結局バリュー投資のリターンってどんなもんよ?と言う方に例を提供したい。
ここに、いわゆるバリュー株があるとする。
想定される指標は下記の通り。
PER 5.6倍
PBR 0.5倍
ROE 9%
資本 100
配当性向 0%
利益は内部留保&再投資
この株に投資をしたとしよう。バリュー株なら長期投資だ。
20年間投資し続けた場合を想定しよう。
投資期間中に企業にも株券にも様々な変調が現れる。
企業の場合は財務/収益体質の変体。株券の場合は評価替え。
高ROEは様々な理由で数年後のそれはおしなべて低くなる。
10年もあれば高ROE企業も平均程度の収益率まで落ちる。
低PBRは市場の評価が変わる事により徐々にPBR1倍に回帰していくと言われている。
しかしそのスピードは驚く程に緩慢。しかも中途半端にしか回帰しない。
と言う事で、利益率は10年で半減し、ROEは9%から5%に落ちる。
さらに、PBRは15年かけて中途半端に回帰し、その後、PBRに変化が起きないとしよう。
んで、その条件下でシミュレーションをした結果が下記の表。

腐ってもバリュー投資。投資後10年程度は年率10%は期待できる。
しかし何故こんな事が可能なのか?
それは利益率がどんどん落ちるとは言え、資本は溜まっていくから。
その溜まった資本は価値が再評価される。だから株価も自ずと上がっていく。
資本増加&資本の再評価がキーになる。とでも言っておこう。
ま、資本の増加も資本の再評価も伸びきったらもう高い株価成長率は期待できない。
そうなったら売り時。他の割安株に仕込みを入れる良い時期だと
ここに、いわゆるバリュー株があるとする。
想定される指標は下記の通り。
PER 5.6倍
PBR 0.5倍
ROE 9%
資本 100
配当性向 0%
利益は内部留保&再投資
この株に投資をしたとしよう。バリュー株なら長期投資だ。
20年間投資し続けた場合を想定しよう。
投資期間中に企業にも株券にも様々な変調が現れる。
企業の場合は財務/収益体質の変体。株券の場合は評価替え。
高ROEは様々な理由で数年後のそれはおしなべて低くなる。
10年もあれば高ROE企業も平均程度の収益率まで落ちる。
低PBRは市場の評価が変わる事により徐々にPBR1倍に回帰していくと言われている。
しかしそのスピードは驚く程に緩慢。しかも中途半端にしか回帰しない。
と言う事で、利益率は10年で半減し、ROEは9%から5%に落ちる。
さらに、PBRは15年かけて中途半端に回帰し、その後、PBRに変化が起きないとしよう。
んで、その条件下でシミュレーションをした結果が下記の表。

腐ってもバリュー投資。投資後10年程度は年率10%は期待できる。
しかし何故こんな事が可能なのか?
それは利益率がどんどん落ちるとは言え、資本は溜まっていくから。
その溜まった資本は価値が再評価される。だから株価も自ずと上がっていく。
資本増加&資本の再評価がキーになる。とでも言っておこう。
ま、資本の増加も資本の再評価も伸びきったらもう高い株価成長率は期待できない。
そうなったら売り時。他の割安株に仕込みを入れる良い時期だと
このシミュレーションですが、全般に条件が甘いような気がします。
PER 5.6倍以下
PBR 0.5倍以下
ROE 9%以上
でスクリーニングすると
1938日本リーテック
2652まんだらけ
2911旭松食品
3243ダイヨシトラスト
5161西川ゴム工業
5184ニチリン
6307サンセイ
6392ヤマダコーポレーション
6660インネクスト
7444ハリマ共和物産
8559豊和銀行
8881日神不動産
9927ワットマン
の13銘柄が出てきます。
このうち2911は特益が極端なので省いて12銘柄。
四季報で過去数年を見ると、一度も赤字になってないのは
1938、2652、3243、6307、7444、9927の6銘柄で
5161、5184、6392、6660、8559、8881は赤字になってます。
過去数年で赤字になってる会社が半分あるのに、
今後20年間で1社も赤字にならないという条件は無理じゃないかと。
つまり、「資本の減少」は充分にありえると思うんです。
(想定条件の配当性向0%を考慮してませんが、
どの会社も配当支払いのせいで赤字になったとは思えません)
>低PBRは市場の評価が変わる事により徐々にPBR1倍に回帰していくと言われている。
>しかしそのスピードは驚く程に緩慢。しかも中途半端にしか回帰しない。
その通りだと思いますが、もっと緩慢だと思います。
増加した資本分だけ、評価が上がる。
つまり、PBR0.5はずっと変わらない・・・ってのが20年程度の短時間の動きかと。
0.5が0.85になる事もあるでしょうが、それは景気や地合の良さから来る誤差だと思います。
PER5.6倍、PBR0.5倍、ROE9%という現状の条件か、
その後の20年間の変化の条件のどちらか(あるいは両方)が甘いので、
20年後に5倍以上なんていう結果が出てるだけじゃないかと思うんです。
そもそも1年目で14%のリターンがあるなら誰も苦労はしない訳で(汗)
一企業(営業黒字)が数年後に赤字転落(営業赤字)に陥る可能性はとても高いです。
過去のデータを見る限り、どんな利益率を持った企業群でも、例えば5年後に約2-3割は赤字転落してしまいます。
と言う事で投資先の各企業に赤字を回避させる事は難しいですが、複数の企業に分散投資をし、そこで出来たポートフォリオを疑似企業としてみた場合、営業利益ベースでの赤字回避は現実的であると思います。
>増加した資本分だけ、評価が上がる。
原因の切り訳は難しいです。既存の資本が再評価されたのか、新規で得た資本が正当に評価されているのか、判断が付かない。ただ、恐らく「増加した資本」が評価対象になっていると思います。増加した資本=利益。
>それは景気や地合の良さから来る誤差だと思います。
過去10年のデータを見る限り低PBRはより高いPBRに。逆に高PBRはより低いPBRになっています。この事から、PBRの再評価は景気や地合いの影響は比較的少ないと言え、0.5倍⇒0.85倍は十分妥当と判断します。(本当は、10年足らずのデータではとても心もとないですけど…)
では何故、低PBRが上がり、高PBRが下がるのか…それは資本の再評価というより、資本の利益率の変化によるのではないかと思っています。資本当たりの利益率は時を経るごとに収斂し、低PBRは思いのほか利益が出て、高PBRは思いのほか利益が出なくなり、株価もそれに引きずられると…。
>そもそも1年目で14%のリターンがあるなら誰も苦労はしない訳で(汗)
14%はあくまで想定化でのリターンですが、現市場を見る限り、決して得られないリターンでは無いと思います。例えば、比較的業績の安定した割安銘柄を集め、これらの企業が使用していない利益余剰、及び今後の利益を全額配当に回せるよう手配出来れば、14%はすぐに得られるますし、長期間そのリターンをキープする事も可能でしょう。企業の資本政策は我々では変えられませんが、その他の条件は既に揃っているのが、今であり、後ちょっと、と言う感じがします。
すんません、しまりが無いですが眠いので寝ます。おやすみなさい。
一発屋みたいな、今期は特に調子が良くて似非バリュー株みたいな銘柄は投資対象から勿論はずします。
まぁ、それで残った銘柄が今後も安定した利益を出してくれるかと言えば、そんな事もない。ただ、そうしないよりはマシではあるようでした。データ見る限り。
睡眠時間を奪ってしまってすみません。
自分が暇なものだから、長々と書き込んでしまいました。
結局のところ
>勿論、ポートフォリオに組み込む銘柄は業績の安定した真のバリュー株に限ります。
という前提条件が難しいので、それで甘く感じるのだろうと思います。
一番難しいところが100%出来る前提なので、それなら20年で5倍も大丈夫だろうと思います。
きょろすけさんには可能でしょうが、私には難しい。
なので、私には甘いシミュレーションに見えたのでしょう。
おっと、口が滑っていました。業績が安定している割安株に訂正します。
因みに冬葉さんは何%なら達成可能だと考えてますか?
せいぜい、こんなところじゃないかと思うんですけどね。
「20年後に"業績が安定している割安株"じゃ無い事に気が付いた」とか
「20年後に手法自体が間違っていた事に気が付いた」とかの
絶望的なシナリオも含めると、この程度の数字じゃないかと思うんです。
こんばんは。
最近こちらのブログを発見して、一気に2004年のものから全部読んでしまいました!
自分なりにこれまで株について勉強してきたつもりでしたが、このブログを見て、自分の不勉強を痛感しました。。
これからkyorosukekeさんに追いつくべく勉強を再開したのですが、もしよろしければkyorosukekeさんのオススメの本などを教えていただけますでしょうか?
突然のお願いで申し訳ありません。
もしよろしければお願いします!
私は一切合財無視してます。一点集中投資しているわけではないのでまさか分散投資した投資先全てが不良在庫で倒産する可能性は少ないと判断してます。
>>冬葉さん
保守的に見積もればリターンはどこまでも下がりますが、私は長期リターンで5%というのは考えた事無いですねぇ。冬葉さんのブログでの銘柄分析を見る限り、その点は同意だと思いますけど、どうでしょう?
>>Kazzさん
ウォール街で勝つ法則が良いです。この一冊でバリュー投資は事足理ると思います。この本に書いてある事をう鵜呑みにせずに『何故そうなるのか?』を問答していると道が開けると思います。