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最近ちょっとお疲れ気味

コンテンツ業界の有名企業の意外な経歴

2008-06-24 23:11:38 | Weblog
 日本には老舗を敬う文化があり、「創業以来、ひたむきに伝統を守り続けております」といった企業は、それだけで高い社会的地位を確立しているように思います。これに対し、本業とは異なる分野への進出に対する周囲からの視線は、どこか冷ややかなものではないでしょうか。事業というものは伝統芸能ではないのですから、マーケットの変化に柔軟に対応し、必要に応じて事業内容も変化させていくのは、利益を追求する企業として自然な行動でしょうし、「ひたすら伝統墨守」は企業としていかがなものかと思います。
 ただし、これまでの事業とは全く何の関連もない分野への進出となると、さすがにそれはちょっとどうか、と思っていました。利に敏い中華系の企業にはそんな例が多いようで、かつてこのブログでも触れたのですが、酒造メーカーが自動車部品を生産するために金型事業を始めたという話を知って呆れたことがあります(こちら)。
 
 しかし、日本にも意外な事業転換を果たした歴史を持つ有名企業があることを知りました。

 まず、「ハローキティ」で有名なサンリオです。

(以下wikipediaより引用)
 1960年に、山梨県の職員だった辻信太郎が、同県の物産である絹製品を販売する同県の外郭団体だった山梨シルクセンターを株式会社化。社名をそのまま引き継いで、創業したのが始まりである。だがその本業で同社は早々に失敗し、小物雑貨の販売に転じた。最初の成功は花柄を付けたゴム草履だったという。きれいでかわいいイラストを付けることで売れ行きが大きく伸びることを知った辻は、キャラクター商品の開発に乗り出した。当初は水森亜土、やなせたかしら、外部のイラストレーターや漫画家にデザインを依頼していたが、やがて自社が著作権を持つキャラクターの開発を目指すようになった。
 この方針のもとで、山梨シルクセンターは、1973年に国際的に通用しやすい名前を求めて「サンリオ」に変更した。
(引用終わり)

 そして、もう1つがアニメ制作会社のトムス・エンタテイメント(東京ムービー)です。この会社はサンリオほどの知名度はありませんが、「アンパンマン」などこの会社が制作を手がけた有名アニメは数多く、業界ではかなりの大手です。しかしこの会社も実に意外な経歴を有しています。

(以下wikipediaより引用)
 1946年、株式会社旭一編織として設立された繊維メーカーであったが、1989年、ウォッチマングループに買収された後繊維事業からアミューズメント事業へ業態を転換。以降、株式会社セガ・エンタープライゼス(後の株式会社セガ)に数度の第三者割り当て増資を仰ぐようになる。1992年にセガグループ傘下となり、1995年にアニメーション制作大手の株式会社東京ムービー新社を吸収合併した。2000年、「株式会社トムス・エンタテインメント」に商号を変更。2003年、繊維事業から完全撤退し、以降はアニメーション制作とアミューズメント施設運営を事業の二本柱とした。
(引用終わり)

 今やコンテンツ業界に確固とした地位を築いている両社ですが、どちらも繊維で創業したという点に興味を抱きました。もしも両社が繊維にこだわり続けていたとしたらどうでしょうか。現在では影も形も存在していない可能性が高いでしょう。
 営んでいる事業分野の先行きが暗い場合は、暖簾や看板にこだわって動かずにじっと風向きが変わるのを待ち続けるよりも、思い切った事業転換を図る方が経営判断として正しいことがあるようです。この2社以外にも意外な事業転換を遂げて今に至る有名企業はまだあるでしょうね。

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2 コメント

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Unknown (デハボ1000)
2008-06-25 00:37:39
繊維系統の会社にはこのパターン多いみたいですね。
●桐生機械⇒キリウ・・繊維機械から自動車部品
●シナノケンシ・・・くず絹糸の紡績事業から小型ハイテクモータ
こういった会社では、駆動系の保守管理に独自ノウハウを持つことが必要だから、必然的に技術がたくわえられたようですね。
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キリウは (kunihiko_ouchi)
2008-06-26 00:25:07
こんばんは。
キリウの鋳物工場はいつか訪れたいと思っています。もともと繊維機械メーカーだったんですね。情報ありがとうございました。
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