海老さま事件で、やるはずのない市川家の「外郎売」を愛之助が演じることになり、評判がよいので、急に観に行きたくなって、かねてから行きたい行きたいとおっしゃっていた千代先生を誘って、顔見世に行きました。 お目当ての「外郎売」は「対面」を思わせる華やかなもので、顔見世の幕開きにふさわしいものでした。4日程で急に代役を勤めることになった愛之助は、代役とは思えない出来でした。これがプロなんだなあと思いました。が、やはり江戸のものは、特に市川家のものなので上方役者には海老さまを越えられないなあと思いました。私達も心しておかないといけないなあと思いました。 「七段目」と「河庄」を三分の二ずつ割愛して、大阪にお稽古に行って来ました。「鳥さし」が一回分だけ残っていたので、年内にやり終えたいと思い無理な計画を実行しました。仁左衛門、吉右衛門、玉三郎が出ると、舞台の雰囲気が変わりました。やはり一流なんだなあと思いました。東京 で観た時にはあまり魅力を感じない「河庄」の藤十郎がとてもよかったです。やはり上方で演じてこその演目なのでしょうか?観客が歌舞伎を育てるということでしょうか? 今夜の驚きは芝雀でした。今まであまり印象がなかったのですが「鳥辺山」のお染を好演していました。松江もよかったです。新しいスターが台頭してきたのを嬉しく思いました。最後は「越後獅子」を成駒屋が賑やかに踊りました。もう少し上手な人だったのにと少々残念でしたが、千代先生共々さすが顔見世だなあと満足して、家路につきました。
小さい時から絵を描くのが下手くそだったし、あまりよくわからないのですが、今月は京都で「上村松園展」を、東京で「その名は蔦屋重三郎」を見ました。ずっと前に、西川鯉先生に「松園先生の絵は舞台衣装を考える時にとても役に立つからみときなさいね!」と言われたことがありました。当時は、今でもあまりかわらないかもしれませんが、自分の衣装を考える余裕もなく、まわりの先生方のご意見に従っている状況ですが、わからないなりに何か学べればと、鯉先生のお言葉を忘れず拝見しました。写真は「舞仕度」です。先生の絵にでてくる女性の雰囲気を出せる舞踊家になりたいなあと思います。サントリー美術館で見た蔦屋重三郎は写楽や歌麿をプロデュースした江戸の文化人です。O先生に勧められました。江戸の華やかさを満喫しました。これをプロデュースした人はすごいなあと感心しました。私にこんなプロデュース力があったらなあとちょっぴり残念!