということを条件に、最長5年の契約更新の用紙にサインしました。法律が変わるかもしれないと聞いていたからです。

そして、今年の4月からは、申請すれば無期への転換ができるという法律が施行されました。ただ、この法律は平成25年4月からの方が対象だと聞きました。では、それ以前の人はどうなるのでしょう。知り合いの方で、3月に契約された方がいます。4月採用だったら5年先の方向性が違ったのにと不安を抱えていらっしゃいます。
経験が必要な仕事なので、すぐに代わりの方という訳にはいかず、上司も困っている様子です。今現在5年目の方たちは、どういう選択をせまられているのでしょうか。年齢のことを考えると、早めの就職活動をする必要があるのではと不安です。ただ、県内に理系の大学が1つのみなので、今の大学での採用はできないと言われると、同じ職種につくこともできず、まったく新しい職種を探さざるを得ません。
同じ立場にいる有期契約職員のみなさん、どうされているのか。今現在、どのような状況にいるのかなど、教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
 
 
 
有限責任事業組合とか… (だまつ)
2013-08-06 00:11:47
大学研究室の教員です。有能な事務員さんが3年を超えるにあたって、非常に困っております。ここで勉強はできましたが、対抗するとなるとやはり難しいのもわかります。
私の研究室はやや大きく、科研費を含む研究室の予算から事務員・技術員の給料を支払っています。

こういうのはありでしょうか?有限責任事業組合を事務員さんたちに設立してもらい、それぞれに業務を委託する形でお金を支払うことで、事実上年限を超えて研究室にいてもらう。事務員さんたちは正規雇用を望んでいるわけではありません。また、一部の方は昇給を望んでいますが、大学に雇用される形ではそれは叶わないので、それに対して応えるにはこういうやり方はどうかというわけで。
まぁそれができたとして、我々が研究費を今後も獲得し続ける必要はあるのですが…。

この手の話に疎いのでご教示願えれば幸いです。
 
 
 
Re:だまつさん (管理人)
2013-08-06 11:56:33
有限責任事業組合の件ですが、自分は「有り」だと思います。というのも、労働契約法の改正が始まる少し前から、既に非常勤職員の雇止めの問題が常態化していたのですが、その際にそのような外部組織を作って非常勤職員を長年に渡って大学で働けるようにできないだろうか、という声を何回か聞いたことがあるからです。

ただ、さすがに大学主導でこれを作る、というのは難しいと思います。会社を一つ立ち上げる、というのが難しいというのももちろんありますが、それ以前に、大学が労働契約法の脱法化を狙っていると受け取られかねない可能性があるからです。もし作るなら、ある程度大学から独立した存在であることを明確にした方が良く、例えばその運営を学部教授会等で決定する、などはしない方が良いのではないでしょうか。

また仮に作るとすれば、ある程度規模を大きなものにする必要があると思います。さすがに特定研究室に恒常的に非常勤職員を置くためだけに新たな組織体を一つ作るのはリスクや効率の面からも難しいと思うので、ある程度職員のやり取りができる、似たような研究分野の研究室が複数個合同で取組み、また可能であれば将来的に学部や、複数学部が関われるくらいになる見込みがあれば、この有限責任事業組合等の組織体は、少なくともやってみる価値があると、個人的には考えています。

事業形態について、自分は詳しくないのですが、基本的に「人材派遣会社」という形になるのでしょうか?その場合、非常勤職員として働いていた職員は、その身分を「大学」から「人材派遣会社」に移動させ、大学は自身の人件費からではなく、物件費等の予算を使って、人材派遣会社から研究補助の人員を派遣してもらう。もしプロジェクト等が終了した場合は、人材派遣会社に人材の派遣を停止してもらうことにより、雇止めや無期雇用転換の問題を生じさせずに、人員を削減することができるようになる。

ただ個人的に気になるのは、このような事業体を作ることが、そこで派遣される職員さんのためにもなるかどうか、という点です。確かに5年を超えても専門知識を大学で生かし続けることができるというのは非常勤職員さんの利益になりますが、現行の労働契約法が5年を超えた時点で無期転換を命じている背景には、非常勤職員を不安定な身分に置き続けることが法的に不当である(仮に置くとしても、その限度は5年である)という背景があると思います。このことから、仮に法的にクリアできたとしても、研究室や大学側が今回の労働契約法の5年制限をクリアすることだけをもっぱらの目的として事業体を設立することは個人的には気が進みません。

そこでせっかくこのような事業体を設立するのであれば、そこはぜひ、大学の非常勤職員等でキャリアを積んだ方々の、よりよい再就職支援も兼ねてもらいたいと思います。具体的な理想としては、できれば事業体は複数大学(もし可能なら全大学!)を派遣対象として設立し、ある大学の研究室で非常勤職員が契約満了になっても、すぐに他の大学でその職員を採用するか、あるいはある程度の待ち時間はあるにしても、次の就職先の目途をつけられるようにするか、などです。このようなやり方は、かなり大規模な派遣先と人材をプールしておかなければ成り立たないため、最初からかなり大規模な事業体であった方が理想的なのですが、民間などが意欲的に取り組まないところをみると、もしかするとやはり難点があるのかも知れません。ただ大学や研究室が、このような制度があったらいいなと表明することにより、じょじょにこのような事業体の可能性を模索する道もあると思うので、今回の提案は、自分としてもぜひ、今後議論を深めて、いつか近い形で実現ができればと切に願うものです。
 
 
 
有難うございます ( だまつ)
2013-08-07 23:38:41
管理人様、

早速の返事を有難うございました。
確かに、大学間で協調してそのようなことができると理想的ですね。
個人的にはそこまでの組織運営力が無いため、もっと簡単に、と考えていましたが、確かに脱法組織のように思われてしまっては困ります。

実は別な研究組織の研究室で似通ったカラーのところと協調して、限度が来たら一定期間はお互いの研究室で仕事してもらうような相互交流を提案されたので、それで上手くいくかもしれません。

>非常勤職員を不安定な身分に置き続ける
この点は注意しなくてはいけませんが、例えば子どもも小さく、扶養枠に収まっていたかったり、フルタイムの常勤労働までは望んでいない女性には非常勤のままでいたい方がいるのは事実ですし、そういう方を想定していました。
 
 
 
有限責任事業組合(?) (高年(?)大学技術職員)
2013-08-14 15:35:35
うちの部局は、できた当時は、ある分野の研究に使用する装置としては世界一大規模なものを持っていたため、それを操作するだけでも非常に大人数が必要でした。(現在では世界で5番目くらい?日本では、まだダントツ一番でしょうが。)
 大学の研究施設としてできたのが不思議なくらいでしたが、部局に所属する正規の教職員の数はせいぜい10数人だったため、部局主導の”法人”を複数立ち上げ、そこで人を雇い、また、一般企業にも名目は”補償金”として給与全額を支払い、こちらに派遣(出向?)という形で、人員を配置し働かせていました。それにより、大学名簿にも載っていない技術系の職員(?)40人以上で大規模実験用装置、機器の操作その他を行わせていました。
 一つ、そういったことを行っていた際に、実際にあった不具合点をお知らせしておきますと、上記法人の内の一つは、いわゆる”進学校でない高校”に募集をかけ、最寄りの私大の夜間に通わせながら、将来は当大学の大学院を受けさせるという方針で、人を確保していたのですが、宣伝文句として「大学院に行かせる。」が強調されすぎたようで、彼らの中には、仕事もせずに勉強するのは、まだましなのですが、勉強もせずに、仕事を言いつけても「私はここに来たら、大学院に入れてもらえるから来たので、仕事するために来たのではない。」と、仕事を拒否したり、届け出もなしに早退するわ、休むわということを繰り返す者も結構多くいたこともあります。うちの部局の作業は毎日深夜にまで行うことも多く、彼らが早退や休んだ時は、代わりに正規の職員が自分の担当分プラス彼らの分を最後まで、やらなければならないということも多く、大変な時期がありました。 うちの部局の上の先生方に陳情しても「それは君の指導が悪いのだから、彼らの代わりに仕事をやるのは当然のことで、それがいやなら、彼らが仕事をするように指導したらいいだけのことだ。」と取りあってもくれません。
 確かに、一つ気づいたのは、正規の職員でも、彼らがいうことをよく聞く人は数人いました。しかしながら、何のことはない、そのような職員は、うちの部局の法人技術系職員の半数以上を占める、「彼らの高校」の先輩で、大学院入試に失敗したため、初級公務員試験で技官になって、部局に残っていたのですが、年に数回その職員の企画で「高校OB酒宴会」(毎回何十人も集まっていたそうですが。)を開いて、親交を深めていました。要するに、私がその方法を使おうとしても、大前提からして無理ですし、その「高校の先輩」職員のほうと言えば、体育会系の「お前らちゃんとやっとけ!俺は帰る。」で済んでいました。(私が、この部局に来る前に、私に対する対策会議を会議室の一つに、OB連と、他の技官を集めて行なったということを、複数の人に聞きましたし。)
 どちらにしても、人数が多くても実質は何もしていなくて、賃金の無駄のような人員が多く発生する場合もあり、これは、”過剰広告”その他の問題点のある人員の安易な増加策をとると駄目!という見本のように思われます。
 現在は、最寄だけでなく、全国的にも”夜間大学”は、ほとんどなくなってしまい、上記のような人間も来ることが実質不可能になったのですが、また、別の問題も浮上してきており、(たとえば、”学歴”を餌に、少し余剰な仕事をさせることができなくなった。)つくづく、うかつな人員の増加を行うのは、慎重に、よく考えて行わなければならないと思います。
追伸
 部局で教員連が立ち上げた法人だから、問題のあった人員の直接の管理責任があったのは、書類上も、先に書いた「上の先生」だったのですが、なぜか、この先生方、彼らに注意するどころか、ご機嫌取りとしか思われない対応が多くありました。うちの部局内でも、他の、うちの部局の体制に批判的な先生曰く。「あの先生、高校のときにああいうタイプにカツアゲでもされたんちゃうか?」
 
 いろいろあるもんです。
 
 
 
有期雇用契約 (ニート)
2014-11-09 19:32:37
 私の友人が某国立大学で、学術研究員として勤務しております。「学術研究員」と言えば聞こえは良いかもしれませんが、実質はパートのお母さん方と扱いは変わりません。朝9時から午後3時までの短時間勤務で、時給は約1700円以上、一日最低8500円貰える計算になります。これを20日間続けたとして、17万円です。大学院の博士課程を修了し、Ph.Dも終了したというのにこの扱いです。あまりに酷くありませんか?
 実はこの人、日本人ではなく、Ph.Dを取得するために日本の大学に来て、そのまま日本で働く外国人なのです。本人は仕事内容に満足している(研究を仕事にできている)のですが、みているこちら側が不安です。
 大学側は社会保険もかけずに使うだけ使って、都合が悪くなったら見捨てようとしています。何も知らないのは日本語の読めない本人だけなのです。
 なんとかして救いたいです。何か方法は無いのでしょうか。
 
 
 
 
有期雇用契約 (ニート)
2014-11-09 19:40:39
 先程の者です。ちなみに、この方の終業時刻は午後3時と書きましたが、毎日残業しております。昨日、家に遊びに来てくれたときは、「昨日実験が成功したと思ったら、夜中の2時になっていたんだ」と話していました。しかし、失礼ながらも給与明細を見せてもらうと、どうも残業代をもらっている様子がないのです。先程も書きましたが、この方は日本語が読めません。したがって、給与明細に何が書かれているかが分からないのです。雇用契約も、詳細を理解しないまま結んだようです。
 現在、日本では海外から沢山留学生を呼ぼうと躍起になっていますが、雇用面までは考えていないようです。酷いですよね。
 私は、この方に転職を勧めるつもりです。しかし研究一途なので、本人は嫌がるでしょう。
 
 
 
雇用について ( 高年(?)大学技術職員)
2014-11-12 12:21:42
ニートさん。

 ニートさんの文面を読む限り、その”外国人”の方は満足して働いていると取れますが、私の部局では、日本人で同じような雇用のドクター持ちが昔からかなりおり、やはり先生からサービス残業を強制されて、「月15万くらいしかもらっていないのに!」とか愚痴を言いながらやっているのもいたり「自分のための研究ですから!」と喜んでやっているのもいました。
 待遇としては、それらを考えると、「外国人だから」騙されて悪くされているとも思えないし、その外国人の方は前述の後者(喜んでやっている。」ほうに分類されるように思えます。
 しかしながら、確かに、将来的な保証がないというのは不安な気がします。前者のほうでは「夢破れて」部局の教員その他として残れなくて、「意に染まない」民間会社その他に就職したりしたものも多くいますが、彼ら、やめる際にかなりひどい捨て台詞を残したものもいます。 院卒というのが、そのまま能力につながるかどうかは別問題として、能力に見合った待遇を与えられるような仕組みが大学にもほしいところですね。
 
 
 
雇用について (ニート)
2014-11-14 20:02:29
高年(?)大学技術職員さん

コメントありがとうございます。やはり、本人が満足している以上、周りが心配しても仕方がないのかもしれませんね。
 「能力に見合った待遇を与えられるような仕組みが大学にも欲しい」というところに、とても共感いたします。
 現状では大学の雇用の仕組みは変えられないので、私は私なりに、その方の条件に合った求人を探してみたり、努力してみようと思います。
 
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