歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

湘南企業

2008-02-25 09:36:26 | ものづくり・素形材
 「日経ビジネス」2008年2月25日号の特集記事「湘南企業」を読みました。

(以下引用)
 サーフィンとサザンオールスターズの曲がよく似合う「湘南」-。だが、そこには誰も知らない、もう1つの素顔があった。国内有数の成長力を誇る、企業の集積地だったのだ。その実力は、トヨタの愛知、任天堂や京セラの京都を上回る。常識にとらわれない逆転の発想で、独自に経営を磨いてきた。ニッポンの未来を拓く新たな成長の方程式が「湘南企業」にある。
(引用終わり)

 地元の人間としてはこれは面白そうだ、と思って読んだのですが、まず「あれ?」と思ったのがこの記事が対象とする「湘南」の範囲です。神奈川県の行政区分で言う「湘南」を対象に調査をしたそうなのですが(県の行政区分に「湘南」があるなんて知りませんでした)、この場合、「湘南」とは茅ヶ崎市、藤沢市、平塚市、伊勢原市、秦野市、寒川町、大磯町、二宮町の5市3町からなるのだそうです。伊勢原市、秦野市が湘南で、鎌倉市、逗子市、葉山町がそうでないのはちょっとイメージからズレていますね。

 記事の内容ですが、取り上げられている7社の優良企業の事例は確かに興味深いものではありました。エイアンドティー(藤沢市、臨床検査機)、アルバック(茅ヶ崎市、液晶テレビ製造装置)、東邦チタニウム(茅ヶ崎市、チタン精錬)、ニッポ電機(平塚市、蛍光灯)、アマダ(伊勢原市、プレス機械)、トープラ(秦野市、プラスネジ)、日鍛バルブ(秦野市、エンジンバルブ)。アマダ以外は私にとっては初耳の企業ばかりですが、どれも面白そうな企業ばかりです。
 しかしながら、これらの企業の共通項らしきものは私には見いだせず、記事が7社を「湘南セブン」としてまとめているのには少々無理なものを感じます。また、なぜ「湘南」に優れた企業が集積したのか、その歴史的背景あたりももう少し掘り下げてもらいたいと思いました。

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4 コメント

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アルバック (LMN)
2008-02-25 10:29:02
特集の中で触れられているアルバックの「集団のコンセンサス経営によるハイテクベンチャーの日本的ガバナンス」とでもいうべきものに、何とも複雑な感情でうなってしまいました。「我々は日本企業なのだからこれで行こう」なんて多くの経営者が思ったりしたら、私など逃げ出したくなってしまうし、本当に世界で勝てるかどうかも疑問。それにしても、徳川氏の巻頭言といい、「反市場」的な言論が最近目立ってきたように思います。

「逆転経営①アルバック ダラダラ会議が革新生む」
>「集中と選択はしない」と繰り返す方が技術者はその気になる。その一方で、社員を巻き込んで会議を重ねれば、自然と会社が向かうべき方向は共有され、技術者が開発したいというテーマも選別される。
>徹底した議論を通じた全社合意の下で経営の方向性を決める仕組みが、無分別な事業拡大を防ぎつつ、適度な新規事業の種を常にまき続けるという好循環を生み出しているのは確かだ。
>「ハイリスク・ハイリターンのハイテク産業で米国型の経営をやったら必ず失敗する。」
それをまとめたら博士論文になる (デハボ1000)
2008-02-25 13:36:48
>取り上げられている7社
ニッポ電機以外はお付き合いが一度に限らずある(但し取り上げているテリトリーとは違う)のですが、探せばもっとありそうな気がしますね。
>その歴史的背景
というのは、この分野を見る限り不十分のそしりを間苦れないような気がします。これらの企業を育ててそして退場していった会社もあります。そのあたりを分析していかないと不十分な分析になる気もします。
サンプリングとしては (LMN)
2008-02-26 09:51:47
まあ、共通項まで見い出せないとしても、統計上日本一の成長地域の代表的企業をサンプルとして取り出してみたら、それぞれ、経営のトレンドの通念とは異なる独自の経営を行っていた、ということを示せただけでも、価値はあるのではないでしょうか。
コメントありがとうございます (kunihiko_ouchi)
2008-02-27 00:41:38
LMNさん
>「逆転経営①アルバック ダラダラ会議が革新生む」
深夜までダラダラ会議をするのが良い、とありましたが、とても良いとは思えませんね。確かに私も違和感を感じました。
>それぞれ、経営のトレンドの通念とは異なる独自の経営を行っていた、ということを示せただけでも、価値はあるのではないでしょうか。
そうですね。
しかしデハボ1000さんもご指摘のように、この地域では探せばもっとありそうな気がします。
この地域で私が知っているスゴイ企業は、秦野精密というプレス屋さんです。「元気なモノ作り中小企業」にも選ばれています(http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/3kantou/14kanagawa_15.html)。
技術力の高さもさることながら、社長がものすごくユニークな方なのだそうです。訪れてみたい企業の1つです。