歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

ロシアの闇と美と

2006-12-20 23:53:01 | 海外ものづくり事情
元KGBのスパイがイギリスで何者かに毒殺される、という映画のような事件については、未だに真相が明らかになっていないようです。このほかにも、ロシアではチェチェン戦争を批判してきた女性ジャーナリストが暗殺されるという事件もありましたし、元副首相がやはり毒物らしきもので倒れるという事件もありました。時の政治権力にとって不都合な人間が密かに消されてしまう、そんな非現実的なことが現実に行われる、というのは日本人にとっては想像もつかないことです。
私はロシアを訪れたことはありませんし、ロシア人と付き合ったこともありません。しかし学生時代にロシア語を第二外国語として選択してあの国に多少なじんだこともあり、今でも私はロシア関連の情報には関心があります。いろいろな書籍やニュースから判断するに、ロシアという国は、深い闇を抱えていると言わざるを得ません。上記のような政治権力による暗殺(当局は否定してはいますが)に、官僚の腐敗、マフィアに牛耳られた経済、不気味な極右勢力、高い自殺率などなど。。。
しかし、底知れない闇を抱える一方で、芸術面では高い美的センスを示す点がロシアの不思議なところです。音楽、美術、文学、バレエなど、いずれもロシアは世界最高水準といって差し支えないと思うのですが、これらの美が際だっているだけに、深い闇とのギャップがロシアという国を理解しがたいものにしています。
闇と美と、両者は途方もなくかけ離れているわけですが、「非現実的」という点で両者はなんとなく共通するように思います。強大な政治権力による暗殺も、夢の世界に誘う幻想的なバレエも、いずれも今の若い人たちであれば「ありえなーい」という言葉で表現することでしょう。そのあまりの極端さは、第三者の立場で眺める分には興味深いものがありますが、現実にロシアという国と関わっていくとなると、いろいろと大変なことが多いのではないかなと思います。

(参考)
変換キー:ロシア元スパイの毒殺 08年大統領選巡る暗闘か
アンナ・ポリトコフスカヤ情報
ガイダル元ロシア首相代行の急病も毒物が原因か

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2 コメント

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PSIA(Public Security Intelligence Agency) (職業訓練指導員)
2006-12-24 14:27:02
日本にも似た組織がありますよね。代表てきなのが、オーム教団(現アーレフ)で有名になった。法務省の外局の組織。職員は、調査官と呼ばれています。
法務省の外局組織規模とは考え難いほどに他省庁への出向ポストが多く、内閣情報調査室を中心として内閣官房、外務省(本省、在外公館)、同じ法務省の組織である入国管理局に出向させいますよね。
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そんな組織があるんですか (kunihiko_ouchi)
2006-12-28 00:23:18
職業訓練指導員さん、コメントありがとうございます。
日本にもスパイ組織(のようなもの)があるとは知りませんでした。諜報活動はアメリカ頼みだとばかり思っていました。
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